- 平成22年5月に、当社から愛媛県および伊方町に通報連絡した事象は以下の2件です。これらの事象は、法律に基づく報告事象に該当するものではなく、また、環境への放射能の影響もありませんでした。
事 象 | 発生月日 | 発表月日 | 公表区分 | ||
---|---|---|---|---|---|
|
5月 5日 | 5月 6日 | B | ||
|
5月18日 | - | C |
県の公表区分 | A:即公表 |
B:48時間以内に公表 | |
C:翌月10日に公表 |
- 過去に発生した以下の通報連絡事象について、その後の調査結果を踏まえた原因と対策をとりまとめ、愛媛県および伊方町に報告書を提出いたしました。
事 象 | 発生月日 | 発表月日 | 公表区分 | ||
---|---|---|---|---|---|
|
3月 5日 | 3月 5日 | C | ||
|
3月15日 | 3月15日 | A |
(別紙1)伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成22年5月分)
伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成22年5月分)
1.伊方発電所2号機 ほう酸濃縮液タンク(1、2号機共用)室内での漏えいについて
5月5日1時00分頃、通常運転中の伊方発電所2号機原子炉補助建家において、ほう酸濃縮液タンク室内のほう酸濃縮液ポンプ付近(同タンクおよび同ポンプは1、2号機共用)で微量の放射性物質(放射能量:約61ベクレル)を含む約1リットルの液体が漏えいしていることを確認しました。
その後、当該ポンプに接続しているドレン配管のフランジ部からほう酸水が漏えいしたものであることを確認したため、当該フランジ部を点検した結果、フランジ部の締め付け状態は良好であり、フランジ面にも異常はありませんでしたが、フランジ部からの漏えいを防止するために使用しているガスケットの厚みが減少していたことを確認しました。このため、ガスケットの取替を行い、当該ポンプを運転して漏えいがないことを確認し、5月12日16時20分、通常状態に復旧しました。
今後、引き続き、詳細を調査します。
(印刷用)伊方発電所 ほう酸濃縮液ポンプ(1、2号機共用)まわり概略系統図 (PDF-49KB)
2.伊方発電所1号機 復水脱塩装置塩酸貯槽の天板のへこみについて
5月18日16時50分頃、定期検査中の伊方発電所1号機の復水脱塩装置薬品室内において、復水脱塩装置塩酸貯槽の水洗作業のため、保修員が当該貯槽の上部に上がったところ、貯槽の天板にへこみがあることを確認しました。
なお、当該貯槽は液抜きを実施しており、塩酸の漏えいはありませんでした。
今後、引き続き、詳細を調査します。
(印刷用)伊方発電所1号機 復水脱塩装置塩酸貯槽まわり概略図 (PDF-68KB)
伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要
1.伊方発電所3号機 湿分分離加熱器加熱蒸気配管のドレン受けからの蒸気漏れについて
○事象
3月5日9時30分、定期検査中の伊方発電所3号機のタービン建屋1階において、湿分分離加熱器A号機およびB号機の加熱蒸気配管に設置しているドレン弁が閉状態であるにもかかわらず、下流のドレン受けから放射能を含まない少量の蒸気が漏れていたため、上記ドレン弁を補修して蒸気の漏えいを停止させることとしました。
その後、湿分分離加熱器のドレンタンク2台に設置している別のドレン弁(2台)のフラッシングおよび増し締めを実施したところ、ドレン受けからの蒸気の漏えいが停止したことから、当該ドレン弁のシートリークにより、ドレン受けから蒸気が漏えいしたものと推定されました。
○原因
湿分分離加熱器のドレンタンク2台に設置している当該ドレン弁(2台)のフラッシングおよび増し締めの実施によりドレン受けからの蒸気漏れが停止したことから、当該ドレン弁の点検時に微細な異物が弁シート面に挟まって僅かな隙間が生じた結果、プラントの出力上昇に伴う系統の温度および圧力上昇により、この僅かな隙間から少量の蒸気が漏れたものと推定されました。
なお、当初シートリークしているものと推定したドレン弁については、配管の温度状況等の調査により、シートリークしていないことを確認しました。
○対策
- 次回の定期検査時にシートリークが認められた2台のドレン弁を分解点検します。
- 今後、プラントの出力上昇に伴う蒸気通気時にドレン受けの目視点検を行い、ドレン弁からのシートリークがないことをチェックシートを用いて確認するとともに、シートリークが認められた場合はフラッシングや増し締めを行い、シートリークが停止しない場合には分解点検することとします。
- ドレン受けからの蒸気漏れを発見した場合は、系統構成や配管の温度状況等から漏えい箇所を確実に特定するとともに、フラッシングや増し締め等を迅速に行うことを関係者に周知します。
(印刷用)伊方発電所3号機 湿分分離加熱器廻り系統概略図 (PDF-47KB)
2.伊方発電所3号機 充てんポンプのミニマムフローライン弁の不具合について
○事象
3月12日、定期検査における調整運転中の伊方発電所3号機において、充てんポンプAの検査準備中に運転員が当該ポンプのミニマムフローライン弁(手動弁)の動きが重いことを確認し、当該弁について簡易に保修可能と判断していましたが、その後の関係者による会議において、今後のプラントの運転に万全を期すため、3月15日9時30分、当該弁を分解点検することとしました。
点検の結果、弁棒とグランド押さえ輪の接触面において、それぞれに周方向にごく浅い傷があることを確認したことから、念のため、傷が認められた弁棒とグランド押さえ輪を新品に取り替えて、当該弁の開閉操作に問題がないこと等を確認し、3月17日、通常状態に復旧しました。
○原因
当該弁に確認された傷は、弁点検時にグランド押さえ輪を傾いた状態で復旧したことにより、本来隙間が確保されていなければならない弁棒とグランド押さえ輪が接触した結果、接触面における摺動により生じたものであり、さらに、発生した金属粉が小さなかたまりとなり傷が生じたため、接触面の摩擦抵抗が大きくなり、当該弁の動きが重くなったものと推定されました。
○対策
- 当該弁の弁棒およびグランド押さえ輪を新品に取り替えました。
- 当該弁を含む同型弁のグランドパッキンを締め付ける際は、弁棒とグランド押さえ輪が接触していないことを目視または隙間ゲージ等で確認するよう、作業要領書に記載します。
- 1号機の同型弁については、第27回定期検査中に、弁棒とグランド押さえ輪が接触していないことを目視または隙間ゲージで確認します。なお、2号機および3号機の同型弁については、次回定期検査時に同様な確認を実施します。
(印刷用)伊方発電所3号機 1次冷却水充てん・抽出系統概略図 (PDF-70KB)