- 平成24年7月に、当社から愛媛県および伊方町に通報連絡した事象は以下の2件です。これらの事象は、法律に基づく報告事象に該当するものではなく、また、環境への放射能の影響もありませんでした。
事 象 | 発生月日 | 発表月日 | 県の公表区分 |
---|---|---|---|
1.伊方発電所3号機 格納容器再循環ファン3Aの不具合について |
7月13日 | 7月13日 | B |
2.伊方発電所1、2号機 放水口水モニタの指示上昇について |
7月13日 | - | C |
- 過去に発生した以下の通報連絡事象について、その後の調査結果を踏まえた原因と対策をとりまとめ、愛媛県および伊方町に報告書を提出いたしました。
事 象 | 発生月日 | 発表月日 | 県の公表区分 |
---|---|---|---|
1.伊方発電所2号機 海水ポンプ潤滑水供給逆止弁の不具合について |
3月 9日 | 4月10日 | C |
2.伊方発電所1号機 タービン建家消火配管からの漏えいについて |
4月21日 | 5月10日 | C |
県の公表区分 | A:即公表 |
B:48時間以内に公表 | |
C:翌月10日に公表 |
(別紙1)伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成24年7月分)
伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成24年7月分)
1.伊方発電所3号機 格納容器再循環ファン3Aの不具合について
7月13日10時34分、定期検査中の伊方発電所3号機において、運転中の格納容器再循環ファン3Aの振動が高いことを示す信号が発信しました。
このため、格納容器再循環ファン3Bを起動し、格納容器再循環ファン3Aを停止しました。
その後、振動値を確認するため、再度、格納容器再循環ファン3Aを起動したところ、振動値が通常に比べて高いことを確認しました。
今後、引き続き、詳細を調査します。
(印刷用)伊方発電所3号機 格納容器再循環ファン概略図 (PDF-55KB)
2.伊方発電所1、2号機 放水口水モニタの指示上昇について
7月13日13時10分、伊方発電所1、2号機放水口水モニタの有意な指示上昇を示す「10分平均注意」の信号が発信しました。
当時、発電所周辺は前日より継続的に雨が降っていたこと、同日13時25分に放水口内の海水を採取して分析した結果、人工核種は検出されなかったことから、降雨による自然変動と判断しました。
(参考)伊方発電所1、2号機放水口水モニタ
伊方発電所1、2号機放水口内の海水の放射線量を測定しているモニタ。3号機にも同様の放水ピット水モニタがある。
伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要
1.伊方発電所2号機 海水ポンプ潤滑水供給逆止弁の不具合について
○事象
3月9日10時00分、定期検査中の伊方発電所2号機において、海水ポンプ2C・2Dを点検中のところ、海水ポンプ2D潤滑水タンク水供給逆止弁の弁棒が細くなっており、弁体が脱落していることを確認しました。
調査の結果、弁棒が腐食して折損していることを確認しました。また、停止中の海水ポンプ2Cの逆止弁も調査した結果、同様に弁棒が腐食して折損していることを確認しました。
当該弁については、前回定期検査で取り替えを行っていたことから、水平展開として、2号機および1、3号機において、同様に取替えを行った逆止弁について、調査をしていたところ、3号機の海水ポンプ軸受潤滑水ラインA系およびB系の逆止弁の座金および割りピンが見当たらず、B系については弁体が脱落していましたが、海水ポンプの運転に影響がないことを確認しています。
○原因
調査の結果、黄銅製の部品に脱亜鉛腐食が発生、促進され、折損や脱落に至ったと推定しました。脱亜鉛腐食は、溶存酸素濃度が低い海水中のよどみ部、隙間部、異物付着下等で生ずることが知られており、当該弁の腐食箇所は、よどみ部や隙間部に位置し、脱亜鉛腐食が生ずる環境下にあったことが確認されました。
○対策
- 今回腐食し、折損や脱落の発生した弁について、黄銅材料を使用している部品を脱亜鉛腐食発生の恐れのない青銅材料(割りピンはステンレス鋼)に変更した弁に取り替えました。
- 今回、水平展開にて分解点検を実施した逆止弁、玉型弁について、黄銅材料を使用している部品を脱亜鉛腐食発生の恐れのない青銅材料(割りピンはステンレス鋼)に取り替えました。
- 黄銅製品を調達する際には、使用環境が脱亜鉛腐食を生ずる環境ではないことを発注時に確認するよう、発注仕様書に記載しました。
(印刷用) 伊方発電所2号機 海水ポンプまわり系統概略図 (PDF-43KB)
2.伊方発電所1号機 タービン建家消火配管からの漏えいについて
○事象
4月21日4時22分、定期検査中の伊方発電所1号機において、タービン建家3階通路部天井からの水漏れを運転員が発見しました。
調査の結果、水漏れは消火配管にできた微小な穴からの漏えいであることを確認しました。このため、漏えい箇所の応急補修を行って復旧し、同日15時20分、漏えいが停止したことを確認しました。
その後、当該配管の取り替えを実施し、漏えいの無いことを確認したことから、4月26日18時00分に通常状態に復旧しました。
○原因
調査の結果、当該配管は内面を亜鉛メッキ処理した炭素鋼配管であり、経年使用により、メッキが劣化し、長手継手溶接部に沿った溝状部位の腐食が発生・進展し、貫通に至ったものと推定しました。
○対策
- 当該配管について、長手継手溶接部の無い新品の配管に取替えました。
- 伊方発電所の消火配管のうち、当該配管と同じ仕様でかつ、以下のような箇所に設置される配管については、今後計画的に長手継手溶接部の無い配管に取替えを実施します。
- 配管直下に重要な電気・計装設備が設置されている箇所の配管
- 天井裏等、容易に点検ができない箇所
(印刷用) 伊方発電所1号機 消火水系統概略図 (PDF-54KB)