当社は、平成23年8月に愛媛県知事からの要請を受け、同年10月に、伊方発電所1号機原子炉容器の監視試験片について、計画を前倒しして取り出しを行いました。
その後、取り出した試験片について試験を行い、国で認められた規程に従い評価を行った結果、伊方発電所1号機においては、脆性遷移温度の急上昇は認められず、脆性遷移温度の実測値は予測値の範囲内であることが確認できました。また、脆性遷移温度以外の監視試験の結果についても異常は認められませんでした。
また、本日、その結果を別紙のとおり、愛媛県知事へ報告しました。
当社といたしましては、今後とも、高経年化対策に万全を期すとともに、伊方発電所の安全性・信頼性の向上に努め、皆さまの一層のご理解と信頼を得られるよう全力を尽くしてまいります。
参考:伊方発電所1号機 原子炉容器の監視試験の結果について(報告書)(PDF-52KB)
以上
平成25年7月16日
四国電力株式会社
伊方発電所1号機 原子炉容器の監視試験の結果について
当社は、平成23年10月に伊方1号機原子炉容器の監視試験片を取り出し、試験を行ってきた。
試験結果は以下のとおりである。
- 脆性遷移温度(*1)の実測値は予測値の範囲内であり、急上昇は認められなかった。
- 上部棚吸収エネルギー(*2)について、問題ないことを確認した。
- 加圧熱衝撃評価(*3)を行い、原子炉容器が健全であることを確認した。
(*1)脆性遷移温度 :鋼材は低温では材料の粘り強さ(靭性)が小さくなり硬く脆くなる。
原子炉容器の低温時の破壊を防止するための指標であり、学協会では関連温度という。
(*2)上部棚吸収エネルギー:高温時における鋼材の粘り強さ(靭性)の程度を表し、原子炉容器の高温時の破壊を防止するための指標である。
(*3)加圧熱衝撃評価 :万一の事故時に原子炉容器に冷却水が注入され急冷された場合の原子炉容器の健全性を確認するもの。
表 伊方発電所1号機の脆性遷移温度
|
取出時期 |
脆性遷移温度 |
初期値 |
- |
-25℃ |
第1回 |
昭和53年4月 |
0℃ |
第2回 |
昭和57年10月 |
16℃ |
第3回 |
平成7年5月 |
30℃ |
第4回 |
平成23年10月 |
45℃ |