当社は、東日本大震災による津波に起因する福島第一・第二原子力発電所の事故を踏まえた国の指示※1に基づき、津波により3つの機能(交流電源の供給機能、海水を使用した原子炉施設の冷却機能、使用済燃料ピットの冷却機能)を喪失したとしても、炉心および使用済燃料の損傷を防止し、放射性物質の放出を抑制しつつ、原子炉施設の冷却機能の回復を図るための緊急安全対策について取り組んでおり、本日、その実施状況について取りまとめた報告書を原子力安全・保安院に提出しました。
また、国の指示※2に基づき、伊方発電所原子炉施設保安規定に記載している運転上の制限について、原子炉が低温停止状態等においても動作可能な非常用ディーゼル発電機を常時2台確保するよう変更を行い、本日、同規定の変更認可申請を行いました。
今後、上記の報告内容および申請内容について国の審査が行われます。
当社は、引き続き、緊急安全対策を実施していくとともに、今後も新たな知見が得られた場合には迅速かつ適切に対応し、伊方発電所の更なる安全確保に万全を期していきます。
※1国の指示
「平成23年福島第一・第二原子力発電所事故を踏まえた他の発電所の緊急安全対策の実施について(指示)」(平成23年3月30日付)
※2国の指示
「非常用発電設備の保安規定上の取扱いについて(指示)」(平成23年4月9日付)
添付資料:福島第一・第二原子力発電所事故を踏まえた緊急安全対策の概要
(全文)平成23年福島第一・第二原子力発電所事故を踏まえた緊急安全対策に係る実施状況報告書(PDF-1.9MB)
以上
福島第一・第二原子力発電所事故を踏まえた緊急安全対策の概要
東日本大震災による津波に起因する福島第一・第二原子力発電所の事故を踏まえて、津波により3つの機能が喪失した場合に、(1)電源車による電源応急復旧、(2)蒸気発生器への給水確保、(3)使用済燃料ピットへの水補給の対応を具体的に実現するため、国から示された6項目の指示内容について、以下の通り、緊急安全対策を講じています。
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これまでに実施した緊急安全対策 |
今後実施する緊急安全対策 |
(1)緊急点検の実施 |
・非常用ディーゼル発電機の機能確認 ・必要な設備および資機材の点検 |
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(2)緊急時対応計画の点検および訓練の実施 |
・全交流電源喪失を想定したシミュレータ訓練 ・緊急時対応用の内規・手順書の策定、訓練 |
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(3)緊急時の電源確保 |
・電源車を津波の影響を受けない場所に配備 |
・大容量電源車の配備 ・隣接する変電所から構内まで配電線を敷設 ・非常用発電機の追加設置 |
(4)緊急時の最終的な除熱機能の確保 |
・消防自動車および可搬型消防ポンプ等を津波の影響を受けない場所に配備 |
・海水ポンプモータの予備品配備 ・仮設ポンプ等の配備 |
(5)緊急時の使用済燃料ピットの冷却確保 |
・消防自動車および可搬型消防ポンプ等を津波の影響を受けない場所に配備 |
・消防自動車の追加配備 |
(6)各原子力発電所における構造等を踏まえた当面必要となる対応策の実施 |
・安全上重要な機器を設置しているエリアの建屋入口扉等にシール施工を実施 |
・安全上重要な機器を設置しているエリアの建屋入口扉を水密扉等に変更 ・海水ポンプエリアの防水対策 |