平成23年08月10日
四国電力株式会社

伊方発電所における通報連絡事象(平成23年7月分)および
通報連絡事象に係る報告書の提出について

  •   平成23年7月に、当社から愛媛県および伊方町に通報連絡した事象は以下の4件です。これらの事象は、法律に基づく報告事象に該当するものではなく、また、環境への放射能の影響もありませんでした。
事    象 発生月日 発表月日 公表区分
1.伊方発電所1、2号機   タービン建家非常用排水ポンプの排水配管からの水漏れについて
 7月 9日 -
2.伊方発電所1、2号機   タービン建家常用排水ポンプの排水配管からの水漏れについて
 7月11日 -
3.伊方発電所荷揚げ岸壁におけるトラック運転手の負傷について
 7月14日  7月19日
4.伊方発電所1、2号機用送電線保護リレー装置の不具合について
 7月28日 -

※負傷者が労働災害における4日以上の休業に該当した旨を7月19日に通報連絡しており、その際に公表区分がAに変更になりました。

  •   過去に発生した以下の通報連絡事象について、その後の調査結果を踏まえた原因と対策をとりまとめ、愛媛県および伊方町に報告書を提出いたしました。
事    象 発生月日 発表月日 公表区分
1.伊方発電所3号機   火災感知器の不具合について
 5月10日  6月10日
2.伊方発電所3号機   タービン建屋における2次系水の漏えいについて
 5月18日  6月10日
県の公表区分 A:即公表
  B:48時間以内に公表
  C:翌月10日に公表

(別紙1)伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成23年7月分)

  1. 伊方発電所1、2号機  タービン建家非常用排水ポンプの排水配管からの水漏れについて
  2. 伊方発電所1、2号機  タービン建家常用排水ポンプの排水配管からの水漏れについて
  3. 伊方発電所荷揚げ岸壁におけるトラック運転手の負傷について
  4. 伊方発電所1、2号機用送電線保護リレー装置の不具合について

(別紙2)伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要

  1. 伊方発電所3号機  火災感知器の不具合について
  2. 伊方発電所3号機  タービン建屋における2次系水の漏えいについて
以上

別紙1

伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成23年7月分)

1.伊方発電所1、2号機  タービン建家非常用排水ポンプの排水配管からの水漏れについて

  7月9日15時20分頃、復水器清掃のために出力を低下させていた運転中の伊方発電所2号機において、当該作業に伴うタービン建家非常用排水ポンプの起動後にタービン建家入口近傍のマンホールから水漏れを確認しました。このため、当該ポンプの排水配管につながる全てのポンプを19時43分に隔離した結果、漏えいが停止したことを確認しました。ポンプの隔離により、復水器清掃に伴う排水の処理ができなくなったことから、復水器清掃を中断して後日実施することとし、21時09分、伊方2号機は定格熱出力運転に復帰しました。なお、漏えい水は放射性物質を含まない水であり、漏えい量は最大約20m3と推測されました。
  また、同日17時07分、タービン建家壁側に漏えいした水により、蒸気発生器ブローダウン水放射能自動分析装置分電盤(地下1階)が被水して地絡が発生したことから、同装置を停止しました。本装置は蒸気発生器ブローダウン水の放射能を補助的に測定する装置であり、本設のモニタにより監視は継続されていることから、プラントの監視に影響はなく、建家内にある同装置以外の設備について、漏えい水による影響のないことを確認しました。
  その後、タービン建家非常用排水ポンプの排水配管を点検した結果、当該配管に4箇所の貫通穴(最大約250mm×約250mm)を確認したことから、当該配管を新品に取り替えて漏えいのないことを確認し、7月15日10時40分、通常状態に復旧しました。
  今後、引き続き、詳細を調査します。

伊方発電所1、2号機 2次系排水系統概略図

PDFマーク(印刷用) 伊方発電所1、2号機  2次系排水系統概略図  (PDF-15KB)

2.伊方発電所1、2号機  タービン建家常用排水ポンプの排水配管からの水漏れについて

  7月11日13時25分頃、通常運転中の伊方発電所1、2号機において、7月9日に発生したタービン建家非常用排水ポンプの排水配管の漏えい箇所の調査のため、コンクリートの掘削作業を行っていたところ、掘削位置から離れた場所に埋設されていたタービン建家常用排水ポンプの排水配管からの漏えいが発生したことを作業員が確認しました。
  このため、当該配管につながる全てのポンプを隔離して漏えいが停止したことを確認しました。なお、漏えい水は放射性物質を含まない水であり、漏えい量は最大約5m3と推測されました。
  その後、タービン建家常用排水ポンプの排水配管を点検した結果、当該配管に1箇所の貫通穴(約27mm×約20mm)を確認したことから、当該配管を新品に取り替えて漏えいのないことを確認し、7月14日9時40分、通常状態に復旧しました。
  今後、引き続き、詳細を調査します。

伊方発電所1、2号機 2次系排水系統概略図

PDFマーク(印刷用) 伊方発電所1、2号機  2次系排水系統概略図  (PDF-14KB)

