- 平成23年9月に、当社から愛媛県および伊方町に通報連絡した事象は以下の3件です。これらの事象は、法律に基づく報告事象に該当するものではなく、また、環境への放射能の影響もありませんでした。
事 象 | 発生月日 | 発表月日 | 県の公表区分 |
---|---|---|---|
1.伊方発電所3号機 火災受信機の不具合について |
9月2日 | - | C |
2.伊方発電所1号機 原子炉補機冷却水冷却器の海水配管の不具合について |
9月22日 | 9月22日 | B |
3.伊方発電所3号機 海水ポンプの潤滑水流量の低下について |
9月27日 | - | C |
- 過去に発生した以下の通報連絡事象について、その後の調査結果を踏まえた原因と対策をとりまとめ、愛媛県および伊方町に報告書を提出いたしました。
事 象 | 発生月日 | 発表月日 | 県の公表区分 |
---|---|---|---|
1.伊方発電所3号機 放水ピット水モニタの指示上昇について |
6月22日 | 7月8日 | C |
2.伊方発電所1、2号機 タービン建家非常用排水ポンプの排水配管からの水漏れについて |
7月9日 | 8月10日 | C |
3.伊方発電所1、2号機 タービン建家常用排水ポンプの排水配管からの水漏れについて |
7月11日 | 8月10日 | C |
県の公表区分 | A:即公表 |
B:48時間以内に公表 | |
C:翌月10日に公表 |
(別紙1)伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成23年9月分)
伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成23年9月分)
1.伊方発電所3号機 火災受信機の不具合について
9月2日10時35分、定期検査中の伊方発電所3号機において、開閉所リレー室の火災受信機に異常を示す信号が発信していることをパトロール中の運転員が確認しました。その後、保修員が点検した結果、11時45分に当該受信機に不具合があり、当該リレー室を含む一部エリアの火災に関する情報が受信できないことを確認しました。
このため、当該受信機を取り替えて9月5日9時30分、通常状態に復旧しました。
なお、当該受信機を復旧するまでの間、対象エリアに火災はありませんでした。
今後、引き続き詳細を調査します。
(印刷用)伊方発電所3号機 火災感知器信号概略図 (PDF-10KB)
2.伊方発電所1号機 原子炉補機冷却水冷却器の海水配管の不具合について
9月22日10時00分頃、定期検査中の伊方発電所1号機において、原子炉補機冷却水冷却器Dの冷却用海水出口配管を点検していたところ、当該配管に貫通穴があることを保修員が確認しました。このため、当該配管の取替を行い、10月5日10時50分に、通常状態へ復旧しました。
なお、当該箇所の外側は、配管を接続するフランジ部材で溶接されていることから、これまでのプラント運転中を含めて建家内への漏えいはありませんでした。
今後、引き続き、詳細を調査します。
(印刷用)伊方発電所1号機 原子炉補機冷却水冷却器の冷却用海水系統概略図 (PDF-11KB)
3.伊方発電所3号機 海水ポンプの潤滑水流量の低下について
9月27日16時22分、定期検査中の伊方発電所3号機において、運転中の海水ポンプDの軸受潤滑水流量の低下を示す信号が発信しました。このため、予備機として待機していた海水ポンプCを起動し、海水ポンプDを停止しました。
その後、当該流量計を点検したところ、流量検出器の内部に汚れが付着していたため、検出器の清掃を実施しました。清掃後、軸受潤滑水流量計の指示が問題ないことを確認し、さらに初期運転状態での状況を確認するため、海水ポンプDを起動し、状態を監視した結果、異常が認められないことから、9月30日14時50分、通常状態に復旧しました。
今後、引き続き、詳細を調査します。
(印刷用)伊方発電所3号機 海水ポンプまわり系統概略図 (PDF-17KB)
伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要
1.伊方発電所3号機 放水ピット水モニタの指示上昇について
○事象
6月22日6時10分、定期検査中の伊方発電所3号機において、放水ピット水モニタの有意な指示上昇を示す「10分平均注意」の信号が一時的に発信しました。
その後の調査の結果、当該モニタの信号回路にある変換器に不具合があることが判明したため、不具合が生じた変換器を取り替えて当該モニタに異常のないことを確認し、6月24日13時30分、通常状態に復旧しました。
なお、事象発生から当該モニタを復旧するまでの間、放水ピットおよび取水ピットの海水を直接採取して分析を行い、水質に異常のないことを確認しています。
○原因
