平成18年7月28日
四国電力株式会社

平成18年7月  社長定例記者会見の概要

  平成18年7月28日、常盤社長から「中国CDMプロジェクトからのCOクレジットの購入」「今夏の電力需給」について説明しました。

(はじめに)
  本題に入ります前に、伊方発電所3号機のプルサーマル計画について一言触れたいと思います。
  さる7月23日、松山市を主会場とした、愛媛県主催の公開討論会が開催されました。6月に伊方町で行われた国主催のシンポジウムに続き、私も会場へ赴き、先生方や参加された皆さまの声を直接拝聴させていただきました。いずれの討論会も、推進・慎重の立場から活発な意見が交わされ、大変意義深いものであったと思います。また、討論会の状況が、ケーブルテレビやインターネットで放映されたため、分かりやすい説明や数々のやりとりを通じて、愛媛県下の多くの皆さまにプルサーマルをご理解いただけたのではないかと思います。
  私どもとしては、これからも地道に理解活動を継続し、皆さまのご理解を大前提に、2010年度までにプルサーマルを実施できるよう全力で取り組んでまいりたいと考えております。
(COクレジット購入)
(詳しくは「中国CDMプロジェクトからのCOクレジットの購入について」をご覧ください。)
  当社は、地球温暖化問題について、2010年度における、お客さまの使用電力量1kWhあたりのCO排出量を0.34kg程度に削減する目標を掲げ、原子力発電所の安全・安定運転の継続、発電・輸送効率の向上、坂出発電所へのLNG導入など、さまざまな対策に取り組んでいるところであります。
  さらに、こうした設備面での取り組みを補完するものとして、先進国が温室効果ガス排出削減目標を達成するための柔軟性措置、いわゆる京都メカニズムを活用することとしており、これまでも、世界銀行炭素基金や日本温暖化ガス削減基金へ出資してまいりました。
  こうした一環として、当社は、本日、JMD温暖化ガス削減株式会社との間で、京都メカニズムを活用した、中国でのクリーン開発メカニズムのプロジェクトから、COクレジットを購入する売買契約を締結いたしました。
  2008年から2012年までの5年間で、50万トンを購入いたします。
  このプロジェクトは、中国のせっこうしょうくしゅうしにあるせっこうきょかこぶんゆうげんこうしの代替フロン生産工場において、副次的に発生する温室効果ガスの一種であるHFC23を回収・分解するものです。
  HFC23は、温室効果がCOの11,700倍ととても高いため、これを回収・分解することによって温室効果ガスを効果的に削減することが可能です。このため、このプロジェクトは、投資国である日本および、ホスト国である中国の政府承認を経て、本年3月に国連のCDM理事会において登録されています。
  当社といたしましては、今後とも、CO削減目標の達成に向け、設備面での対策や京都メカニズムの活用、さらには、効率的な電気使用のご提案など、多面的な取り組みを着実に進めてまいりたいと考えております。
(今夏の電力需給)
(詳しくは「今夏の電力需給について」をご覧ください。)
  四国地方は長い梅雨が26日に明け、漸く夏本番を迎えました。これまでのところ、今夏の最大電力は14日の551万3千kWであります。16日には最高気温が35.3℃と大変な暑さを記録したものの、日曜日であったため最大電力はあまり伸びませんでした。
  実はこの最大電力は、平成13年に592万5千kWを記録して以降、更新しておりません。こうした背景には、
  • トップランナー方式等による省エネ型電化製品の普及や、
  • 省エネ意識の浸透、
  • さらには、昼夜間で格差をつけた電気料金メニューの効果などによる、お客さまの電力使用の平準化など、
があるのではないかと見ております。
  しかし、最大電力は気温に敏感に反応するため、気温次第では、ぐんと上がることも考えられます。4県都の最高気温が36℃近くに達した場合、今夏の最大電力は602万kW程度になるものと見ております。これに対し、供給力は668万kW程度であり、十分な予備力を確保しておりますので、これから大変な猛暑が到来しても、安定した需給運用ができる見通しであります。
  とはいえ、エアコンがフル稼働する夏は特に、一刻といえども停電でお客さまにご迷惑をおかけする訳にはいきません。緊張感を持って、万全の体制で日々の安定供給に努めてまいりたいと思います。
  なお、昨年の大渇水とは一転、今年は大変な豊水であり、水力発電所の水不足の心配をする必要はなさそうです。
  しかし、夏は夏らしく、暑ければ暑いほど消費活動も盛んになりますので、回復傾向にある四国経済に好影響を及ぼすよう、暑い8月に期待したいと思います。
(第1四半期決算)
  最後に、第1四半期決算について若干触れておきたいと思います。
  売上高は、4月の気温が低めに推移したことによる暖房需要の増加などから、前年同期に比べ約4%の増収となりました。
  一方、経常利益は、前年同期に比べ5割強の減益となっております。一見大変な減益のように見えますが、これは、そもそも原子力発電所において、前年同期が全く定期検査にかからなかったのに対し、当四半期は1号機・3号機がともに定期検査期間となったことから、火力発電の増加に伴う燃料費や、修繕費が増加したためであります。
  なお、皆さまにご心配をおかけしました伊方発電所のトラブルによっても費用は増加しましたが、豊水による水力発電所の稼働増などによりその影響を吸収したため、第1四半期の経常利益は当初の想定どおりであり、4月に公表した利益は確保できる見通しです。ご理解のほどよろしくお願いします。

  本日私からは以上であります。

以  上


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