3.伊方発電所荷揚げ岸壁におけるトラック運転手の負傷について

  7月14日10時00分頃、伊方発電所構内の荷揚げ岸壁において、岸壁クレーン点検用資材の運送業務に従事するトラック運転手1名が、荷物の積み込み作業中にトラックの荷台(高さ約1.1m)より転落しました。
  その後、協力会社の車で病院に搬送し、医師による診察の結果、「頭部打撲、第2腰椎圧迫骨折、頚椎捻挫、胃炎、熱中症」と診断されました。

4.伊方発電所1、2号機用送電線保護リレー装置の不具合について

  7月28日10時54分、送電線(伊方北幹線2号線)の保護リレー装置において、2系統ある主保護リレーのうち1系統の異常を示す信号が発信しました。点検の結果、送電線に異常が発生した場合に遮断器に開指令を出力するユニットが不調であることが 判明しました。
  このため、当該ユニットを取り替えて異常のないことを確認し、8月1日13時30分、通常状態に復旧しました。なお、復旧までの間、主保護リレーの1系統および後備リレーが健全であったことから、送電線の保護機能に問題はありませんでした。
  今後、引き続き、原因を調査します。

伊方発電所1、2号機 187kV送電線系統概略図

PDFマーク(印刷用) 伊方発電所1、2号機  187kV送電線系統概略図  (PDF-18KB)




別紙2

伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要

1.伊方発電所3号機  火災感知器の不具合について

○事象

  5月10日6時35分、定期検査中の伊方発電所3号機の中央制御室において、火災感知器の応答がないことを示す信号が発信しました。確認したところ、応答がない感知器はタービン建屋地下1階(管理区域外)の一部に設置されている13台であることが判明しました。
  点検の結果、中央制御室に信号を送信しているタービン建屋中継器盤に設置されている当該13台の感知器用の短絡保護カードに不具合が発生したものと推定したことから、当該カードを取り替えて正常に動作することを確認し、同日22時40分、通常状態に復旧しました。なお、復旧までの間は、監視人の配置により火災感知器での監視が不能となったエリアに火災等の異常がないことを確認しています。

○原因

  調査の結果、不具合が発生したと推定した短絡保護カードに異常は発見されず、再現性が見られないことなどから、当該カードの一過性の不具合により、下流に接続している火災感知回路が切り離されて、13台の火災感知器の応答がないことを示す信号が発信したものと推定しました。

○対策

  • 当該短絡保護カードの取替を行い、健全性を確認しました。
  • 今後、当該カード故障時に速やかに対応するために予備カードを常備します。

伊方発電所3号機 火災感知器信号概略図

PDFマーク(印刷用) 伊方発電所3号機  火災感知器信号概略図  (PDF-12KB)

2.伊方発電所3号機  タービン建屋における2次系水の漏えいについて

○事象

  5月18日11時20分、定期検査中の伊方発電所3号機において、蒸気発生器ブローダウン熱回収系統の復旧前の水張り操作を実施していたところ、当該系統から2次系水(放射能を含まない水)が漏えいしていることを運転員が確認しました。その後、当該配管の元弁を閉止して漏えいは停止しました。
  その後、当該系統の点検のために取り外していた流量検出配管が復旧されていなかったことを確認したため、当該配管を接続して水張りを再開し、16時20分、漏えいのないことを確認しました。なお、漏えい水(約200リットル)は放射能を含まない水であり、建屋内の床面にたまっていたことから、ウエスでふき取って処理しました。

○原因

  調査の結果、作業要領書に計装品の取り外し、取り付けに関する記載がなく、作業責任者は、点検作業当日に当該流量検出配管の取り外しを計装担当者に依頼するよう作業管理責任者に連絡し、作業管理責任者は口頭により計装担当者に取り外しを依頼していたことを確認しました。その後、計装品に関する作業の終了確認が明確でなかったことから、作業管理責任者が計装担当者に当該配管の取り付け依頼を行わないまま作業完了手続きを行った結果、当該配管の復旧を行わないまま系統の水張りを実施したため、当該配管の取り外し部より水張り用純水が漏えいしたものと推定しました。
  なお、統合型保修管理システム(EAM)は全ての作業が完了した後に作業完了手続きを行うことになっており、計装品の取り外し、取り付け作業についてもEAMにより手続きを行うことにより、本事象の発生を防止できると推定されます。

○対策

  • 計装品の取り付け作業を明確にするために、共通作業要領書および「配管フランジ等取外し、取付」の標準作業要領書に担当者や責任の所在等について追記するとともに、関係者に周知しました。
  • 計装品の取り外し、取付けに係る作業依頼について、作業管理責任者が必ずEAMで手続きを行う旨を作業要領書に明記し、関係者に周知しました。

伊方発電所3号機 蒸気発生器ブローダウン(CGBD)熱回収装置概略図

PDFマーク(印刷用) 伊方発電所3号機  蒸気発生器ブローダウン(SGBD)熱回収装置概略図  (PDF-16KB)

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