平成22年08月10日
四国電力株式会社

伊方発電所における通報連絡事象(平成22年7月分)および
通報連絡事象に係る報告書の提出について

  •   平成22年7月に、当社から愛媛県および伊方町に通報連絡した事象は以下の7件です。これらの事象は、法律に基づく報告事象に該当するものではなく、また、環境への放射能の影響もありませんでした。
事    象 発生月日 発表月日 公表区分
1.伊方発電所2号機   発電機出力の変動について
7月3日 -
2.伊方発電所1号機   発電機出力の変動について
7月16日 -
3.伊方発電所1、2号機   発電機出力の変動について
7月16日 -
4.伊方発電所2号機   燃料移送装置の燃料コンテナ変形について
7月17日 7月17日
5.伊方発電所1号機   発電機出力の変動について
7月25日 -
6.伊方発電所3号機   発電機出力の変動について
7月25日 -
7.伊方発電所1、3号機   発電機出力の変動について
7月25日 -
県の公表区分 A:即公表
  B:48時間以内に公表
  C:翌月10日に公表
  •   過去に発生した以下の通報連絡事象について、その後の調査結果を踏まえた原因と対策をとりまとめ、愛媛県および伊方町に報告書を提出いたしました。
事    象 発生月日 発表月日 公表区分
1.伊方発電所1号機   復水脱塩装置塩酸貯槽天板の変形について
 5月18日  6月10日 C
2.伊方発電所   エタノールアミン排水処理装置排水冷却器からの水漏れについて
 6月 1日  7月12日 C
3.伊方発電所1、2号機   復水脱塩装置再生廃液の漏えいについて
 6月 2日  7月12日 C
4.伊方発電所3号機   燃料取扱棟での漏えいについて
 6月22日  6月23日 B

(別紙1)伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成22年7月分)

  1. 伊方発電所2号機  発電機出力の変動について
  2. 伊方発電所1号機  発電機出力の変動について
  3. 伊方発電所1、2号機  発電機出力の変動について
  4. 伊方発電所2号機  燃料移送装置の燃料コンテナ変形について
  5. 伊方発電所1号機  発電機出力の変動について
  6. 伊方発電所3号機  発電機出力の変動について
  7. 伊方発電所1、3号機  発電機出力の変動について

(別紙2)伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要

  1. 伊方発電所1号機  復水脱塩装置塩酸貯槽天板の変形について
  2. 伊方発電所  エタノールアミン排水処理装置排水冷却器からの水漏れについて
  3. 伊方発電所1、2号機  復水脱塩装置再生廃液の漏えいについて
  4. 伊方発電所3号機  燃料取扱棟での漏えいについて
以上

別紙1

伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成22年7月分)

1.伊方発電所2号機  発電機出力の変動について

  7月3日15時59分頃、送電系統への落雷に伴う系統ショックにより、伊方発電所2号機の発電機出力に有意な変動が発生しました。
  発電機出力の変動は瞬時に収束し、プラントの運転に影響はありませんでした。

参考:落雷場所および発電機出力の変動幅

落雷場所

発電機出力の変動幅

宇和島線

広見変電所
[北宇和郡]

宇和島変電所
[宇和島市]

2号機
544MW   ~   568MW   ~   602MW
(-4.2%)    (変動前後)     (+6.0%)

2.伊方発電所1号機  発電機出力の変動について

  7月16日15時11分頃、送電系統への落雷に伴う系統ショックにより、伊方発電所1号機の発電機出力に有意な変動が発生しました。
  発電機出力の変動は瞬時に収束し、プラントの運転に影響はありませんでした。

参考:落雷場所および発電機出力の変動幅

落雷場所

発電機出力の変動幅

讃岐坂出線

讃岐変電所
[綾歌郡]

坂出発電所
[坂出市]

1号機
542MW   ~   571MW   ~   593MW
(-5.1%)    (変動前後)     (+3.9%)

