通常運転中の伊方発電所3号機(加圧水型、定格電気出力89万キロワット)において、原子炉トリップ遮断器1台の開放動作に遅延傾向が見られたことから、2月14日、当該遮断器の開放動作時間を測定するとともに、当該遮断器を予備品に取り替えることとし、作業のために当該遮断器への原子炉トリップ信号をバイパスしたことから、同日16時58分、保安規定に定める運転上の制限から逸脱しました。
その後、当該遮断器を予備品に取り替えた後、開放動作時間に問題のないことを確認し、同日18時15分、当該遮断器への原子炉トリップ信号を復旧して、保安規定に定める運転上の制限の逸脱から復帰しました。また、念のため、本日実施した原子炉トリップ回路ロジック試験において、原子炉トリップ遮断器が正常に動作することを確認し、本日11時15分、通常状態に復旧したものと判断しました。
今後、取り外した遮断器を点検するとともに、引き続き、原因を調査します。
本事象によるプラント運転および原子炉を停止させる機能への影響はなく、環境への放射能の影響もありませんでした。
(参考)
○原子炉トリップ遮断器
原子炉トリップ遮断器は、原子炉トリップ信号発信時に制御棒を原子炉に挿入させるために制御棒駆動装置への電源を遮断する目的で設置している。また、当該遮断器は2台ずつの4系統(計8台)で構成されており、2系統以上の動作により、制御棒駆動装置への電源を遮断する。
○原子炉トリップ回路ロジック試験
原子炉トリップ信号により、原子炉トリップ遮断器が正常に動作することを確認する試験であり、1回/月の頻度で実施している。
以上
(添付資料) 伊方発電所3号機 原子炉トリップ遮断器構成概要図
伊方発電所3号機 原子炉トリップ遮断器構成概要図
(印刷用) 伊方発電所3機 原子炉トリップ遮断器構成概要図 (PDF-15KB)