団体によってスタイルも運営方針もさまざまな子ども食堂。活発に取り組む団体の中でも特徴的な二つの子ども食堂を訪ねた。
「こども食堂こうち実行委員会」は、高知市内の3カ所で子ども食堂を運営。その一つ「水曜校時カフェ」は、毎週水曜日16時から19時まで開く。1カ月で延べ200人もの子どもが訪れる。食材の多くは企業などからの支援で賄うが、その時々で食材が異なるため、スタッフは昼過ぎに集合し、メニューを考えるという。地域での居場所づくりをコンセプトにしているこちらは、さまざまな年齢層の人たちが集い、バイキング形式の食事を楽しみながら、自由に交流を図るのが特徴だ。「準備の大変さよりも自分の家に帰ってきたような子どもの笑顔に癒されますね」と代表の秦泉寺(じんぜんじ)あやさんは言う。
同じく毎週水曜日16時半から20時まで開かれている「えいや家(か)」は、「NPO法人GIFT」が子どもを中心とした地域の居場所として開設。ボランティアの高校生や大学生から勉強を教えてもらったり、食事の準備をしたりと自由に過ごした後に、みんなで一緒に食事をするのがこちらのスタイル。「お姉ちゃんたちと料理するのが楽しいから!」と率先して手伝う子や「先週来て楽しかったから、今日は友達も連れてきた!」と友達同士で連れ立ってくる子も多い。事務局長の眞鍋大輔さんは、子どもたちにとって自分の居場所として実感できる場所であると同時に、社会のルールを学んでいく場でもあってほしいと話す。
多くのサポートによって、子どもたちの笑顔が増え、それにより地域そのものが元気になっていく。子ども食堂は、まだ芽吹いたばかりの新しいコミュニティだが、今後、地域に欠かせない存在として広がっていくだろう。