ライト&ライフ5月号
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 5所に建てたい」とこだわった。鳴門海峡に面した鳴門山の山頂一帯に整備された鳴門公園は、関西からの四国への入り口。かつては渦潮を見たら宿泊は他県でという観光客も少なくなかった。「美術館でゆったりと過ごし、徳島県内で食事や宿泊をしてこの地の魅力を「『バチカン市国と同じ』という嬉深く知ってほしい」という願いが、この場所を選んだ理由だ。 当日の再入館ができるので、鑑賞を中断して渦潮を見に行ったり、外でランチを食べたりしてもいい。時間を有効に活用した旅のプランを立てることができる。 入り口は山の麓にある。ここから長さ41mのエスカレーターに乗って、山中にある地下3階へと向かう。そこで出現するのが、施設の代名詞ともいえる「システィーナ・ホール」。現地と同じスケールで再現しており、ミケランジェロが描いた「システィーナ礼拝堂」の天井画と壁画は圧巻だ。しい言葉をいただきますが、実は現地にはない視点があるんです」と山側さんが案内してくれたのは地下2階。そこにはバルコニーがあり、旧約聖書を題材にした天井画が間近に観られる。 この礼拝堂や隣にある「スクロヴェーニ礼拝堂」、「聖マルタン聖堂」など、遺跡や礼拝堂の壁画を空間ごとそのまま再現した「環境展示」は全部で10点以上。システィーナ・ホールは過去に歌舞伎公演や将棋対局の舞台となり話題をよんだ。2018年(平成30)のNHK紅白歌合戦では、徳島県出身のアーティスト米津玄師さんがシスティーナ・ホールで歌唱し、大きな話題となった。 「大国際美術館」はリピート訪問が多いといわれているが、それを後押ししているのが定期的なブラッシュアップ。開館5周年には修復後の『最後の晩餐』の公開、美術館の目玉となった空間ごと再現した環境展示リピート集客につながる定期的なリニューアル1413_地上1階には広大な庭園が整備されている。瀬戸内海や大鳴門橋を一望できるスペースでひと休みもいい14_カフェ&レストラン「Café de Giverny(ジヴェルニー)」では、芸術にちなんだメニューも用意。その時々で内容が変わるので何があるかはお楽しみに16131515_「システィーナ礼拝堂」の壮大な天井画は、ミケランジェロがわずか4年半で描きあげたフレスコ画。漆喰が乾くまでのわずかな時間で描くことで生まれる線の勢いも、見事に再現されている★16_「スクロヴェーニ礼拝堂」はイタリアにある礼拝堂。キリストと聖母マリアの生涯を描いたフレスコ画を観ることができる。なかでも写真正面の『最後の審判』、対面に描かれた『受胎告知』は圧巻★

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