平成19年9月19日
四国電力株式会社

平成19年9月  社長定例記者会見の概要

  平成19年9月19日、常盤社長から「今夏の電力需給状況」、「最近の海外事業の展開状況」について説明しました。

【今夏の電力需給状況】
(詳しくは「今夏の電力需給状況について」をご覧ください。)
  今年は、8月22日に593万1千kWの最大電力を記録し、平成13年のこれまでの記録を6年ぶりに更新しました。
  「最大電力」というのは、一日のうちで最も多く電気が使われる時の使用電力の大きさのことであり、「kWキロワット」で表します。発電所等の設備は、最大電力、すなわち電力需要のピークに合わせて建設していくことになりますので、我々電力会社にとっては、この最大電力の値は非常に重要な数字であります。一方、一日の使用電力量、いわゆる「日量」は24時間を通してお使いいただいた電気の合計量のことで「kWhキロワットアワー」の単位で表します。
  今年、最大電力の記録更新となった要因としては、ここ数年来の産業用の好調な生産活動、さらには、折からのエネルギー価格高騰による自家発から当社買電への振替効果などの影響もあると思われますが、やはり猛暑による冷房需要の増加の影響が最大の要因であります。
  8月の初旬には平年を下回る気温の日が続いたこともあり、8月を通して四国の平均気温は観測史上5番目の記録だったようですが、立秋(8月8日)を過ぎた辺りから平年の気温を上回り、お盆を挟んで35度近い高気温の日が連続して続いたことが、記録更新にも繋がったとみており、いわゆる気温の「累積効果」が電力需要に大きく影響することを改めて認識した次第であります。
  なお、9月に入ってからも残暑が厳しく、平年を上回る暑い日が続いたことなどから、5日、6日と連続してこれまでの9月の最大電力を更新しました。ちなみに、9月6日には、昨年8月9日に記録した平成18年度の最大電力とほぼ同じ、579万7千kWとなりました。
  最大電力が更新した8月22日における当社の需給バランスについては、当日も45万kW程度の供給予備力があり、十分な供給力を確保できておりました。
  次に、一日の使用電力量、すなわち日量についても、8月21日と、最大電力の更新日である翌22日に、連続してこれまでの最高だった昨年の記録を更新しました。22日に更新した1億1,314万6千kWhは、昨年の記録を約190万kWh上回りましたが、この増分は、一般家庭 約6千世帯分の一ヶ月の使用量に相当する量であります。
  各県別の最大電力、一日の使用電力量の更新状況については、今年の夏は、特に瀬戸内側で高気温が続いたことにより、愛媛県、香川県の両県において、最大電力、一日の使用電力量とも数回に亘り記録を更新いたしました。
  当社としましては、今後とも十分な供給力の確保に努め、電力の安定供給に万全を期していきたいと考えております。
【最近の海外事業の展開状況】
(詳しくは『タイにおける「マイクログリッドの安定化に係る実証研究」および「太陽光発電システム等に係る保守・管理能力向上支援事業」について』をご覧ください。)
  当社では、業容拡大の一環として、当社グループが保有する技術・ノウハウを活用した海外事業に取り組んでおり、これまで海外コンサルタント事業を中心に、着実に実績を積み重ねております。
  そこで本日は、海外コンサルタント事業の最近の事例として、NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)から受託している、タイにおける「マイクログリッドの安定化に係る実証研究」および「太陽光発電システム等に係る保守・管理能力向上支援事業」についてご紹介したいと思います。なお、これらの案件は、NEDOからの受注としては9例目、10例目であり、タイでの案件としては初めての事例であります。
(マイクログリッドの安定化に係る実証研究)
  「マイクログリッド」とは、ある一定の区域で、太陽光発電などの複数の分散型電源を組み合わせ、需要に合わせ効率的な電力供給を行う小規模の電力網のことであります。
  今回の実証研究は、タイのナレスアン大学構内に太陽光発電とディーゼル発電を電源として、マイクログリッドを設置し、
  • マイクログリッドを電力系統に連系した場合に、系統に与える影響を極力抑制する運転技術の開発や、
  • 電力系統の事故等により、マイクログリッドを系統から切り離した場合に、マイクログリッド内の需要先に安定した電力を供給できる制御技術の開発
などを行うものです。
  この実証研究の実施体制につきましては、当社が研究全般を総括し、四国総合研究所にシステムのシミュレーション解析を、四電エンジニアリングには、機器等の施工設計・管理等を再委託することとしております。
  平成18年4月にNEDOから受託した後、諸準備を進め、本年7月から機器の製作や据え付け工事を開始しており、平成20年10月から本格的な実証試験を実施する予定としております。
(太陽光発電システム等に係る保守・管理能力向上支援事業)
  この事業は、太陽光発電システム等再生可能エネルギーをアジア諸国において普及させるため、対象国のリーダーとなる技術管理者の養成等を目的に実施するものであります。
  事業対象国については、タイ、カンボジア、ラオス、インドネシア等を考えております。本年2月からは、研修カリキュラムやセミナー教材の作成に取り組んでいるところであります。今後、先ほどご説明しました「マイクログリッドの安定化に係る実証研究」の拠点にもなっているタイのナレスアン大学で研修・セミナーを行うとともに、ラオスにおいてNEDOがこれまでに実証研究を行った設備を活用し、点検実習を実施していく予定です。
  こうしたハード・ソフト両面を通じた取り組みが、アジア諸国の太陽光発電をはじめ再生可能エネルギー普及のための一助になればと思っております。 
  当社は、今後とも、グループとしての総合力を結集し、IPP事業を含め、海外事業の受注拡大に向け、積極的に取り組んでいく考えであります。

  本日、私からは以上であります。

以上


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