四国電力株式会社
閉塞事象に関する調査報告書」の提出について
当社は、本日、題記報告書を取りまとめて、経済産業省へ提出しました。
今回提出した報告書は、海外の複数の沸騰水型原子力プラントで操作ミス等が原因で格納容器内に１次冷却材が流出し、配管から飛散した保温材等により非常用炉心冷却系ストレーナ（ろ過器）が目詰まりして機能喪失する事例が発生したことを受けて、平成１６年６月２５日付で経済産業省から、加圧水型原子力プラントについても、同様の機能を持つ格納容器再循環サンプのスクリーンについて、プラント毎に格納容器内の保温材の使用量や再循環サンプの仕様等のデータの詳細調査を行って報告するよう指示があり、この程、伊方１号機の定期検査にあわせて調査を行い、その結果を取りまとめたものです。
調査の結果、格納容器内には約１７４ｍ3の保温材があり、繊維質のものが多く使用されていることが確認されました。現時点では、スクリーン閉塞の評価方法が確立されていないため直ちに閉塞が予見されるものではないものの、本事象に対応した運転マニュアルの改訂、教育・訓練の実施、格納容器内異物管理の厳正化など、本事象の防止・緩和のための暫定対策を念のため自主的に立案し、実施しております。
なお、２，３号機についても同様の暫定対策を実施しております。
今後、２，３号機についても定期検査にあわせて調査を行い、順次、調査結果を報告するとともに、スクリーン閉塞の評価方法が確立されれば、調査結果をもとに評価を行い、適切に対応することとします。
（参 考）
＊格納容器再循環サンプ
１次冷却材喪失事故時等において、燃料を冷却するための水源として使用する燃料取替用水タンクの水がなくなった場合に、次の水源として、漏れ出た１次冷却材を回収して使用するために、格納容器内の底に設置されているタンク。タンク入口には飛散した保温材などの異物の流入防止用としてスクリーン（格子状の金属フィルタ）が設置されている。