調査の結果、変換器内部の電解コンデンサから微量の液だれがあることを確認しました。このことから、当該コンデンサ不良により、安定した電源供給ができなくなった結果、当該モニタの指示にふらつきが発生し、有意な指示上昇を示す信号が一時的に発信されたものと推定しました。
○対策
- 現地監視盤の変換器等を取り替えました。
- これまで取り替えていない同型の変換器について、単体試験を平成23年8月の定期点検時に実施し、問題ないことを確認しました。
- これまで取り替えていない同型の変換器について、取り替えを平成24年度に実施するとともに、定期的(10年に1回程度)に取り替えを実施し、設備の信頼性向上を図ります。
(印刷用) 伊方発電所3号機 放水ピットモニタ系統概略図 (PDF-11KB)
2.伊方発電所1、2号機 タービン建家非常用排水ポンプの排水配管からの水漏れについて
○事象
7月9日15時20分頃、復水器清掃のために出力を低下させていた運転中の伊方発電所2号機において、当該作業に伴うタービン建家非常用排水ポンプの起動後にタービン建家入口近傍のマンホールから水漏れを確認しました。
このため、復水器清掃を中断し、当該ポンプの排水配管につながる全てのポンプを19時43分に隔離した結果、漏えいが停止したことを確認しました。なお、漏えい水は放射性物質を含まない水であり、漏えい量は最大約20m3と推測されました。
また、同日17時07分、タービン建家壁側に漏えいした水により、蒸気発生器ブローダウン水放射能自動分析装置分電盤(地下1階)が被水して地絡が発生したことから、同装置を停止しました。本装置は蒸気発生器ブローダウン水の放射能を補助的に測定する装置であり、本設のモニタにより監視は継続されていることなどから、プラントの監視に影響はありませんでした。
その後、タービン建家非常用排水ポンプの排水配管を点検した結果、当該配管に4箇所の貫通穴(最大約250mm×約250mm)を確認したことから、当該配管を新品に取り替えて漏えいのないことを確認し、7月15日10時40分、通常状態に復旧しました。
○原因
調査の結果、タービン建家非常用排水ピットの排水は主に海水であり、当該配管は内面にライニングのないダクタイル鋳鉄管であることから、海水による影響で当該配管内面から経年的に腐食が発生、進展して漏えいに至ったものと推定しました。
また、水漏れが発見されたタービン建家入口近傍のマンホールにはケーブルダクトへつながる電線管があり、この電線管から漏えい水がケーブルダクトを通じ、1号機タービン建家に浸入し、蒸気発生器ブローダウン水放射能自動分析装置分電盤が被水したものと推定しました。
○対策
- 当該箇所を、腐食に強い内面ライニングを施したダクタイル鋳鉄管に取り替えました。
- マンホール内の電線管部をシール材で覆い、防水対策を実施しました。
- 非常用排水配管と同様の使用環境で、内面ライニングのない曲げ管・T字管のダクタイル鋳鉄管5箇所については、年内を目途に内面ライニングを施したダクタイル鋳鉄管に取り替えます。
(印刷用) 伊方発電所1、2号機 2次系排水系統概略図 (PDF-14KB)
3.伊方発電所1、2号機 タービン建家常用排水ポンプの排水配管からの水漏れについて
○事象
7月11日13時25分頃、通常運転中の伊方発電所1、2号機において、7月9日に発生したタービン建家非常用排水ポンプの排水配管の漏えい箇所の調査のため、コンクリートの掘削作業を行っていたところ、掘削位置から離れた場所に埋設されていたタービン建家常用排水ポンプの排水配管からの漏えいが発生したことを作業員が確認しました。
このため、当該配管につながる全てのポンプを隔離して漏えいが停止したことを確認しました。なお、漏えい水は放射性物質を含まない水であり、漏えい量は最大約5m3と推測されました。
その後、タービン建家常用排水ポンプの排水配管を点検した結果、当該配管に1箇所の貫通穴(約27mm×約20mm)を確認したことから、当該配管を新品に取り替えて漏えいのないことを確認し、7月14日9時40分、通常状態に復旧しました。
○原因
調査の結果、当該配管の漏えい箇所は、配管外面から内面に向かって腐食が進展していたことから、タービン建家非常用排水ポンプ出口排水配管から漏えいして滞留した海水により、腐食が発生、進展していたものと推定しました。
また、タービン建家非常用排水ポンプ出口排水配管の漏えい箇所特定のため、コンクリートを掘削した際の振動により、腐食箇所が損傷して漏えいに至ったものと推定しました。
○対策
- 当該箇所を、腐食に強い内面ライニングを施したダクタイル鋳鉄管に取り替えました。また、近傍に埋設されている総合排水処理装置排水配管について、同様の外部腐食が見られたため、同じ仕様の配管に取り替えました。
(印刷用) 伊方発電所1、2号機 2次系排水系統概略図 (PDF-13KB)