平成19年10月19日
四国電力株式会社

平成19年10月  社長記者会見の概要(東京・エネルギー記者会にて)

  平成19年10月19日、エネルギー記者会において、常盤社長から、「四国経済の現状と最近の電力需要」、「坂出LNGプロジェクトの進捗状況」について説明しました。

【四国経済の現状と最近の電力需要】
(詳しくは「四国経済の現状と最近の電力需要」をご覧ください。)
(四国経済の現状)
  主要経済指標のうち、個人消費については、香川県では、新しい大型小売店の出店や、既存店のリニューアル効果が見られますが、四国全体で見ると、総じて大型小売店売上高は伸び悩んでおります。また、新車販売台数も前年割れを続けるなど、個人消費は全体的に盛り上がりに欠ける状況が継続しております。
  一方、企業分野においては、造船や化学などにおいて、輸出が高い伸びを続けており、これを反映して鉱工業生産指数は、基調として緩やかな上昇傾向にあり、雇用も有効求人倍率が比較的高い水準にあるなど、改善傾向が続いています。
  また、民間設備投資も紙パルプを中心として好調に推移しております。
  企業経営者の景況感については、四国経済連合会が本年9月に実施した景気動向調査によると、景気に対し、慎重な見方をする経営者がやや増加しており、また、日銀「短観」の業況判断指数(DI)も、四国経済の回復が全国に比べると遅れている状況を示しています。
  四国経済を概観すると以上のとおりであり、総じて見れば緩やかに改善している状況にあります。
(最近の電力需要)
  今年度上期の電力販売実績が、ほぼまとまりましたので、ご説明いたします。
  四国の気温の推移については、春先は、前年に比べ暖かい日が続きました。一方、夏場においては、7月から8月前半にかけて、前年の気温を下回る日が続きましたが、8月のお盆明け以降9月にかけては、一転して、高気温の日が続き、厳しい残暑となりました。
  こうした状況のもと、上期の電灯需要は、4月ならびに7月から8月前半の気温影響を受けて、対前年伸び率マイナス0.8%と若干のマイナスとなりました。
  一方、産業用需要は、好調な生産活動に加え、折からのエネルギー価格高騰による自家発から当社買電への振替効果などの影響もあり、対前年同期と比べて、3.8%の伸びとなっております。
  この結果、上期の販売電力量は、145億28百万kWhとなり、前年を1.8%上回り、上期の実績としては過去最高となりました。
  産業用需要の大部分を占める大口電力を業種別にみますと、ほぼ全ての業種で対前年同期を上回っております。この結果、大口電力は、平成17年2月をうるう補正すると、平成15年9月以降、実質49カ月連続のプラスとなりました。
  こうしたことからも、四国内の生産活動が、堅調に推移していることがお分かりいただけるかと思います。
  最大電力・日量については、8月後半の猛暑の影響により、当社においても、今年8月22日に、6年振りに最大電力を更新するとともに、一日の使用電力量も8月21日、22日と連続して、これまでの記録を更新しました。 
  次に、当社の供給面について簡単に触れたいと思います。
  四国は渇水に悩まされることが多いのですが、今年も春先から雨の日がほとんどなく、四国の水瓶である早明浦ダムも貯水率が20%台まで落ち込むなど、4月から6月の第1四半期の合計出水率は、52.6%と過去1位の渇水となりました。7月中旬の、台風4号により、一時的に、豊水となりましたが、8月以降は、また雨の少ない状況が続いたことから、上期全体の出水率は、75.0%と過去3番目の渇水となりました。
  こうした渇水により、水力の稼働は低くなりましたが、原子力や火力がほぼフル稼働したことによって、最大電力593万1千kWを記録した8月22日においても、約8%程度の供給予備力を確保し、安定して電気を供給することができました。
【坂出LNGプロジェクトの進捗状況】
(詳しくは「坂出LNGプロジェクトの進捗状況について」をご覧ください。)
  当社では、既設火力の経年化対策やCO2排出削減対策に取り組むとともに、総合エネルギー企業としての基盤整備を図る観点から、当社坂出発電所にLNGを導入するプロジェクトを進めております。
  坂出発電所は、1971年7月の1号機運転開始以降、順次増設し、石油およびコークス炉ガスを燃料として、4基のプラントで、合計出力134万5千kWで運転してまいりました。
  坂出発電所へのLNGの導入にあたっては、経年化の進行した1号機を、石油・コークス炉ガスから環境負荷の少ない天然ガスに変更し、出力を約10万kW増強した上で、発電効率の高いコンバインドサイクル発電方式の設備にリプレースいたします。また、4号機は、燃焼装置の改造工事を実施し、石油・コークス炉ガスから天然ガス・コークス炉ガスへの燃料転換をすることとしております。
  1号機については、2010年8月の運転開始を目指し、現在、既存設備の撤去工事を行っているところであり、来年1月には、コンバインドサイクル発電設備の新設工事を開始することとしております。
  一方、4号機については、2010年3月末の運転開始を目指し、2009年5月より、燃料装置の交換工事を開始する予定であります。
  次にLNG基地の建設状況についてご説明いたします。
  LNGの受入・貯蔵タンクや気化設備等からなるLNG基地については、坂出発電所に隣接するコスモ石油坂出製油所から敷地の一部を譲り受け、4号機の運転開始時期に合わせ、2010年3月の運用開始を目指しております。昨年10月から今年4月まで地盤改良工事を行い、本年1月からは、タンク設置工事を開始するなど順調に工事を進めているところであります。進捗率は、9月末現在12.2%となっております。
  なお、坂出発電所とLNG基地とを結ぶ4.5kmのガス導管については、来年2月に工事を開始する予定であります。
  LNGの調達につきましては、本年5月、マレーシアLNG社と間で、契約期間を2010年度から15年間、年間最大契約数量を42万トンとして売買契約を締結したところであります。
  この度のLNG導入により、2016年度の発受電電力量に占めるLNGの構成比率は6%となります(平成19年度供給計画ベース)。また、これにともないCO2の削減効果は年間で50万トン程度であり、これは当社の総排出量の約5%に相当するものと見込んでおります。 
  当社といたしましては、2010年のLNGプロジェクト運用開始に向け、今後とも安全を第一に、着実に推進してまいる所存であります。

  本日、私からは以上であります。

以  上


戻る

Copyright(C)YONDEN
Shikoku Electric Power Co.,Inc. / Kagawa,Japan
mail to : postmaster@yonden.co.jp