定期検査中(調整運転中)の伊方発電所3号機原子炉補助建屋1階上部中間階(管理区域内)において、3月12日16時30分、充てんポンプAの検査の準備作業のため、運転員が、当該ポンプのミニマムフローライン弁(手動弁)を閉止しようとしたところ、閉操作の途中で当該弁の動きが重くなりました。
この時点においては、潤滑剤の塗布等で簡易に保修可能と判断していましたが、3月15日9時30分、関係者による会議において、今後のプラント運転により万全を期すため、当該弁を分解点検することとしました。
本事象による外部への放射能の放出はありません。
(3月15日 お知らせ済み)
当該弁の分解点検の結果、弁棒とグランド押さえ輪の接触面において、それぞれに周方向にごく浅い傷があることを確認しました。なお、それ以外の部分に異常は認められませんでした。このことから、確認された傷は弁の開閉操作に伴う摺動により生じたものであり、これにより当該弁の動きが重くなったものと推定されました。
確認された傷は、磨き等の軽微な手入れで再使用できる程度でしたが、念のため、傷が認められた弁棒とグランド押さえ輪を新品に取り替えて、当該弁の開閉操作に問題がないこと等を確認し、本日、通常状態に復旧しました。
今後、引き続き、詳細を調査します。
(参考)
○充てんポンプ
1次冷却材系統から抽出した1次冷却材の浄化やほう素濃度の調整を行った後、再び1次冷却材系統に戻すためのポンプ。(A、B、Cの3台設置しており、通常1~2台を運転し、残りは予備としている。)
○ミニマムフローライン
ポンプの締め切り運転時(出口弁閉)のポンプ保護のため、最小限の流量を流すライン。
以上
(添付資料) 伊方発電所3号機 1次冷却水充てん・抽出系統概略図
(印刷用) 伊方発電所3号機 1次冷却水充てん・抽出系統概略図 (PDF-75KB)