ライト&ライフ12月号
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 砂糖は、サトウキビや甜てん菜さいの搾り汁を煮詰めて作る。それを結晶化したのが白砂糖やグラニュー糖に代表される精製糖で、固形化したのが黒糖(黒砂糖)などの含蜜糖だ。中でも独特の風味がある黒糖は、沖縄県や鹿児島県奄美地方など温暖な地域の特産品として知られている。意外と知られていないのが、四国でもサトウキビが栽培され、黒糖作りが根付いていたこと。高知県幡は多た地域や愛媛県宇う摩ま地域(現在の四国中央市と新居浜市の一部)は、藩政時代から1955年(昭和30)頃まで、質の良い黒糖の生産地であったという。 安価で糖度の高い白砂糖の普及により、両地域ともに、一時期、黒糖作りを行う人がいなくなっていた。だが、近年、有志たちが「地域の文化を復活させ、後世に伝えていきたい」と再び黒糖作りに取り組み始めている。生産者たちの熱い思いにふれ、その奮闘に迫っていく。01/サトウキビの収穫前に枯れた下の葉を刈る作業。刈った葉は土の上に置いておくと、土壌の保温になる02/地元の松材の薪をくべながら、釡を煮立たせる。状況を見極めながら火力の調整を行う★03/棒でかき混ぜながら水分をとばし、徐々に糖度を高めていく製糖作業★04/上げ釡から仕上げの木桶に汲み出す工程。これを手作業でしっかりと混ぜこみ黒糖へと仕上げる★(すべて入野砂糖研究会)★写真提供:二木亜矢子「入野砂糖」「どい黒糖」010302042021.122

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