平成14年12月10日
四国電力株式会社
伊方発電所における通報連絡事象(平成14年11月分)および
通報連絡事象に係る報告書の提出(平成14年10月分)について
○ 平成14年11月に、当社から愛媛県・伊方町に通報連絡した事象は以下の5件です。
これらの事象は、法律・通達に基づく報告事象に該当するものではなく、また、環境への放射能の影響もありませんでした。
事 象 発生月日 発表月日
1.伊方1号機 発電機出力の変動について 11月3日 ─
2.伊方1,2号機 発電機出力の変動について 11月3日 ─
3.伊方3号機 発電機出力の変動について 11月8日 ─
4.伊方1,2号機 発電機出力の変動について 11月9日 ─
5.伊方3号機 発電機出力の変動について 11月9日 ─
○ 平成14年10月に、伊方発電所において発生した以下の通報連絡事象について、その後の調査結果を踏まえた原因と対策をとりまとめ、愛媛県および伊方町に報告書を提出いたしました。
事 象 発生月日 発表月日
1.伊方3号機 発電機水素ガス圧力検出回路の不具合について 10月18日 11月11日
2.伊方1号機 グランド蒸気排風機の自動停止について 10月29日 11月11日
3.伊方1,2号機 埋設ろ過水配管からの漏えいについて 10月29日 11月11日
(別紙1)伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成14年11月分)
(別紙2)伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成14年10月分)
- 伊方3号機 発電機水素ガス圧力検出回路の不具合について
- 伊方1号機 グランド蒸気排風機の自動停止について
- 伊方1,2号機 埋設ろ過水配管からの漏えいについて
以 上
伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成14年11月分)
1.発電機出力の変動について送電線への落雷に伴う系統ショックによる伊方発電所の発電機出力の有意な変動が11月中に5件あった。発電機出力の変動はいずれも短時間で収束し、プラントの運転に影響はなかった。
(1)11月3日5時20分頃発生
落雷場所 伊方1号機 大 洲 小 田 線
(大洲市〜小田町) 535MW 〜 575MW 〜 598MW
(-7.1%) (発生前後) (+4.1%)
(2)11月3日10時09分頃発生
落雷場所 伊方1号機 伊方2号機 大 洲 北 幹 線
(大洲市〜川内町) 510MW 〜 576MW 〜 635MW
(-11.7%) (発生前後) (+10.4%) 520MW 〜 575MW 〜 636MW
(-9.7%) (発生前後) (+10.8%)
(3)11月8日23時15分頃発生
落雷場所 伊方3号機
三島東線 / 新改幹線 伊予三島市〜
(愛媛県) 三好郡井川町
(徳島県) 〜香美郡土佐山田町
(高知県) 900MW 〜 930MW 〜 980MW
(-3.4%) (発生前後) (+5.6%)
(4)11月9日0時30分頃発生
落雷場所 伊方1号機 伊方2号機 伊 方 北 幹 線
(伊方発電所〜大洲市) 524MW 〜 575MW 〜 616MW
(-9.0%) (発生前後) (+7.2%) 522MW 〜 575MW 〜 645MW
(-9.4%) (発生前後) (+12.4%)
(5)11月9日2時48分頃発生
落雷場所 伊方3号機
四 国 中 央 東 幹 線 宇摩郡土居町〜綾歌郡綾上町
(愛媛県) (香川県) 875MW 〜 930MW 〜 970MW
(-6.2%) (発生前後) (+4.5%)
伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成14年10月分)
1.伊方3号機 発電機水素ガス圧力検出回路の不具合について
○事 象10月18日11時17分、通常運転中の伊方3号機において、発電機内の水素ガス圧力の異常を示す信号が発信した。このため、現地に設置している圧力計を確認したところ、指示値に問題はなく、発電機内の水素ガス圧力は正常であった。
○原 因
調査の結果、水素ガス圧力信号を中央制御室に伝送する回路の一部(安全保持器)の不具合と判明した。このため、当該安全保持器を新品に取り替え、10月28日14時、当該圧力指示値に異常のないことを確認し、通常状態に復旧した。当該安全保持器単体の偶発的な故障により、圧力検出器用の電源が供給できなくなったことから、水素ガス圧力の検出ができなくなり、警報が発信したものと推定される。
○対 策
・ 当該安全保持器を新品に取り替え、健全性を確認のうえ、復旧した。 ・ 運転中の故障に対応するため、当該安全保持器の予備品を常備することとした。 発電機水素ガス圧力検出回路 概略図
2.伊方1号機 グランド蒸気排風機の自動停止について
○事 象10月29日10時53分、通常運転中の伊方1号機において、グランド蒸気排風機の定期切り替えに伴い、グランド蒸気排風機Bを起動したところ、当該排風機の異常を示す信号が発信し、当該排風機が自動停止した。このため、運転中であったグランド蒸気排風機Aの運転を継続した。
○原 因
当該排風機を点検したところ、排風機のケーシング内の吸い込み側に溜まり水が認められた。このため、当該排風機のケーシング内の吸い込み側の溜まり水を抜き取った後、当該排風機を運転して異常のないことを確認し、10月30日15時10分、通常状態に復旧した。当該排風機の停止中において、当該排風機の吸い込み側配管内の水蒸気が外気により冷却され凝縮し、ケーシング内に凝縮水が溜まった状態となっていた。この状態で、排風機を起動したことから凝縮水を吸い込み、当該排風機の負荷が上昇したため、保護装置が作動して自動停止したものと推定される。
○対 策当該排風機を含む同型の1,2号機のグランド蒸気排風機について、ケーシング内に凝縮水が溜まらないよう、次回定期検査時にケーシング内の吸い込み側に水抜き用の配管を設置する。
グランド蒸気排風機まわり概略系統図
3.伊方1,2号機 埋設ろ過水配管からの漏えいについて
○事 象10月29日13時55分頃、通常運転中の伊方1、2号機の純水装置エリアにおいて、ろ過水配管の取替工事に伴う掘削作業を実施していたところ、掘削場所付近の埋設ろ過水配管分岐管から漏えいがあることを作業員が発見した。このため、当該配管の隔離を行い、同日14時20分、漏えいを停止した。その後、当該配管を切断して閉止蓋を取り付け、漏えいのないことを確認し、10月30日13時30分、通常状態に復旧した。
○原 因当該配管は、1号機の運開(昭和52年9月)以前に設置された炭素鋼配管(管内面塗装なし)であり、現在まで取り替えていなかった。このため、当該配管の長手継手溶接線部に沿って線状の腐食が発生・進展し、当該配管を貫通したとものと推定される。
○対 策
・ 漏えい個所近傍のろ過水配管は、当初の計画どおり、11月20日、耐衝撃性および耐腐食性に優れたダクタイル鋳鉄管に取り替えた。その際、今回漏えいが発生した分岐管は廃止した。 ・ ろ過水配管のうち、長手継手溶接線部のある炭素鋼配管(管内面塗装なし)について、計画的にダクタイル鋳鉄管もしくはステンレス配管に取り替える。 伊方1,2号機ろ過水配管概略系統図
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