ライト&ライフ6月号
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■和田の屋 本店徳島県徳島市眉山町大滝山5-3088-652-8414営業時間/10:00~17:00定休日/木曜日駐車場/有りhttps://wadanoya.com和田の屋本店阿波おどり会館JR牟岐線徳島駅徳島中央公園11192438徳島県庁至阿南徳島市役所新町川だ。眉山の麓には多くの湧水があり、水道が普及する前は、水売り商人が市内を売り歩いていた。なかでも錦竜水は歴代藩主が愛用した御用水で、江戸時代には水番所を置いて保護していたという。ミネラル分を豊富に含んでおり、今もこの水を汲みに来る人が後を絶えない。和田の屋 本店はその源泉の傍らにあり、湧水を直接引き込んで使用している。 和田の屋 本店で、面白い話を聞いた。昭和30年から40年代にかけて、「和田の屋でお見合いをするとまとまる」「焼餅を食べれば良縁に恵まれる」という噂うわさが広がり、お見合いの予約がたくさん入っていた。「落ち着いて話せる店の雰囲気が良かったのでしょうか」と推測する。確かに和田の屋 本店は市街地にありながらも、敷地内には滝が流れ落ち、ポルトガルの文人外交官モラエスが愛した黄き花ばな亜あ麻ま、桜、新緑など季節の風情を愛でることができる。モラエスは在神戸総領事としての職を辞した後、大正2年から徳島市に住み、『徳島日記』などの著作を残した。黄花亜麻はモラエスが眉山に植えたとされており、今も「モラエスの花」として親しまれている。そんな季節の花々が咲くハレの場であり、蜂須賀公への献上菓子であったという歴史も縁起が良い。この店で縁を結んだ夫婦が、子や孫とともに足を運んで、懐かしい思い出話にふけることもある。初詣や七五三で近隣の神社を訪れた際に、ここで一服する事を楽しみにしている人も多い。近年では、さだまさし氏の小説『眉山』に登場したことから、県外の観光客も増えている。 自然素材だけを使って作られる「滝の焼餅」は、素朴な味わいが何よりの魅力。「この餅は店で味わい、持ち帰って家族で味わう。そんな風に受け継がれて来たお菓子なんです」と英美さん。お見合いの風習こそ少なくなってきたが、徳島の人たちにとって、「滝の焼餅」はこれからも思い出の味として受け継がれていく。徳島市の中心部にあって風情を感じさせる場所1木々に囲まれ、水音が響く庭を望む座敷。かつて、この部屋ではお見合いが盛んに行われていた2餅に押し付ける菊紋の型。「なぜ菊紋の型なのか、その理由は分かりませんが、いかにもお殿様のお菓子らしいですね」と英美さん 3お客さまをおもてなしする女将の英美さん45仕込みに使用されている錦竜水は、和田の屋 本店から徒歩1、2分の水汲み場で自由に汲むことができる。カルシウムやマグネシウムを豊富に含んだ名水だ123452020.064

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