- 平成23年5月に、当社から愛媛県および伊方町に通報連絡した事象は以下の3件です。これらの事象は、法律に基づく報告事象に該当するものではなく、また、環境への放射能の影響もありませんでした。
事 象 | 発生月日 | 発表月日 | 公表区分 | ||
---|---|---|---|---|---|
|
5月 10日 | - | C | ||
|
5月 18日 | - | C | ||
|
5月 20日 | - | C |
県の公表区分 | A:即公表 |
B:48時間以内に公表 | |
C:翌月10日に公表 |
- 過去に発生した以下の通報連絡事象について、その後の調査結果を踏まえた原因と対策をとりまとめ、愛媛県および伊方町に報告書を提出いたしました。
事 象 | 発生月日 | 発表月日 | 公表区分 | ||
---|---|---|---|---|---|
|
2月14日 | 2月15日 | B | ||
|
3月17日 | 3月18日 | B |
(別紙1)伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成23年5月分)
伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成23年5月分)
1.伊方発電所3号機 火災感知器の不具合について
5月10日6時35分、定期検査中の伊方発電所3号機の中央制御室において、火災感知器の応答がないことを示す信号が発信しました。確認したところ、応答がない感知器はタービン建屋地下1階(管理区域外)の一部に設置されている13台であることが判明しました。
調査の結果、中央制御室に信号を送信しているタービン建屋中継器盤に設置されている当該13台の感知器用の短絡保護カードに不具合が発生したものと推定したことから、当該カードを取り替えて正常に動作することを確認し、同日22時40分、通常状態に復旧しました。なお、復旧までの間は、監視人の配置により火災感知器での監視が不能となったエリアに火災等の異常がないことを確認しています。
今後、引き続き、詳細を調査します。
(印刷用) 伊方発電所3号機 火災感知器信号概略図 (PDF-11KB)
2.伊方発電所3号機 タービン建屋における2次系水の漏えいについて
5月18日11時20分、定期検査中の伊方発電所3号機において、蒸気発生器ブローダウン熱回収系統の復旧前の水張り操作を実施していたところ、当該系統から2次系水(放射能を含まない水)が漏えいしていることを運転員が確認しました。その後、当該配管の元弁を閉止して漏えいは停止しました。
調査の結果、当該系統の点検のために取り外していた流量計検出配管が復旧されていなかったことを確認したため、当該配管を接続して水張りを再開し、16時20分、漏えいのないことを確認しました。
なお、漏えい水(約200リットル)は放射能を含まない水であり、建屋内の床面にたまっていたことから、ウエスでふき取って処理しました。
今後、引き続き、詳細を調査します。
(印刷用) 伊方発電所3号機 蒸気発生器ブローダウン(SGBD)熱回収装置概略図
(PDF-15KB)
3.伊方発電所1号機 主蒸気湿分測定用弁の補修について
通常運転中の伊方発電所1号機において、タービンを回転させる主蒸気の湿分を測定する系統の弁の弁棒封止部(グランド部)から水滴が滴下しており、その後も滴下量が増加する可能性があると判断したことから、5月20日10時06分、予防保全の観点より、当該弁の補修を実施することとしました。
その後、充てん材を用いて漏えいを止める措置を行い、5月30日15時30分、当該弁から漏えいのないことを確認しました。
なお、当該弁については、次回定期検査において点検を実施します。
(印刷用) 伊方発電所1号機 2次系系統概略図 (PDF-16KB)
伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要
1.伊方発電所3号機 原子炉トリップ遮断器の開放動作時間遅延について
○事象
2月14日16時58分、通常運転中の伊方発電所3号機において、それまでの点検において原子炉トリップ遮断器1台の開放動作に遅延傾向が見られたことから、当該遮断器の開放動作時間を測定するとともに、当該遮断器を予備品に取り替えることとし、この作業のために保安規定において必要とされる原子炉保護系論理回路(4系統)のうち1系統を動作不能としたことから、一時的に保安規定に定める運転上の制限から逸脱しました。その後、当該遮断器を予備品に取り替えて、開放動作時間に問題のないことを確認し、同日18時15分、保安規定に定める運転上の制限の逸脱から復帰しました。
なお、保安規定に定める運転上の制限を逸脱した間、原子炉保護系論理回路の残りの3系統が正常であったことから、原子炉を停止させる機能に問題はなく、当該遮断器が正常に動作することを確認し、2月15日11時15分、通常状態に復旧したものと判断しました。
○原因
調査の結果、当該遮断器の開閉機構部の狭隘部のグリースが酸化劣化していることを確認しました。このことから、定期検査時に実施している開閉機構部への注油が狭隘部に十分に補充されず、グリースに浸透しなかった結果、塗布していたグリースが酸化劣化等により粘度が増大した結果、開閉機構部の動作が緩慢となり、遮断器の開放時間が遅延したものと推定しました。
○対策
- 原子炉トリップ遮断器(8台)のうち、これまで遮断器取替を行っていない5台について、第13回定期検査において開閉機構部の分解点検を実施するとともに、リチウム系グリースから経年劣化が生じにくいフッ素系グリースに変更します。なお、既に取り替えている原子炉トリップ遮断器については、フッ素系グリースに交換済みです。
- 今後、定期検査毎に実施している開閉機構部への注油について、グリースに浸透しやすいように、スポイトによる滴下から霧状にスプレイする要領に変更します。
- 今後、開閉機構部について、10定期検査毎に分解点検およびグリースの交換を実施するとともに、原子炉トリップ回路ロジック試験に合わせて、開放動作時間を測定し、開放動作時間の管理値を設定して適切に管理を実施していきます。
(印刷用) 伊方発電所3号機 原子炉トリップ遮断器構成概要図 (PDF-13KB)
2.伊方発電所2号機 使用済燃料ピット水中照明取り付けボルトの折損について
○事象
3月17日16時20分、通常運転中の伊方発電所2号機の使用済燃料ピットエリア(管理区域内)において、使用済燃料ピット水中照明の点検作業中に水中照明を取り付けているボルトの一部が折損していることを作業員が確認しました。
点検の結果、折損したボルトに取り付けていた座金(2枚)は使用済燃料ピット内の水中照明のポール下部にあること、および折損したボルトが使用済燃料ピット内の金具上にあることを確認したことから、3月18日、それらの全てを回収しました。
折損したボルトの発見状況から、貯蔵している使用済燃料に影響を与えるものではなく、3月24日10時30分、当該ボルトを新品に取り替えて通常状態に復旧しました。
○原因
調査の結果、不点灯照明の取替作業において、落下物を受けるために設置している受け皿とポールの接触による損傷を防止するため、クレーン操作スイッチの入・切操作を繰り返して徐々にポールを吊り上げていたことから、クレーンよる強い引き上げ力と灯具の自重により、当該ボルトに下向きの荷重が繰り返しかかった結果、折損に至ったものと推定しました。
○対策
- 照明灯具を取り替える際は、手動操作によって滑らかに巻き上げ操作が行える専用のチェーンブロックを使用してポールを吊り上げるよう作業要領書を変更します。
- 照明灯具の取り付けボルトの全数を取り替えるとともに、本年8月末までに、取り付けボルトが落下しないように溶接による固定を行います。なお、不点灯照明の取り替え時に取り付けボルト等の固定状態を確認するよう作業要領書を変更します。
- 1、3号機の水中照明灯具の取り付けボルトについても、2号機と同様に取り付けボルトの全数取替を実施するとともに、本年9月末までに、取り付けボルトが落下しないように溶接による固定を行います。
(印刷用) 伊方発電所2号機 使用済燃料ピット水中照明概要図 (PDF-20KB)