3.伊方発電所1、2号機  発電機出力の変動について

  7月16日15時55分頃、送電系統への落雷に伴う系統ショックにより、伊方発電所1、2号機の発電機出力に有意な変動が発生しました。
  発電機出力の変動は瞬時に収束し、プラントの運転に影響はありませんでした。

参考:落雷場所および発電機出力の変動幅

落雷場所

発電機出力の変動幅

広見線

大洲変電所
[大洲市]

広見変電所
[北宇和郡]

1号機
528MW   ~   571MW   ~   603MW
(-7.6%)    (変動前後)     (+5.7%)

2号機
551MW   ~   567MW   ~   600MW
(-2.8%)    (変動前後)     (+5.8%)

4.伊方発電所2号機  燃料移送装置の燃料コンテナ変形について

  7月17日9時30分頃、通常運転中の伊方発電所2号機の原子炉補助建家5階において、燃料移送装置の点検に伴うリフティングフレーム操作中に、リフティングフレームと燃料コンテナが接触したことから点検を実施したところ、当該コンテナが変形していることを確認しました。
  調査の結果、当該コンテナのほか、コンベアカー(当該コンテナを載せる台車)やリフティングフレームの軸受構成部品の一部などにも接触による変形が確認されたため、当該コンテナの変形部分を油圧ジャッキ等により修正するとともに、その他の箇所についても修正や部品の取替を行いました。
  その後、模擬燃料を使用して燃料移送装置の動作確認を行って異常のないことを確認し、8月6日15時50分、通常状態に復旧しました。
  今後、引き続き、詳細を調査します。

伊方2号機 燃料移送装置概略図

 

PDFマーク(印刷用)伊方2号機  燃料移送装置概略図  (PDF-45KB)

5.伊方発電所1号機  発電機出力の変動について

  7月25日17時43分頃、送電系統への落雷に伴う系統ショックにより、伊方発電所1号機の発電機出力に有意な変動が発生しました。
  発電機出力の変動は瞬時に収束し、プラントの運転に影響はありませんでした。

参考:落雷場所および発電機出力の変動幅

落雷場所

発電機出力の変動幅

西条火力線

西条発電所
[西条市]

西条変電所
[西条市]

1号機
532MW   ~   569MW   ~   600MW
(-6.5%)    (変動前後)     (+5.5%)

6.伊方発電所3号機  発電機出力の変動について

  7月25日18時00分頃、送電系統への落雷に伴う系統ショックにより、伊方発電所3号機の発電機出力に有意な変動が発生しました。
  発電機出力の変動は瞬時に収束し、プラントの運転に影響はありませんでした。

参考:落雷場所および発電機出力の変動幅

落雷場所

発電機出力の変動幅

四国外の送電系統

3号機
883MW   ~   913MW   ~   958MW
(-3.4%)    (変動前後)     (+5.1%)

7.伊方発電所1、3号機  発電機出力の変動について

  7月25日18時43分頃、送電系統への落雷に伴う系統ショックにより、伊方発電所1、3号機の発電機出力に有意な変動が発生しました。
  発電機出力の変動は瞬時に収束し、プラントの運転に影響はありませんでした。

参考:落雷場所および発電機出力の変動幅

落雷場所

発電機出力の変動幅

四国外の送電系統

1号機
523MW   ~   569MW   ~   598MW
(-8.1%)    (変動前後)     (+5.1%)

3号機
872MW   ~   912MW   ~   957MW
(-4.5%)    (変動前後)     (+5.1%)


