新調理システム

新調理システム関連キーワード

ここでは、新調理システムに関連するキーワードについて解説します。

HACCPの定義(HACCP=危害分析および重要管理点)

正式名称は「Hazard Analysis and Critical Contorol Point(危害分析および重要管理点)」。食品の安全を保証する上での、すべての危害を洗い出して(HA=危害分析)、調理工程における重要管理点(CCP)を決めて監視測定・記録をし、管理基準に達しなかった場合の措置までを定めた衛生管理システムである。発祥は米国。1960年代に宇宙食の安全性を確保するための手段として開発された。97年12月からは同国の水産食品の加工・出荷基準として採用されており、EU、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドでも、水産、畜産食品加工の分析を中心に、HACCPに基づいた衛生管理システムの導入を国レベルで推奨、あるいは義務づけている。日本でも95年5月24日の食品衛生法改正で、HACCPの考え方を導入した「総合衛生管理製造過程」の承認制度が設けられた。

TT管理(温度と時間の管理)

TT管理とは、食品の安全性を含めた品質管理や調理のマニュアル化に必要な加熱調理の加減を、温度(temperature)と時間(time)に分けてデータ化し、管理する方法をいう。新調理システムは、このTT管理をベースにした運営を基準としている。
TT管理には二つの側面がある。一つは、食味に関わる調理技術に関する役割である。これまでの調理は、熟練した料理人が食材や料理の状態を見ながら、経験や勘で行ってきた。こうした無形の技術を、「庫内温度180℃のオーブンで15分間加熱」というような数値に置き換えてデータ化し、そのノウハウを共有しようというものである。これにより、熟練度の低い者でも、一定の範囲内で同じ品質の料理を提供することが可能になる。「芯温コントロール」による調理も、TT管理を基本としている。
もう一つは、食品の衛生管理上の手段としての役割である。食品の安全に危害を及ぼす細菌が繁殖する条件が三つある。
(1)栄養と水分 (2)温度 (3)時間 である。
これらの三条件のうち、一つでも取り除くと、細菌の増殖を抑制できるといわれている。そこで、加熱調理や冷却、保存など、調理から提供までの一連の工程で、細菌を繁殖させない(あるいは殺す)ような、温度と時間の管理をしようということである。

芯温コントロール

従来は、焼き色などの食材の状態を見ることで火通りを判断するケースが多かった。金串を加熱中の食材に刺し、それを唇に当てて伝わる熱で芯温を計るという確認方法も実践されてきた。これらは、長年の経験則から生まれた芯温の判断法だ。だが、いずれも、芯温をコントロールするのは人であり、個人の技術により料理の品質が左右される。また、どんなに優秀な調理人でも、従来の加熱法で一度に何百食もの加熱工程を一人で行うことは難しく、食味、安全性の両面で問題が出る場合がある。
このため、大量調理で加熱工程をシステム化する上で、食品・料理が食味、安全性の両面で望ましい状態に加熱されているかどうかを判断する基準として、芯温を精緻にチェックする必要性が生じる。近年の技術革新によって、1度単位で庫内温度を調節することが可能な厨房機器(※スチームコンベクションオーブンなど)と芯温計が開発され、これが可能になっている。芯温を加熱状態の指標とした調理の仕組みを、「芯温コントロール」という。

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