平成21年10月13日
四国電力株式会社

伊方発電所における通報連絡事象(平成21年9月分)および
通報連絡事象に係る報告書の提出について

  •   平成21年9月に、当社から愛媛県および伊方町に通報連絡した事象は以下の5件です。これらの事象は、法律に基づく報告事象に該当するものではなく、また、環境への放射能の影響もありませんでした。
事    象 発生月日 発表月日 公表区分
1.伊方発電所1号機   発電機出力の低下について
9月 2日 - C
2.伊方発電所   警備員の負傷について
9月 5日 - C
3.伊方発電所   モニタリングステーションじんあいモニタの不具合について
9月18日 - C
4.伊方発電所3号機   復水導電率の上昇について
9月25日 9月25日 ※B
5.伊方発電所1、2号機   管理区域外での作業員の体調不良について
9月26日 9月26日 A
※本件に関する調査の実施を10月7日に公表しており、その際に公表区分がAに変更になりました。
県の公表区分 A:即公表
  B:48時間以内に公表
  C:翌月10日に公表
  •   過去に発生した以下の通報連絡事象について、その後の調査結果を踏まえた原因と対策をとりまとめ、愛媛県および伊方町に報告書を提出いたしました。
事    象 発生月日 発表月日 公表区分
1.伊方発電所2号機   主給水ポンプケーシング空気抜き弁の不具合について
6月27日 7月10日 C
2.伊方発電所1、2号機   海水淡水化装置海水排水管からの水漏れについて
7月28日 8月10日 C
3.伊方発電所3号機   海水淡水化装置塩酸貯槽からの漏えいについて
7月31日 8月10日 C

(別紙1)伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成21年9月分)

  1. 伊方発電所1号機  発電機出力の低下について
  2. 伊方発電所  警備員の負傷について
  3. 伊方発電所  モニタリングステーションじんあいモニタの不具合について
  4. 伊方発電所3号機  復水導電率の上昇について
  5. 伊方発電所1、2号機  管理区域外での作業員の体調不良について

(別紙2)伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要

  1. 伊方発電所2号機  主給水ポンプケーシング空気抜き弁の不具合について
  2. 伊方発電所1、2号機  海水淡水化装置海水排水管からの水漏れについて
  3. 伊方発電所3号機  海水淡水化装置塩酸貯槽からの漏えいについて
以  上

別紙1

伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成21年9月分)

1.伊方発電所1号機  発電機出力の低下について

  9月2日4時頃、通常運転中の伊方発電所1号機において、1時間積算の電気出力が定格電気出力(566MWh)未満であることを確認しました。
  本事象は、海水温度の上昇にともないプラントの熱効率が低下することにより、電気出力が低下したものであり、プラントの安全・安定運転に影響を及ぼすものではありません。

2.伊方発電所  警備員の負傷について

  9月5日19時00分頃、伊方発電所構内において、警備員が自家用車でUターン中に3号機の見張所入口に衝突し、車のフロントガラスに頭をぶつけ負傷したことから、病院への搬送が必要であると判断し、19時10分に大洲中央病院に搬送しました。
  医師による診察の結果、大きな外傷もなく異常はないと診断されました。

3.伊方発電所  モニタリングステーションじんあいモニタの不具合について

  9月18日14時38分、通常運転中の伊方発電所1、2号機の中央制御室において、伊方発電所屋外放射線測定用のモニタリングステーションのじんあいモニタの故障を示す信号が発信しました。保修員が現地確認したところ、15時06分頃、じんあいモニタのサンプリング試料を吸引しているポンプの入口圧力低により、当該モニタが停止していることを確認しました。
  その後、試料を吸引するポンプの外観に異常は見られなかったことから、当該モニタを15時26分に起動しましたが、ポンプの入口圧力が通常の圧力より低い値であったため、15時30分に当該モニタを停止しました。
  調査の結果、当該モニタのろ紙送り機構のろ紙駆動ローラの軸が折損していたことから、当該部品を新品に取り替えた後、ポンプを再起動して調整運転を実施し、10月1日10時00分、異常のないことを確認し、通常状態に復旧しました。 
  なお、その他のモニタに異常はなく、復旧するまでの間、可搬型のダストサンプラにより代替測定を実施し、じんあいの値に異常のないことを確認しています。

伊方発電所 モニタリングステーションじんあいモニタ概略図

PDFマーク(印刷用)伊方発電所  モニタリングステーションじんあいモニタ概略図  (PDF-17KB)

4.伊方発電所3号機  復水導電率の上昇について

  9月25日10時30分頃、通常運転中の伊方発電所3号機において、2次系水質の異常を示す信号が発信し、復水器ホットウェルBの復水導電率の上昇を確認したことから、水質の分析を実施した結果、ナトリウムおよび塩素が検出され、微量な海水が復水器内に混入したものと推定されました。
  その後、復水器ホットウェルBの導電率は安定しており、混入した海水は復水脱塩装置により除去されるため、プラントの運転継続に問題はありませんでしたが、本日から約1週間程度の予定で、出力を約95%まで下げて、復水器ホットウェルBへの海水混入の原因と考えられる細管の漏えい箇所の特定等に関する調査・処置を開始しました。

伊方発電所3号機 復水器まわり海水系統概略図

PDFマーク(印刷用)伊方発電所3号機  復水器まわり海水系統概略図  (PDF-20KB)

5.伊方発電所1、2号機  管理区域外での作業員の体調不良について

  9月26日9時50分頃、通常運転中の伊方発電所1、2号機の屋外において、消火配管工事に従事していた作業員が体調不良となったため、病院への搬送が必要であると判断し、救急車を要請して八幡浜市の柳田脳神経外科へ搬送しました。
  医師の診察の結果、「意識消失発作(自律神経失調疑い)」と診断されました。


