メニュー

歴史・民族デザイン
脇差

脇差

銘(表)應佐藤為成子需安喜佐寿造
 (裏)文政丁亥二月也正阿彌孫平田長美彫之
所蔵/徳島市立徳島城博物館 制作/文政10年(1827)
寸法/刃長44.8 ㎝ 反り1.4 ㎝

見事な龍が彫られている写真の脇差は、佐那河内村出身で阿波藩蜂須賀(はちすか)家に仕えていた刀工(とうこう)、安喜佐寿の作です。

茎(なかご)※が見所の一つで、たくさんの情報が読み取れます。茎には「銘(めい)」が彫られており、ここから佐藤為成の依頼によって安喜佐寿が刀を作り、文政10年(1827)に平田長美という金工師(きんこうし)が龍を彫ったことがわかります。平田長美は阿波正阿弥(しょうあみ)※の子孫とされる人物です。茎には、作者銘(刀工の名前)だけが彫られることが多く、依頼主や制作年、彫刻した人物などがわかるものは貴重です。刀身の表裏に彫られた登り龍・下り龍は緻密でバランスがよく、躍動感があり、長美の腕前が伝わってきます。 

この脇差は、刀工安喜佐寿「会心の作」と評されていて、阿波の刀工の高い技量を今に伝えています。



※茎︓柄(つか)の内側に入る部分。写真左及び、刀の部位の名称図を参照

※阿波正阿弥︓鐔(つば)に緻密な装飾を施す阿波の金工師



■刀の部位の名称図

刀の部位の名称図
登り龍の彫刻(右)茎(なかご)に彫られた銘(左)
登り龍の彫刻(右)
茎(なかご)に彫られた銘(左)
徳島市立徳島城博物館(常設展にて展示)
住所

徳島県徳島市徳島町城内1-8

電話番号 088-656-2525
開館時間 9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日 月曜日(祝日の場合は開館)、祝日の翌日(日曜・祝日の場合は開館)
期間 平成30年8月28日(火)~11月1日(木)
URL https://www.city.tokushima.tokushima.jp/johaku/index.html