平成18年6月23日
四国電力株式会社

伊方発電所1号機  湿分分離加熱器B蒸気整流板溶接部の割れの原因と対策について

  伊方発電所1号機(加圧水型、定格電気出力56万6千キロワット)は、通常運転中のところ、6月5日10時30分、湿分分離加熱器Bの胴体内部から異音がしているのを確認し、当該加熱器の点検を行うために11時49分発電機を解列、18時37分原子炉を停止しました。
  当該加熱器については、6月7日早朝から内部の目視点検を開始し、蒸気入口付近にある蒸気整流板の溶接部に割れを確認しました。

(6月7日までにお知らせ済み)

   その後の詳細調査の結果、当該蒸気整流板を製作する際に溶接部の開先角度が設計より狭く加工されていたため、整流板本体と内部プレートの溶接部に溶け込み不良が生じていたことを確認しました。このため、当該溶接部の強度が不足することとなり、プラント運転中の蒸気の流れに伴う内部プレートの振動により、当該溶接部に疲労限を超える繰り返し応力が生じて割れが発生・進展したものと推定されます。なお、1号機のその他の蒸気整流板については、割れは認められませんでした。

   今回の対策として、当該蒸気整流板については適切に製作された新品に取り替えるとともに、1号機のその他の蒸気整流板についても十分な強度を確保するため当該溶接部の補強を行いました。

   また、原子力発電所の運転に影響を及ぼすような重要な機器のうち、蒸気整流板と同様に蒸気や水等の流れによる力の影響を受ける内部構造物の溶接部については、今後全て、開先検査等の検査を確実に実施しその記録を保管するよう受注者に要求するとともに、当社においてもその実施状況を確認することといたします。

   さらに、1号機運転再開後、2号機を停止し、1号機と同様に製作された2号機の湿分分離加熱器についても、念のため蒸気整流板の当該溶接部の補強を行うことといたします。また、長期的な観点から、今回補強する蒸気整流板について、1,2号機とも次回定検にて新品に取り替えることといたします。
   3号機の湿分分離加熱器は、1,2号機のものとは構造が異なり、蒸気整流板が設置されていないため、対策は必要ありません。

(参  考)

○湿分分離加熱器
高圧タービンで使用した蒸気を低圧タービンでもう一度使えるように、蒸気の湿分を取り除き、温度を上げる設備。A、B、C、D4台設置している。


添付資料 :  「伊方発電所1号機 湿分分離加熱器B蒸気整流板溶接部の割れについて」  (PDF-411KB)

伊方発電所1号機
湿分分離加熱器B蒸気整流板溶接部の割れについて(報告書)

以 上


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