メニュー

「étude」

「étude」

兼若 和也 Kazuya Kanewaka

2023年制作 縦180×横90㎝×3枚 日本画 顔料、鹿膠、銀箔、雲肌麻紙

南部アフリカで「人間性」を表す言葉として、ウブントゥ(Ubuntu)がある。日本ではしばしば「他者への思いやり」などと訳されるが、本来ウブントゥが示すのは、人はそもそも不完全であり、互いに補い合うことで初めて存在できるという人間観そのものだ。創作活動も同様だろう。孤独は創作の友と考えられているし、自分も長らくそう信じてきた。しかし50歳を過ぎて感じるのは、直接的か間接的かを問わず、創作活動は常に誰かに支えられているということだ。これからも自分の不完全さに向き合いながら創作を続けていきたい。

本作「étude」では、かすれやはがれ、しみこみ、かさなり、けずりの技法により、硬質な銀箔から温もりと柔らかさを引き出しています。人が心深くに忍ばせてきたものを解放する場に立ち会うような作業でした。

兼若 和也三の写真
香川県出身。京都市立芸術大学 美術学部 美術科日本画専攻卒業。
1992年度よんでん文化振興財団奨学生。京都市在住。

詳細情報

受賞 第2回トリエンナーレ豊橋 星野眞吾賞展 入選 2002年
美術展 グループ展「第11回~第37回 思可牟展」 1996~2023年
       「第9回~第28回 尖展」 2003~2023年
       「第38回 思可牟展」 2024年7月20日(土)~8月25日(日)
                     高松市石の民俗資料館
       「第29回 尖展」 2024年8月6日(火)~8月11日(日・祝)京都市京セラ美術館
URL https://zakwak.wixsite.com/kazuyakanewaka

「ふるさと美術の森」 では、よんでん文化振興財団の顕彰者や奨学援助を受けた芸術家の作品を紹介しています。

よんでん文化振興財団は、四国地域における芸術文化の向上に協力し、真に豊かでゆとりのある地域社会の実現を願って、1991年に四国電力が設立した財団です。奨学援助、顕彰、コンサート・美術展の開催などの事業活動を行っています。