平成29年10月13日
四国電力株式会社

記者会見概要(東京・エネルギー記者会にて)

 平成29年10月13日、エネルギー記者会において、佐伯社長から、伊方発電所を巡る動向について説明しました。
(詳しくは「伊方発電所を巡る動向について」をご覧ください。)

【伊方発電所3号機】
 伊方3号機は、昨年8月の発電再開以降、大きなトラブルもなく運転を継続し、ベースロード電源として、化石燃料削減やCO2排出量の削減にも効果を発揮するなど、四国エリアの安定的かつ効率的な電力供給に大きく貢献しております。
 同機につきましては、10月3日から運転を停止し、来年2月20日まで141日間の予定で、再稼働後初めてとなる定期検査を実施中であります。
 この間、法令で定められた各施設の検査に加え、主要な工事としまして、非常用ディーゼル発電機の火山灰対策工事を計画いたしております。

 原子力発電所への火山灰降下に関する影響評価につきましては、従来より、様々な議論・検討が行われ、原子力規制委員会においても、先般、現行基準の約100倍の火山灰濃度にも耐えられる対策が必要との検討結果が取り纏められ、現在、基準の改正案がパブリックコメントに付されているところであります。

 この火山灰降下に係る新たな規制基準については、11月頃に原子力規制委員会において決定された後、速やかに施行される予定であり、経過措置として約1年間の対応猶予期間が設けられる見込みではありますが、当社としましては、従来から、採り入れるべき新たな知見については、可及的速やかに対策を行うことを基本方針としており、その方針に沿って、今回の定期検査中に非常用ディーゼル発電機の吸気系統に着脱可能な火山灰フィルタを設置する火山灰対策工事を実施することといたしました。
 当社としましては、今後とも、伊方発電所の安全確保を最優先課題として、新たな知見が得られた場合には、速やかに対応の要否を検討するとともに、対応が必要な事項については、躊躇することなく適切な安全対策を講じるなど、さらなる安全性・信頼性の向上に向けて不断の努力を積み重ねていく所存であります。

 伊方3号機を巡っては、昨年3月の広島地裁を皮切りに、松山地裁、大分地裁、山口地裁岩国支部の4つの裁判所において運転差止を求める仮処分が申し立てられております。
 このうち、広島地裁におきましては本年3月に、また松山地裁におきましては本年7月に、それぞれ当社の主張を認める決定が出されましたが、いずれも債権者側は高等裁判所への即時抗告を行っており、引き続き、4件の仮処分が係属中であります。

 運転差止仮処分は、一つでも敗訴すれば直ちに発電停止となる厳しい裁判であり、確実に勝訴を積み上げていかなければなりません。そのための近道はなく、当社としましては、司法の場においても、引き続き安全性向上に向けた取り組みの適切性や妥当性を丁寧に説明してまいる所存であります。

【伊方発電所1号機】
 伊方1号機については、新規制基準への適合性評価や、40年を超えて運転する場合に必要となる具体的な安全対策項目等について検討を行い、総合的に判断をした結果、運転再開を断念し、昨年5月10日付で廃止いたしました。

 その後、本年6月28日の原子力規制委員会による廃止措置計画認可および9月8日の地元了解を経て、9月12日に廃止措置作業の第1段階に着手したところであります。

 伊方1号機の廃止措置計画は、全体を4段階に区分し、約40年をかけて実施するものであり、安全確保を第一として、着実に作業を進めてまいります。

【使用済燃料乾式貯蔵施設】
 当社は、昨年12月、使用済燃料の一時的な保管施設として、伊方発電所の敷地内において乾式貯蔵施設を設置することを方針表明し、現在、具体的な設置場所や規模、主要設備である金属キャスクの仕様等について検討を進めており、今年度内を目途に、これらの検討結果を取りまとめる予定としております。

 伊方発電所におきましては、当面の間、使用済燃料の貯蔵能力に余裕はありますが、不測の事態に備えた中長期的なリスク管理の観点から、貯蔵能力の超過が見込まれる平成36年度頃までには乾式貯蔵施設の運用を開始できるよう、鋭意、詳細検討を進めてまいりたいと考えております。

【伊方発電所2号機】
 伊方2号機については、昭和57年3月の営業運転を開始して以降、35年余りが経過しております。
 伊方2号機については、昨年来、多面的に評価を進めてきておりますが、再稼働について、現時点で直ちに判断することは難しい状況にあります。

 伊方2号機の活用判断は、当社にとって極めて重要な経営課題であり、中長期の電力需給の見極め、安全対策の技術的課題あるいは投資採算性などについて、さらに精査を行い、今しばらく熟慮のうえ、慎重に判断してまいりたいと考えております。




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