平成17年11月10日
四国電力株式会社

伊方発電所における通報連絡事象(平成17年10月分)および
通報連絡事象に係る報告書の提出(平成17年9月分他)について


事    象 発生月日 発表月日
1.伊方1号機   安全補機開閉器室空調ファンの異音について
10月20日 10月20日
事    象 発生月日 発表月日
1.伊方発電所   雑固体焼却設備の不具合について
5月30日 5月30日
2.伊方2号機   中性子検出器の指示不良について
9月  6日 9月  6日
3.伊方2号機   第5高圧給水加熱器の不具合について
9月12日 9月12日
4.伊方2号機   安全注入系統配管の微小な傷について
9月30日 9月30日

(別紙1)伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成17年10月分)

  1. 伊方1号機  安全補機開閉器室空調ファンの異音について

(別紙2)伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成17年9月分他)

  1. 伊方発電所  雑固体焼却設備の不具合について
  2. 伊方2号機  中性子検出器の指示不良について
  3. 伊方2号機  第5高圧給水加熱器の不具合について
  4. 伊方2号機  安全注入系統配管の微小な傷について
以 上

別紙1

伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成17年10月分)

1.伊方1号機 安全補機開閉器室空調ファンの異音について

  伊方1号機は通常運転中のところ、10月20日15時30分頃、安全補機開閉器室の空調装置Bのファンの軸受部から異音がしているのを保修員が確認した。このため、予備の空調装置に切り替え、当該空調装置を停止した。
  その後、当該軸受部を分解点検した結果、ベアリング外輪(外周:約345o)に長さ約220oの割れが確認されたため、当該ベアリングを新品に取り替え、通常状態に復旧した。
[安全補機開閉器室空調装置]
  高圧注入ポンプ、余熱除去ポンプなど事故発生時にプラントを安全に停止させるための機器への電源スイッチを設置している部屋の換気・空調を行う装置。2台設置しており、通常は1台で運転している。


別紙2

伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成17年9月分他)

1.伊方発電所  雑固体焼却設備の不具合について

○事  象
  5月30日14時10分頃、雑固体焼却設備の点検において、排ガスフィルタの入口配管の伸縮継手部にひび割れがあることを保修員が確認した。
  その後、当該継手部と同様の伸縮継手部3箇所にひび割れのあることを確認した。
○原  因
  調査の結果、
  • ひび割れを確認した4箇所の伸縮継手部は、焼却設備の運転による熱応力が加わる高温系統に設置していること
  • 排ガス中には、塩素などが含まれること
  • ひび割れは、塩化物応力腐食割れの特徴である枝分かれした粒内割れであること
から、ひび割れの原因は、高温系統に設置している伸縮継手部において、塩化物応力腐食割れが発生・進展したものと推定される。
○対  策
  調査結果を踏まえ、高温系統の伸縮継手部14箇所について、今年(平成17年)中に耐食性に優れた材質の伸縮継手部に取り替えるとともに、定期的に伸縮継手部の外面を点検する。

2.伊方2号機  中性子検出器の指示不良について

○事  象
  伊方2号機は第18回定期検査のため原子炉を停止したところ、9月6日2時5分、原子炉起動・停止時などに中性子の量を測定する検出器2系統のうち、1系統の指示が表示されていないことを確認した。
  点検の結果、当該検出器が不良であることを確認した。
○原  因
  調査の結果、
  • 当該検出器内部の電極芯線の断線と推定されること
  • 電極芯線は、腐食を防ぐため表面を保護膜で覆っているが、保護膜に微小な傷などの不良があれば、断線する可能性が高くなること
から、原因は、当該検出器の製作時、電極芯線の保護膜に僅かな不良が生じ、使用期間中に芯線の強度が徐々に低下して芯線が断線した可能性が考えられる。
○対  策
  • 当該検出器を新品に取り替え、9月10日、復旧した。
  • 検出器の製作メーカに対し、再発を防止するよう要請した。

3.伊方2号機  第5高圧給水加熱器の不具合について

○事  象
  9月12日11時15分、第18回定期検査中の伊方2号機において、第5高圧給水加熱器Bの水室仕切板に取り付けている点検口の蓋を固定している32本のボルト(ネジ部外径約12o、長さ約35.5o)のうち5本と、ボルトを固定している座金(外径約24o)5個が脱落していることを保修員が確認した。
  脱落した5本のボルトと5個の座金については回収したが、このうち2個の座金の一部(半分程度)が欠損していることを確認した。
  その後、調査の結果、当該給水加熱器の内部で欠損した部分を2個とも発見し、回収した。
  また、点検口の蓋を固定しているボルトの点検を行った結果、当該給水加熱器で18本のボルトに若干のガタつきが見られたが、座金の廻り止めが効いており、ボルトおよび座金の脱落はないことを確認した。
○原  因
  調査の結果、点検口の蓋を設計した際、プラント運転中の温度や圧力の変化などによりボルトが緩む可能性を十分検討できていなかったため、ボルトの緩み防止に十分な余裕を持ったボルト締付力となっていなかった。
  このため、プラント運転中の温度や圧力の変化などの影響を受け、ボルトが緩み、脱落に至ったとものと推定される。
○対  策
  • 今回の定期検査中において、ボルトや点検口の蓋などを新品に取り替えることとし、取り替えに当たっては、ボルトの仕様変更などを行い、ボルトによる締付力を大きくする。
  • 同一構造の1号機第5高圧給水加熱器について、第23回定期検査で今回と同様な対策を行うこととした。

4.伊方2号機  安全注入系統配管の微小な傷について

○事  象
  第18回定期検査中の伊方発電所2号機において、9月30日13時05分頃、平成16年5月に発生した「伊方2号機余熱除去系統配管のひび」の水平展開で安全注入系統配管(ステンレス配管)の浸透探傷検査を実施したところ、格納容器スプレイポンプAの入口配管溶接部1箇所で欠陥指示(長さ約10o)を確認した。なお、当該箇所からの漏えいは認められなかった。
  当該箇所の金属組織を調査するために表面の研磨および手入れを行ったところ、欠陥指示は消滅した。
○原  因
  調査の結果、
  • 傷の拡大観察において、溶接金属の高温割れの特徴である凝固組織の境界に沿った割れが確認されたこと
  • 当該溶接部は、今回実施した浸透探傷検査を実施するために表面を磨いていたこと
から、原因は、当該部を溶接した際、溶接金属内部に微小な高温割れによる傷が生じていたため、今回の浸透検査前の表面磨き作業により露出し、浸透探傷検査で欠陥指示が確認されたものと推定される。
  当該溶接部については、傷が溶接部の溶接金属が盛り上がった部分(約1o)に止まっていたことから、健全性に問題がないことを確認した。
○対  策
  • 当該溶接部は、健全性に問題はないことから継続使用する。

 


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