平成22年12月10日
四国電力株式会社

伊方発電所における通報連絡事象(平成22年11月分)および
通報連絡事象に係る報告書の提出について

  •   平成22年11月に、当社から愛媛県および伊方町に通報連絡した事象は以下の1件です。本事象は、法律に基づく報告事象に該当するものではなく、また、環境への放射能の影響もありませんでした。
事    象 発生月日 発表月日 公表区分
伊方発電所2号機   海水ポンプ出口塩素注入配管からの漏えいについて
11月 29日 -
県の公表区分 A:即公表
  B:48時間以内に公表
  C:翌月10日に公表
  •   過去に発生した以下の通報連絡事象について、その後の調査結果を踏まえた原因と対策をとりまとめ、愛媛県および伊方町に報告書を提出いたしました。
事    象 発生月日 発表月日 公表区分
1.伊方発電所1号機   安全防護系シーケンス盤Aのシステム停止について
 6月 8日  6月 9日
2.伊方発電所2号機   原子炉格納容器内における水漏れについて
10月 5日 10月 5日
3.伊方発電所2号機   OFケーブル監視盤の発煙について
10月 6日 10月 6日

(別紙1)伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成22年11月分)

  1. 伊方発電所2号機  海水ポンプ出口塩素注入配管からの漏えいについて

(別紙2)伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要

  1. 伊方発電所1号機  安全防護系シーケンス盤Aのシステム停止について
  2. 伊方発電所2号機  原子炉格納容器内における水漏れについて
  3. 伊方発電所2号機  OFケーブル監視盤の発煙について
以上

別紙1

伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成22年11月分)

伊方発電所2号機  海水ポンプ出口塩素注入配管からの漏えいについて

  11月29日12時10分頃、定期検査における調整運転中の伊方発電所2号機取水ピットエリアにおいて、予備機として待機中の海水ポンプ2Cの出口側に塩素を注入する配管より、海水が漏れていることを確認しました。その後、12時45分に海水ポンプ2Cを隔離し、漏えいは停止しました。漏えいした海水の量は約28リットルであり、塩素濃度を測定した結果、検出限界未満でした。
  今後、当該配管を新品に取り替えることとし、配管が入荷するまでの間、海水が漏えいしない対策として当該配管を取り外してフランジ部を閉止しました。なお、海水ポンプ2Cについては、短期間であれば塩素を注入しなくても海生生物は付着しないことから、予備機として復旧しました。
  今後、引き続き、詳細を調査します。

伊方発電所2号機 海水ポンプ出口塩素注入配管概略図

 

PDFマーク(印刷用)伊方発電所2号機  海水ポンプ出口塩素注入配管概略図  (PDF-14KB)


別紙2

伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要

1.伊方発電所1号機  安全防護系シーケンス盤Aのシステム停止について

○事象

  6月8日21時00分頃、定期検査中の伊方発電所1号機において、安全防護系シーケンス盤Aに2系統ある制御システム(CPU)が両系統停止していることを作業員が確認しました。本システムは、運転中の2号機の中央制御室非常用給気ファン(1、2号機共用設備)の動作システムでもあり、プラント運転中は動作可能であることが原子炉施設保安規定上で要求されていることから、同日23時00分、2号機の保安規定に定める運転上の制限を逸脱したと判断しました。その後、制御システムを再起動し、6月9日1時35分、保安規定に定める運転上の制限の逸脱から復帰し、制御システムに異常のないことを確認したことから、同日16時10分、通常状態に復旧しました。

○原因

  調査の結果、前回定検で設備更新した当該設備の復旧操作手順書の作成において、設備主管箇所である保修員の説明および、手順書を作成した運転員の確認が十分でなかったことから、制御システムの復旧に必要な操作が反映されていなかったことを確認しました。このため、計装用電源装置の点検に伴う制御システムの切替において、停止させていた制御システム(CPU-A1)が復旧できていない状態で、もう1系統を停止した結果、制御システムが2系統とも停止状態になったものと推定しました。

○対策

  • 当該設備の制御システムの復旧については保修員が行う旨、復旧操作手順書に明記します。また、その他の制御システムの復旧操作を運転員が実施する場合は、保修員は操作手順を文書により運転員に説明することとします。
  • 制御装置等の設備更新に伴い隔離・復旧操作手順書を新規作成または改訂する場合は、文書により設備主管箇所の確認を受ける旨、社内規定を見直します。
  • 設備更新に伴う周知文書について、従来より記載している運転操作上の注意事項に加え、隔離復旧操作時の注意点についても記載するよう文書の様式を見直します。
  • 平成23年度に設置予定の当該設備の保修訓練設備を用いて、運転員に設備教育を実施します。
  • 制御システムの制御状態等を示す注意表示を当該設備に掲示します。
  • 当該設備の制御システムの復旧が完了するまで、中央制御室に信号を発信させる設計に変更し、運転員の認知性を高めます。

