平成17年5月10日
四国電力株式会社
伊方発電所における通報連絡事象(平成17年4月分)および
通報連絡事象に係る報告書の提出(平成17年3月分他)について
○ 平成17年4月に、当社から愛媛県および伊方町に通報連絡した事象は以下の1件です。この事象は、法律に基づく報告事象に該当するものではなく、また、環境への放射能の影響もありませんでした。
事 象 発生月日 発表月日
1.伊方3号機 復水脱塩装置洗浄循環ポンプの不具合について 4月10日 −
○ 平成17年2月および3月に発生した以下の通報連絡事象について、その後の調査結果を踏まえた原因と対策をとりまとめ、愛媛県および伊方町に報告書を提出いたしました。
事 象 発生月日 発表月日
1.伊方3号機 総合排水処理装置沈殿池水位計の不具合について 2月24日 3月10日
2.伊方2号機 補助蒸気ドレン配管からの漏えいについて 3月 3日 3月 4日
3.伊方2号機 非常用ディーゼル発電機補助蒸気配管からの漏えいについて 3月15日 4月11日
4.伊方3号機 余熱除去ポンプの不具合について 3月15日 3月16日
(別紙1)伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成17年4月分)
- 伊方3号機 復水脱塩装置洗浄循環ポンプの不具合について
(別紙2)伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成17年3月分他)
- 伊方3号機 総合排水処理装置沈殿池水位計の不具合について
- 伊方2号機 補助蒸気ドレン配管からの漏えいについて
- 伊方2号機 非常用ディーゼル発電機補助蒸気配管からの漏えいについて
- 伊方3号機 余熱除去ポンプの不具合について
以 上
伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成17年4月分)
1.伊方3号機 復水脱塩装置洗浄循環ポンプの不具合について
4月10日23時36分、第8回定期検査中(調整運転中)の伊方3号機の復水脱塩装置において、洗浄循環ポンプに異音があることを運転員が確認したため、当該ポンプを停止した。
分解点検の結果、ポンプ本体には異常は認められないものの、ポンプ軸受け部(ベアリング)に僅かな摺動跡が認められたことから、ベアリングを新品に取り替え、復旧した。
[復水脱塩装置] 2次系冷却水に含まれるイオン状の不純物をイオン交換樹脂により取り除き、浄化する装置。
洗浄循環ポンプは、イオン交換樹脂を再生した後、当該樹脂を洗浄して残存する不純物を取り除くためのポンプ。
伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成17年3月分他)
1.伊方3号機 総合排水処理装置沈殿池水位計の不具合について
○事 象2月24日13時50分頃、第8回定期検査中の伊方3号機の総合排水処理装置において、沈殿池の水位検出器に異常があることを保修員が確認した。
○原 因当該水位検出器は、建設時から長期間使用していたことから、経年劣化により故障したものと推定される。
○対 策当該検出器を新品に取り替え、復旧した。
2.伊方2号機 補助蒸気ドレン配管からの漏えいについて
○事 象3月3日12時20分頃、通常運転中の伊方2号機の原子炉補助建家内において、補助蒸気ドレン配管から水が漏えいしていることを運転員が確認したため、当該配管を隔離し、漏えいは停止した。
○原 因調査の結果、配管合流部(T型配管部)に微小な貫通穴が2箇所確認された。
○対 策
原因は、配管合流部において、ドレン水の乱流によるエロージョンが発生したため、配管合流部が徐々に減肉して貫通に至ったものと推定される。配管合流部を炭素鋼製からステンレス製に取り替え、復旧した。
3.伊方2号機 非常用ディーゼル発電機補助蒸気配管からの漏えいについて
○事 象3月15日9時30分頃、通常運転中の伊方2号機において、非常用ディーゼル発電機Bを暖機するために使用している補助蒸気の伸縮配管から僅かな蒸気が漏えいしていることを保修員が確認したため、当該配管を隔離し、蒸気漏えいは停止した。
○原 因調査の結果、伸縮配管(炭素鋼製)の口径が下流側に広がった箇所で貫通穴が1箇所確認された。このことから原因は、当該箇所において、蒸気の流れが乱れエロージョンが発生したため、徐々に減肉して貫通に至ったものと推定される。
○対 策
・ 当該伸縮配管をステンレス製の短管に取り替えるとともに、念のため同仕様の伸縮配管を使用している非常用ディーゼル発電機Aについても、ステンレス製の短管に取り替えた。
なお、これらの取り替え箇所については、次回定期検査において、ステンレス製の伸縮配管に取り替えることとする。・ 2号機と同様な箇所に設置している1号機ディーゼル発電機の伸縮配管については、構造が異なるものの、炭素鋼製を使用していることから、ステンレス製に取り替える。
4.伊方3号機 余熱除去ポンプの不具合について
○事 象3月15日23時40分頃、第8回定期検査中の伊方3号機において、余熱除去ポンプBの軸封水部から1次冷却水が漏えいしていることを作業員が確認した。このため、当該ポンプを停止して隔離した結果、1次冷却水の漏えいは停止した。
○原 因
なお、1次冷却水の漏えい量は約0.3m3と推定されるが、漏えい水は全て補助建屋サンプタンクに回収され、外部への放射能の放出はなく、環境への影響はなかった。軸封水部の点検を実施した結果、1次冷却水が漏えいした原因は、軸封水部のシールリングが逆向きに取付られていたことから、シール機能が低下したためと確認された。
○対 策
なお、1,2,3号機についてポンプの仕様を調査した結果、今回の余熱除去ポンプと同様の軸封水部を有しているポンプは当該3号機の余熱除去ポンプ(A、B)のみであり、他のポンプに今回と同様の事象が生じることはない。
3月18日、組立が正常であることを確認した新品の軸封水部に取り替え、試運転を行い、漏えいがないことを確認し、復旧した。
本事象の対策として、今回の軸封水部の取替作業から、作業要領書にシールリングの取付方向の図、手順および注意事項を記載するとともに、軸封水部の組立に品質管理者が立ち会い、正常に組立られていることを確認することとした。
また、再発防止対策として、・ 軸封水部の工場製作時において、シールリングに取付方向を明示して組立作業時に取付方向の印を確認する ・ 本件事象に関するヒューマンファクター教訓シートを作成するとともに、品質管理に関する重要ポイントについて、作業前ミーティング等で周知する ・ シールリングを有する特殊な軸封水部の点検内容をポンプ点検の教育に追加する こととした。
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