別紙2

伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要

1.伊方発電所2号機  主給水ポンプケーシング空気抜き弁の不具合について

○事 象

  6月27日18時10分頃、定期検査中の伊方発電所2号機のタービン建家地下1階(管理区域外)において、主給水ポンプC号機のポンプの空気抜弁に異常があることを保修員が確認しました。
  その後、当該弁については、弁体が弁座に固着し、弁体と弁棒との嵌め合い部が割れていたことから新品に取り替えて、6月28日10時20分、異常のないことを確認し、通常状態に復旧しました。

○原 因

  調査の結果、当該弁の閉操作時に、補助工具で強く締め付けたことにより、弁体が通常よりも押し下げられて弁座と固着したため、開操作時に補助工具による大きな引き上げ力が加わった結果、弁体と弁棒の嵌め合い部が破断したものと推定されました。

○対 策

  • 当該弁を新品に取り替えました。
  • 当該弁と同型式の小口径弁の弁ハンドルに識別塗装を実施するとともに、操作する際は、補助工具を使用した過度な締め過ぎをしないよう「運転操作マニュアル」に追記し、関係者に周知します。

伊方発電所2号機 主給水ポンプまわり配管概略図

PDFマーク(印刷用)伊方発電所2号機  主給水ポンプまわり配管概略図  (PDF-31KB)

2.伊方発電所1、2号機  海水淡水化装置海水排水管からの水漏れについて

○事 象

  7月28日15時45分頃、定期検査における調整運転中の伊方発電所1、2号機において、海水淡水化装置建屋北側の道路に陥没があり、当該箇所の内部に海水が漏れ出ていることを保修員が確認しました。その後、同日17時07分、海水淡水化装置海水取水ポンプを停止して、水漏れは停止しました。
  陥没箇所付近を掘削して調査した結果、陥没箇所近傍にある海水淡水化装置の海水排水管曲がり部に約14cm×9cmの貫通穴があることが判明したため、貫通穴のあった当該配管を海水淡水化装置から切り離し、仮設排水管を設置して漏えいのないことを確認し、8月2日、海水淡水化装置の運転を開始しました。
  その後、8月25日より当該配管を本設配管に取り替え、9月15日14時00分、漏えいのないことを確認し、通常状態に復旧しました。

○原 因

  調査の結果、当該排水管は海水によるエロージョン(侵食)を防止する目的で内面に防食塗料を塗装していたが、損傷箇所は曲がり部の背側であり海水の流れによりエロージョンが発生しやすい状況であったことから、経年使用によるエロージョンにより防食塗料が損傷し、排水管の母材が海水により侵食された結果、貫通穴が生じて漏えいに至ったものと推定されました。

○対 策

  • 当該排水管を内面に耐食性および耐衝撃性に優れたポリエチレンを施した配管に取り替えました。
  • 今回取り替えた当該排水管のその他の下流配管についても、念のため伊方発電所1号機の定期検査時に内面にポリエチレンを施した配管に取り替えます。

伊方発電所1、2号機 海水淡水化装置まわり概略系統図

PDFマーク(印刷用)伊方発電所1、2号機  海水淡水化装置まわり概略系統図  (PDF-13KB)

3.伊方発電所3号機  海水淡水化装置塩酸貯槽からの漏えいについて

○事 象

  7月31日11時27分頃、通常運転中の伊方発電所3号機において、海水淡水化装置建屋内の塩酸ガスの検知を示す信号が発信したため、運転員が現場を確認したところ、建屋内の塩酸貯槽から塩酸が漏えいしていることを確認しました。
  このため、海水淡水化装置建屋への立入禁止措置を実施するとともに、運転中であった海水淡水化装置を停止し、塩酸貯槽に貯蔵していた塩酸を排水槽へ排出して、同日13時04分、塩酸貯槽の液面が漏えい箇所より低下したことから漏えいは停止しました。
  漏えい箇所を確認した結果、貫通穴および塩酸による胴板の腐食を確認したことから、当該貯槽内の塩酸全量を抜き取り、漏えい箇所の外面から当板を溶接により取り付け、当該貯槽内面に腐食防止のために施工しているゴムの張り替えを実施しました。その後、塩酸を受け入れ、8月11日17時00分、漏えいのないことを確認し、通常状態に復旧しました。

○原 因

  調査の結果、昨年9月に当該貯槽の内部点検を実施した際に、内面に施していたゴムに膨れが確認されたため、その膨れ箇所のゴムを除去して補修用のゴムを貼っていたが、補修箇所のみをハンドドライヤーにより乾燥させていたため、補修箇所以外の既設のゴムの乾燥が十分ではなく、当該貯槽内が十分に乾燥されていなかったものと推定されました。このため、接着剤が硬化するまでに補修箇所が湿潤となり、既設ゴムと補修用ゴムの接着力が弱く、時間の経過とともに接着部にゴムの剥がれが生じた結果、その部分の胴板が塩酸により腐食され貫通穴が生じ、漏えいに至ったものと推定されました。

○対 策

  • 漏えいの認められた箇所に、塩酸貯槽外面より当板を溶接するとともに、貯槽内面については減肉箇所を肉盛溶接にて平坦に仕上げた後、十分に乾燥させて、ゴムの貼り替えを実施しました。また、前回の点検で補修を実施した他の1箇所についても、念のためゴムの貼り替えを実施しました。
  • 薬品タンクの内面に施したゴムの修繕作業要領書に、「既設のゴムライニングの乾燥作業には所内用空気およびスポットクーラーを用いて乾燥させる。」旨および乾燥時間についても追記します。

伊方発電所3号機 海水淡水化装置概略系統図

PDFマーク(印刷用)伊方発電所3号機  海水淡水化装置概略系統図  (PDF-26KB)

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