平成17年10月18日
四国電力株式会社



日本原子力技術協会による伊方発電所ピアレビュー結果報告書の受領について

  当社は、平成17年7月27日から29日までの3日間、伊方発電所において日本原子力技術協会NSネット事業部による相互評価(NSネットピアレビュー)を受けておりましたが、本日、その結果を取りまとめた報告書を受領しました。伊方発電所におけるNSネットピアレビューは、平成13年2月に次いで2度目です。

  報告書には、「原子力安全の面で直ちに改善措置を施さなければならないような項目は見出されなかった」との結論とともに、原子力産業界に広く紹介されるべき「良好事例」5件と、発電所の安全確保活動をさらに向上・改善させるための「改善提案」1件が報告されています。

  当社といたしましては、今回の報告を踏まえ、「良好事例」の維持と一層の向上に努めるとともに、「改善提案」については適切に対処し、今後の伊方発電所の安全・安定運転に役立ててまいります。

  ピアレビューの結果は、本日、日本原子力技術協会のホームページ上に掲載されます。(http://www.gengikyo.jp/index.html


(参考1)日本原子力技術協会

  日本原子力技術協会は、原子力技術の基盤を整備し、原子力産業の活性化に貢献することにより、会員共通の利益に資することを目的に、平成17年4月13日に設立された。電力中央研究所原子力情報センターおよびニュークリアセイフティーネットワーク(NSネット)の事業を継承するとともに、民間規格の整備促進などの新たな事業も行っている。

(参考2)NSネットピアレビュー

  NSネットピアレビューは、WANO(世界原子力発電事業者協会)の手法等を参考に、会員で構成したチームが、会員の事業所の原子力安全に関する取り組みを、現場観察及び書類審査、面談などにより専門的立場から評価し、会員の自主的な安全推進活動の向上に寄与するもの。


以 上

(添付資料)  相互評価結果の概要



添付資料

相互評価結果の概要

1.相互評価(ピアレビュー)の実施方法

(1) レビュー分野
  「組織・運営」、「教育・訓練」、「運転・保守」、「放射線防護」および「特定評価項目」の5分野
(2) レビューチーム
  日揮株式会社、ニュークリア・デベロップメント株式会社、東京電力株式会社より各1名、および日本原子力技術協会より2名の合計5名の専門家で構成
(3) レビュー方法
  現場観察、関係者との面談および書類確認

2.報告書の概要

【主な結論】
(1) 総括すると、原子力安全の面で直ちに改善措置を施さなければならないような項目は見出されなかった。
(2) 原子力安全に対する取り組みとして、品質マネジメントシステムの導入にともない社長が「原子力安全のための品質方針」を定めており、同方針を伊方発電所所員全員に周知・徹底するなど、一貫した原子力安全への意識付けを行っていることを確認した。
(3) コンプライアンスにも積極的に取り組んでおり、全社を挙げて役員および従業員への意識の徹底を図っていることを確認した。
(4) ヒューマンエラー防止にも積極的に取り組んでおり、ヒューマンエラー防止のための委託調査や検討会議の開催・パトロールの実施等の活動を徹底していることを確認した。
(5) プログラムに基づく品質保証活動に適切に取り組んでいることを確認した。
(6) 現状に満足することなく、なお一層の安全文化の向上を目指して更なる自主保安努力を継続していくことが望まれる。また、今回のレビューで得られた成果が、協力会社に対しても展開されることが期待される。
【良好事例】(5件)
(1) 協力会社との円滑な情報交換等裾野の広い安全活動の充実
    伊方発電所全従業員による自主活動「伊方ネット21」を通じて、従業員と協力会社員の日常的な交流を深め、安全意識の向上、安全文化の定着に努めている。また、各種の業務改善提案制度や表彰制度、定検後に開催される協力会社意見交換会や定検反省会、定検毎に作成する「安全教育ビデオ」により更なる一体感の醸成、マイプラント意識、モチベーションの向上を図ることにより、裾野の広い安全活動の充実を図っている。
 
(2) 「保修技術データベース」の充実と積極的な活用
    「保修技術データベース」は、設計基準及び根拠等の設計情報から各種説明資料等広範囲なものを取り込んで充実したものとしている。これらをパソコン(ノーツ)に掲載し閲覧・運用しており、各個人が主要機器について、作業要領書等の作業ノウハウ情報、トラブル情報など、必要の都度閲覧している。
  また、原子力保安研修所の保修訓練で、弁、ポンプ等の保修点検コースの座学で活用できるデータを一部訓練の中で活用している。
 
(3) チェックシートに対するシミュレータによる事前検証
    内規やチェックシートの新規作成については、内規の変更プロセスの一部と位置づけており、検討依頼結果などに基づき、特に技術的な評価が必要なものについては、原子力保安研修所のシミュレータを用いて事前の技術的検証を実施している。
 
(4) 調査対象外の貫通部のシール施工状況の自主調査
    関西電力・美浜発電所の配管破損事故を受けた原子力安全・保安院の指示文書「中央制御室への蒸気浸入にかかる対応について」に対する対応として、貫通部のシール施工状況を調査することとしているが、同文書の調査対象外でも、水平展開としてプラント管理上重要度が高いエリアの貫通部は、自主的に調査対象として、貫通部処理の状況確認を実施する計画としている。
 
(5) ヒューマンファクターに関する積極的な取り組み
    以下のような活動により、ヒューマンファクターに関し積極的な取り組みを展開している。
  • ヒューマンエラーを防止するため、ヒューマンファクターに関する委託調査の実施
  • 定期検査開始前のヒューマンファクター検討会議の開催
  • ヒューマンエラー撲滅キャンペーンパトロールの実施
  • ヒューマンエラー撲滅推進員の選任
【改善提案】(1件)
  「関係会社とのコミュニケーションプラン」の明文化
    2004年3月の組織変更により、発電所の保修業務を関係会社が主体となって実施する体制に変更しており、発電所と関係会社とは、内規の改正状況やその他社内情報の共有を目的に、関係会社との「週間会議」、「運転状況連絡会(毎週)」、「保修関係連絡会(毎月)」、「電子メールによる情報発信」等、様々な形態でコミュニケーションを実施しているが、コミュニケーションの実施は「品質保証業務計画(年度計画)」に示されているのみであり、具体的にマニュアル等で規定することが望ましい。

以 上



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