当社は、シビアアクシデント(炉心の重大な損傷等)が発生した場合でも迅速に対応するための直ちに取り組むべき措置に関する国の指示※に対し、その実施状況を取りまとめ、本日、報告書を経済産業大臣に提出しました。
当社は、今後も新たな知見が得られた場合には迅速かつ適切に対応し、伊方発電所の更なる安全確保に万全を期すことといたします。
※国の指示
「平成23年福島第一原子力発電所事故を踏まえた他の原子力発電所におけるシビアアクシデントへの対応に関する措置の実施について(指示)」(平成23年6月7日付)
(添付資料)「平成23年福島第一原子力発電所事故を踏まえたシビアアクシデントへの対応に関する措置に係る実施状況報告書」概要
報告書「平成23年福島第一原子力発電所事故を踏まえたシビアアクシデントへの対応に関する措置に係る実施状況報告書」(PDF-394KB)
以上
「平成23年福島第一原子力発電所事故を踏まえたシビアアクシデントへの
対応に関する措置に係る実施状況報告書」概要
対応項目 |
教訓 |
対応内容 |
(1)中央制御室の作業環境確保 |
事故時に、中央制御室内の放射線量が高くなり、居住性が低下した。 |
・長期間の事故対応活動を実施するため、電源車からの給電により既設の中央制御室空調設備を運転して、中央制御室の居住性を維持できるよう手順書を策定した。 [平成23年6月実施済] |
(2)緊急時における発電所構内通信手段の確保 |
全交流電源喪失や津波による浸水により、発電所構内での通信機能が低下した。 |
・既設通信設備の代替通信手段として、トランシーバやノーベルホン(電池式の通信装置)を配備した。 [平成23年6月実施済] ・発電所構内の内線電話の交換機等を浸水の影響を受けない箇所(新事務所ビルの4階など)に移設する。 [平成24年度末完了予定] |
(3)高線量対応防護服等の資機材の確保および放射線管理のための体制の整備 |
放射線防護に使用する資機材の不足や、放射線管理上の対応の遅れにより、適切な放射線管理ができない状態が発生した。 |
・放射線防護に使用する資機材を原子力事業者間で相互に融通することを確認するとともに、高線量対応防護服(10着)を手配した。 [平成23年9月末配備予定] ・放射線管理要員以外の要員(放射線教育を受講済の者)が、発電所構内外の放射線量の測定などの業務を行い、放射線管理要員を助勢するよう社内規定に反映した。 [平成23年6月実施済] |
(4)水素爆発防止対策 |
水素が原因とみられる爆発の発生により、事故がより重大なものとなった。 |
・格納容器に隣接するアニュラス部に水素が滞留しないように、電源車からの給電により既設のアニュラス空気再循環設備を運転する手順書を策定した。 [平成23年6月実施済] ・格納容器内の水素を処理する装置の設置を計画する。 [今後、3年程度で設置予定] |
(5)がれき撤去用の重機の配備 |
津波による漂着物により、発電所構内における作業が迅速に実施できなかった。 |
・がれき撤去用にトラクターショベル(ホイールローダ)を発電所構内の津波の影響を受けない高台に配備済である。 |