別紙2

伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要

1.伊方発電所1号機  復水脱塩装置塩酸貯槽天板の変形について

○事象

  5月18日16時50分頃、定期検査中の伊方発電所1号機の復水脱塩装置薬品室内において、復水脱塩装置塩酸貯槽内の水洗作業のため、保修員が当該貯槽の上部に上がったところ、当該貯槽の天板が変形していることを確認しました。
  点検の結果、当該貯槽にき裂等は見られなかったことから、貯槽内部より力を加えて天板の変形部分を元の形状に復元しました。また、貯槽内面のゴムライニングの一部に割れを確認したことから、当該部分を新しいゴムに貼り替えて異常のないことを確認し、6月15日10時40分、通常状態に復旧しました。

○原因

  調査の結果、当該貯槽に洗浄用水を水張りした際に、オーバーフローラインおよびスクラバーに洗浄用水が流れ込んだことから、同ラインの水抜き操作を実施しましたが、スクラバーバイパス弁の構造等により同ラインの水抜きが十分にできていなかったことを確認しました。このことから、当該貯槽下部からの洗浄用水の水抜き時に、オーバーフローラインから十分な空気が確保できず、貯槽内が負圧になり天板が変形したものと推定しました。

○対策

  • 当該貯槽について、貯槽内部より力を加えて天板の変形部分を元の状態に復元するとともに、貯槽内面のゴムライニングの割れ箇所を補修しました。
  • 当該貯槽に洗浄用水を水張りする場合は、水張り量を流量積算計で管理してオーバーフローさせないよう操作手順書に明記します。
  • 当該貯槽の洗浄用水を水抜きする場合は、貯槽上部のマンホールを少しずらして空気の吸い込み箇所を確実に確保するよう操作手順書に明記します。
  • 今回の事象を関係者に周知し、他号機の操作手順書も同様に改正します。

伊方発電所1号機 復水脱塩装置塩酸貯槽まわり概略図

PDFマーク(印刷用) 伊方発電所1号機  復水脱塩装置塩酸貯槽まわり概略図  (PDF-75KB)

2.伊方発電所  エタノールアミン排水処理装置排水冷却器からの水漏れについて

○事象

  6月1日、2次系の排水を処理するエタノールアミン排水処理装置(1、2、3号機共用)において、排水冷却器より2次系の排水が漏えいしている(約1滴/秒)ことを運転員が発見したことから、保修員が排水冷却器プレートの締付ボルトの増し締めを行いましたが、漏えいが停止しなかったため、同日11時50分、当該装置を停止して排水冷却器の点検を実施することとしました。
  点検の結果、排水冷却器プレートのガスケットが減肉していたことから、当該ガスケットを新品に取り替えました。その後、当該装置を運転して漏えいのないことを確認し、6月15日10時45分、通常状態に復旧しました。

○原因

  調査の結果、排水の電気分解処理により次亜塩素酸ソーダが生成されますが、当該ガスケットを通常運転温度(約35℃~45℃)で長期間使用したことにより、次亜塩素酸ソーダによりガスケットの端面が徐々に減肉し、ガスケットのシール機能が維持できない状態となり、漏えいに至ったものと推定しました。

○対策

  • 排水冷却器プレートのガスケットを新品に取り替えました。
  • 今後2年以内に排水冷却器の分解点検を行い、ガスケットの減肉量を確認した上で適切な点検頻度を設定し、定期的に分解点検してガスケットを取り替えます。

伊方発電所 2次系排水処理装置系統概略図

PDFマーク(印刷用) 伊方発電所  2次系排水処理装置系統概略図  (PDF-47KB)

3.伊方発電所1、2号機  復水脱塩装置再生廃液の漏えいについて

○事象

  6月2日18時50分頃、伊方1、2号機(1号機:定期検査中、2号機:通常運転中)の復水脱塩装置の排水配管の弁より、2次系の排水が漏えいしていることを運転員が発見しました。その後、復水脱塩装置の中和槽排水ポンプ(2号機)を停止し、漏えいは停止しました。
  点検の結果、当該弁は取替作業中で仮取り付けされた状態であり、2号機側の隔離が実施されていなかったため、復水脱塩装置中和槽(2号機)からの排水が沈澱池に移送されて当該弁のフランジ部から漏えいしたものと判明しました。その後、当該弁を復旧して漏えいがないことを確認し、6月4日16時15分、通常状態に復旧しました。
  なお、漏えいした排水(約10m3)の敷地外への流出はなく、周辺環境への影響はありません。

