ライト&ライフ6月号
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上/建物の一部が登録有形文化財に指定されている「和田の屋 本店」。その佇まいからも歴史が感じられる下/「滝の焼餅」に使われているのは、厳選した徳島産の米と北海道十勝産の小豆眉び山ざんの麓で受け継がれる殿様ゆかりの焼餅和田の屋 本店「滝の焼餅」(徳島県徳島市) 標高290m、徳島市の中心に位置する眉山。その北麓にあたる大滝山の裾野には、神社仏閣が集まっており、しっとりとした寺町の風情を残している。寺町の奥にある和田の屋 本店の名物は「滝の焼餅」。直径5㎝ほどの薄い餅菓子で、中にはあっさりとしたこし餡が入っている。「滝の焼餅は今から約400年前、蜂はち須す賀か家いえ政まさ公が阿波藩主として徳島城を築いた際、祝い菓子として藩主に献上された歴史のあるお菓子です」と話すのは、三代目女将の和田英ひで美みさん。 和田の屋 本店は江戸時代に開業した店を戦後に製法も含めて初代が引き継ぎ、この屋号を掲げた。第二次世界大戦の空襲により、焼け野原となった徳島市街にあって、いち早く市民に懐かしい味わいを提供した名店として愛されている。 明治中頃まで、「大滝山」には三重の塔や料亭などもあり、たいそう賑わっていた。地元では「お滝へ行こう」「滝の山へ行こう」と、界隈での行楽を楽しむ人が多かった。「滝の焼餅」は、その「大滝山」で味わう名物。餅米とうるち米を石臼で挽いて練った生地に、特製のこし餡を包み込んでいる。注文を受けてから鉄板でこんがりと焼き上げ、菊紋の型をギュッと押し付ける。米は徳島産、小豆は北海道十勝産を使っている。生地はゴマ入り、抹茶入りもあり、それぞれの風味が、上品な餡とよく合っている。 生地や餡はもちろんだが、この店には隠れたこだわりがある。それは「水」。生地を練るのにも、小豆を炊くのにも、眉山湧水群のひとつ、錦竜水を使っているの仕込みに使うのは眉山の湧水・錦きん竜りょう水すい昔ながらの製法を守る徳島の名物「滝の焼餅」は3個460円、5個590円。徳島産の発酵茶・阿波晩茶と焼餅3個のセットは780円(すべて税込)3

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