平成16年2月10日
四国電力株式会社



伊方発電所における通報連絡事象(平成16年1月分)および
通報連絡事象に係る報告書の提出(平成15年12月分)について



平成16年1月に、当社から愛媛県および伊方町に通報連絡した事象は以下の3件です。これらの事象は、法律に基づく報告事象に該当するものではなく、また、環境への放射能の影響もありませんでした。

事  象 発生月日 発表月日
1.伊方1号機 タービン動補助給水ポンプの不調について
1月16日 1月17日
2.伊方3号機 第6高圧給水加熱器ドレン水位制御装置の不具合について
1月22日
3.伊方2号機 使用済燃料の構内輸送準備作業中における作業員の負傷について
1月23日



平成15年12月に、伊方発電所において発生した以下の通報連絡事象について、その後の調査結果を踏まえた原因と対策をとりまとめ、愛媛県および伊方町に報告書を提出いたしました。

事  象 発生月日 発表月日
1.伊方3号機 主給水ポンプウォーミング配管のサポートの外れについて
12月 8日 平成16年
1月13日
2.伊方3号機 原子炉容器フランジ部の漏えい検知配管の温度上昇について
12月14日 12月15日



(別紙1)伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成16年1月分)

  1. 伊方1号機 タービン動補助給水ポンプの不調について
  2. 伊方3号機 第6高圧給水加熱器ドレン水位制御装置の不具合について
  3. 伊方2号機 使用済燃料の構内輸送準備作業中における作業員の負傷について

(別紙2)伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成15年12月分)

  1. 伊方3号機 主給水ポンプウォーミング配管のサポートの外れについて
  2. 伊方3号機 原子炉容器フランジ部の漏えい検知配管の温度上昇について



以 上

別紙1

伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成16年1月分)

1.伊方1号機 タービン動補助給水ポンプの不調について

 1月16日14時31分頃、通常運転中の伊方1号機において、タービン動補助給水ポンプの定期運転を行っていたところ、同ポンプの軸封部付近から白煙が発生しているのを運転員が確認した。このため、同ポンプの定期運転を中止し、当該軸封部の分解点検を行った。
 分解点検の結果、当該軸封部にグランドパッキンの肌荒れなどが認められたが、それ以外には異常は認められなかったため、原因はグランドパッキンとポンプの主軸を保護する軸スリーブとの接触面にかかる力が高まり、摩擦熱によってグランドパッキンの一部から白煙が発生したものと推定された。
 このため、当該軸封部の手入れ、グランドパッキンの取替を行い、同ポンプの定期運転を再度実施し異常のないことを確認した上で、1月17日20時10分復旧した。

[タービン動補助給水ポンプ]
補助給水ポンプとは、蒸気発生器2次系側への通常の給水ができなくなった場合に、これをバックアップするためのポンプ。
伊方1号機には、蒸気駆動型のタービン動補助給水ポンプ1台と電動機駆動型の電動補助給水ポンプ2台を設置している。通常時は3台とも待機状態にあり、定期的に運転して異常のないことを確認している。






2.伊方3号機 第6高圧給水加熱器ドレン水位制御装置の不具合について

 1月22日2時頃、通常運転中の伊方3号機において、電気出力が若干低下していることを運転員が確認した。(22日1時の電気出力928MW → 2時の電気出力919MW)
 プラント状態を確認したところ、2次系の第6高圧給水加熱器Aの通常閉であるドレン水位制御弁が開いていることを確認した。
 このため、当該制御弁を手動で閉止し、2時17分、電気出力を通常状態に復帰させた。
 その後、当該制御弁の水位制御装置の点検を行った結果、水位検出器の不良と推定されたため、水位検出器を取り替え、復旧した。

[第6高圧給水加熱器]
タービンの排気蒸気の熱を回収して、蒸気発生器への給水を加熱する熱交換器で、給水を加熱した後の蒸気は温水(ドレン)となり、脱気器に回収されている。
今回の電気出力の変動は、復水器に連絡しているバックアップ側の制御弁が開いたことから、熱の回収が行われず、2次系全体としての熱効率が低下し、その結果、電気出力が若干低下した。








3.伊方2号機 使用済燃料の構内輸送準備作業中における作業員の負傷について

 1月23日11時45分頃、通常運転中の伊方2号機の使用済燃料ピットエリアにおいて、使用済燃料の構内輸送のため、使用済燃料を収納した輸送容器の上蓋を閉じる作業を行っていた作業員が足を踏み外し、約80cm下方の作業用架台に落ちて、頭部右側(ヘルメットで保護されていない部位)等を負傷した。
 このため、応急措置を受けた後、八幡浜市内の病院に搬送した。
 医師の診察の結果、右側頭部挫創(ざそう)、左前腕および左足関節打撲(約1週間の通院・加療、休業見込みなし)と診断された。






別紙2
伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成15年12月分)

1.伊方3号機 主給水ポンプウォーミング配管のサポートの外れについて

 ○事 象
 ○原 因
 
  調査の結果、
 
機器点検後の復旧のため、主給水ポンプの配管(ウォーミング配管、出口配管)に水張りした際、ウォーミング配管に空気が残留しやすい配管ルートを使用したこと
主給水ポンプの配管に水張り後、引き続いて電動主給水ポンプを起動したこと
  が判明した。
 以上のことから、水張り時にウォーミング配管に残留した空気が、ウォーミング配管よりも高い位置にある出口配管に移動した。その状態で電動主給水ポンプを起動したことから、残留していた空気が圧縮・反発して圧力変動が発生し、その圧力変動による力でウォーミング配管が一時的に動いて配管サポートが外れたものと推定された。
 
 ○対 策
 
 
(1) ウォーミング配管の健全性を確認し、配管サポートから外れたウォーミング配管5箇所を元の状態に復旧するとともに、再度、配管内の空気抜きを十分に行った後、電動主給水ポンプを起動して異常の無いことを確認した。
(2) 主給水ポンプの配管を含む主給水系統全体の水張り操作手順書に下記の事項を反映した。
 
  ウォーミング配管に空気が残留しにくい配管ルートで水張りを行うこととする。
  主給水系統全体の水張り終了後、再度、主給水ポンプの配管の空気抜きを行い、空気が残留していないことを確認する。






2.伊方3号機 原子炉容器フランジ部の漏えい検知配管の温度上昇について

 ○事 象
 ○原 因
 
  調査の結果、以下のことが判明した。
 
当該配管の弁(RC−004、006)を開いたところ、一時的に当該配管の温度が上昇したが、その後、徐々に温度が低下した。
また、ドレン弁(RC−005)を開き当該配管内の水を排出した後、当該配管を軽く叩いたところ、薄い赤茶色の水が排出され、その後、水の排出が停止した。
当該配管から排出された水の成分を分析した結果、一次冷却材に含まれる濃度のリチウムは検出されなかった。
   以上のことから、原子炉容器上蓋復旧時に当該配管内にたまっている水(ほう酸水)を圧縮空気で除去した際、ほう酸析出物等が堆積していたことから、若干の水が当該配管内に残留した。その後、プラント起動試験に伴う原子炉容器の温度上昇により、当該配管内のたまり水が加熱され、蒸気となって当該配管内の下流側に流れたため、当該配管の温度が上昇したものと推定される。
 
 ○対 策
 
 
事象発生後以降(12月15日以降)のプラントの起動試験において当該配管の温度等の監視を強化した。
今後、原子炉容器上蓋復旧時の漏えい検知配管のたまり水を除去する際、たまり水の排水量を測定して、たまり水が完全に除去できたことを確認することとし、この旨を作業要領書に記載する。




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