○原因

  調査の結果、定期検査において一部範囲の隔離・復旧操作および点検作業許可を関係会社に委託していますが、当該弁に関する隔離操作については委託範囲外であったにも係らず、委託運転員が委託された作業であると思い込んだうえ、誤って1号機側の配管系統しか記載されていない系統図を使用して隔離範囲の検討を行ったため、2号機側の隔離操作を実施していなかったことを確認しました。
  さらに、この状態で委託先の管理者が点検作業を許可したため、当該弁のフランジが緩められていたところに復水脱塩装置中和槽(2号機)からの排水が沈澱池に移送され、当該弁のフランジ部から漏えいしたものと推定しました。

○対策

  • 委託範囲外の弁点検の隔離・復旧操作について、当社の所掌であることを周知徹底し、定期検査前には隔離操作上の基本ルールについて再教育します。
  • 委託先に対して、運転員が点検機器の隔離を検討する時には隔離範囲を確実に確認するよう指導するとともに、管理者が点検作業を許可する時には隔離作業を確実に実施したこと確認する旨、周知徹底します。
  • 今後、定期検査開始前には全ての点検機器が当社隔離範囲と委託隔離範囲に適切に分類されていることを確認します。
  • 本事象についてワンポイントレッスン資料を作成し、1、2号機復水脱塩装置排水配管(1、2号機共通配管)の隔離・復旧の検討において注意する旨、関係箇所に周知徹底します。

伊方発電所 復水脱塩装置中和槽排水系統概略図

PDFマーク(印刷用) 伊方発電所  復水脱塩装置中和槽排水系統概略図  (PDF-41KB)

4.伊方発電所3号機  燃料取扱棟での漏えいについて

○事象

  6月22日13時48分、通常運転中の伊方3号機の燃料取扱棟において、伊方1、2号機用の一次冷却材ポンプ予備インターナル(ポンプ内部部品)の点検の準備作業を実施していたところ、予備インターナルを水中保管している容器の水位確認用ホースより、床に保管用水が漏れていることを保修員が確認しました。
  その後、当該ホースを接続している弁を閉止し、漏えいは停止しました。
  調査の結果、漏えい量は約450リットルで、微量の放射能(放射能量:約5.4×105ベクレル)を含んでいることが確認されましたが、その大半は液体廃棄物処理系統へ回収し、残りを紙ウエスで拭き取るとともに、燃料取扱棟の床を養生していたポリシート等を除去しました。

○原因

  調査の結果、一次冷却材ポンプ予備インターナルの分解点検作業において、当該ホースを接続している弁を開状態のまま作業を一時中断し、その後、当該ホースを固定していたテープが粘着力低下により剥がれたため、ホース開放端より保管用水が漏えいしたものと推定しました。

○対策

  • 当該作業の作業要領書に以下の項目を追記し、改正内容を作業関係者全員に周知します。
    • 水位確認用ホースを作業用足場に固定し、ホース先端部は番線で、元弁との接続部はホースバンドで保管容器に固定する。また、当該ホースの固定方法を示した図面を添付する。
    • 作業中に保管容器の水位を確認する時のみ、水位確認用ホースの元弁を「開」とする。
    • 保管容器の弁開閉状態について、チェックシートを用いて作業責任者が確認する。
  • 保管容器外面に、水位確認時以外は弁を「閉」にするよう明記した表示板を取り付けて、注意喚起を促します。

伊方発電所 一次冷却材ポンプインターナル保管容器概略図

PDFマーク(印刷用) 伊方発電所  一次冷却材ポンプインターナル保管容器概略図  (PDF-49KB)

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