ライト&ライフ1・2月号
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45612384 れんこんの成長には、台風が大きな脅威となる。強風で茎が倒れてしまうと光合成ができなくなり、成長が止まってしまうためだ。近年、れんこんの成長期である7月頃に台風が来ることが増えている。「一番大事な時期に茎が折れたり、倒れたりして気落ちしたことが何度もあります」と真理さん。幸いなことに、昨年はこの時期に強風の被害を受けなかった。しっかりと育ったれんこんを消費者に届けることができ、一安心している。 苦労の尽きないれんこん栽培だが、これまでやめようと思ったことは一度もないと言う仲須夫妻。「先代がゼロから始めたれんこん栽培。私たちの代で終わらせるわけにはいかないという一心でした」と言い切る。 その視線の先には、仲須農園の大黒柱となった之法さんの姿がある。親から子、そのまた子へ。れんこん農家のバトンはしっかりと引き継がれている。先代の思いを受け継いで次代へとバトンを渡す1_熊手を使い、粘土質の土壌から傷つけないようにれんこんを掘り出す之法さん。足をしっかりと踏ん張りながらの作業は体への負担も少なくない2_「日本の農業を学びたい」という外国人技能実習生たちも、仲須さんの指導を受けて収穫作業に取り組む3_仲須農園では、れんこんを掘らない部分を残した「筋掘り」を行う。中央の土を盛り上げた部分には土中にれんこんが残されており、収穫期をずらすことで出荷時期をずらすことができ、端境期もなくすことができる4_早朝から中央の大きな水槽につけて大まかに泥を落とし、その後は流れ作業で箱詰めまでがスピーディーに行われる。10時くらいに出荷を終えたら畑へと繰り出す5_掘り上げたばかりのれんこんを水洗いし、丁寧に土を落とす。畑仕事だけではなく、こうした出荷までの作業も家族で力を合わせてこなしていく6_洗ったれんこんは重さを量って箱に詰めていく。仲須農園のれんこんは、ほとんどが関西圏に運ばれていき、高級れんこんとして人気7_夏場、太陽の光を目一杯浴びている蓮の葉。光合成により食用となる地下茎部分に栄養が蓄えられる8_規定の長さに満たなかったものは、オリジナルパッケージに入れて地元の産直市場で販売している葉が枯れ、収穫期を迎えたれんこん畑をバックに微笑む仲須夫妻。之法さんへとバトンを渡したが、70歳を超えた今も元気に作業を続けている2023.01-02鳴門れんこん物語

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