伊方発電所1号機 安全防護系シーケンス盤概略図

PDFマーク(印刷用) 伊方発電所1号機  安全防護系シーケンス盤概略図  (PDF-11KB)

2.伊方発電所2号機  原子炉格納容器内における水漏れについて

○事象

  10月5日0時2分、定期検査中の伊方発電所2号機において、原子炉格納容器サンプの水位の上昇を示す信号が発信したため、運転員が現場を確認したところ、0時36分、原子炉格納容器2階の床面に水が漏れていることを確認しました。
  その後、点検のため満水状態にしていた原子炉キャビティにおいて、蒸発により減少する保有水を維持するために仮設ホースを用いて補給していた水の一部が原子炉キャビティ壁面の排気ダクトに流入し、排気ダクトを経由して原子炉格納容器内の床に水が漏えいした結果、原子炉格納容器サンプの水位が上昇したことを確認しました。なお、漏えいした水は、放射能を含まない純水であり、全量(約400リットル)を回収しました。

○原因

  調査の結果、原子炉キャビティへの純水補給に用いる仮設ホースは、他の作業に伴い敷設ルートを変更しており、その際に原子炉キャビティへの挿入長さが短くなり、更にホース先端の向きが排気ダクトの吸い込み口方向に変わったことから、運転員が補給開始時に仮設ホースの向きを修正していたことを確認しました。このことから、時間の経過とともに補給水の流れの反動により仮設ホースが排気ダクトの吸い込み口方向に戻り、排気ダクト内に補給水が流入し、原子炉格納容器内への漏えいに至ったものと推定しました。

○対策

  • 今回の事象発生後、仮設ホースを排気ダクトの吸い込み口から離れた位置に移動させました。
  • 今後、1、2号機において、定期検査中の原子炉キャビティへの純水補給が必要となる期間のみ排気ダクトの吸い込み口から離れた位置に向きを固定できる治具を設置することとし、この旨を作業要領書に追記します。なお、3号機については、キャビティ排気系統が設置されていないことから、対策は不要です。

伊方発電所2号機 キャビティ水の補給概略図(原子炉格納容器内)

PDFマーク(印刷用) 伊方発電所2号機  キャビティ水の補給概略図(原子炉格納容器内)  (PDF-27KB)

3.伊方発電所2号機  OFケーブル監視盤の発煙について

○事象

  10月6日11時55分、定期検査中の伊方発電所2号機において、1、2号機屋内開閉所にあるOFケーブル監視盤2号から発煙していることを運転員が確認しました。このため、直ちに当該監視盤の電源を「切」にしたところ、発煙はおさまりました。その後、12時04分に消防署に連絡し、調査の結果、13時01分に本事象は火災には該当しないと判断されております。
  点検の結果、発煙はOFケーブル監視盤内の制御電源用の変圧器から発生しており、当該変圧器の一部が過熱損傷して監視機能が喪失し、また、整流器(交流を直流に変換する機器)の一部に異常があることを確認しました。このため、電源装置を新品に交換した後、当該監視盤の機能が正常であることを確認し、10月8日15時45分、通常状態に復旧しました。

○原因

  調査の結果、整流回路に使用しているダイオード4個のうち1個が故障していることを確認しました。また、事象発生時に保護機能が動作していなかったことから、ダイオードの故障により、保護機能の動作に至らない程度の過大な電流が制御用変圧器に流れた結果、制御用変圧器の巻線が過熱損傷し、発煙に至ったものと推定しました。
  なお、当該ダイオードについては、常時通電状態での長期間の使用により特性変化し、故障に至ったものと推定しました。

○対策

  • OFケーブル監視盤の電源装置を保護機能としてヒューズを追加した電源装置に取り替えました。
  • 制御用変圧器と整流器を組み合わせた電気回路を使用している設備のうち、常時通電状態で長期間(25年以上)使用している設備について、整流器の故障に対する保護機能の有無を確認します。なお、保護機能が動作しない可能性のある設備については、設置場所や点検状況を考慮し、保護機能の新設または改造などの実施を計画します。

伊方発電所2号機 OFケーブル監視盤まわり概略図

PDFマーク(印刷用) 伊方発電所2号機  OFケーブル監視盤まわり概略図  (PDF-28KB)

PDFファイルをご覧いただくには専用ソフトが必要です。
お持ちでない方はダウンロードしてご覧ください。





戻る

Copyright(C)YONDEN
Shikoku Electric Power Co.,Inc. / Kagawa,Japan
mail to : postmaster@yonden.co.jp