シャッター街となった「関連商品売場棟」古参も新規店舗も希望を抱いた新たな船出約半世紀ぶりに活気がよみがえった商店街 高松市中央卸売市場は、1967年(昭和42)に全国で25番目の中央卸売市場として業務を開始。水産物棟、青果棟、加工水産物棟、花き棟があり、競り落とされた品は小売店などへ運ばれていく。そして、1979年(昭和54)、市場関係者が利用するための施設として、現在の「関連商品売場棟」が新設された。 「当初は約30軒が営業しており、市場関係者で賑わっていたようです」と話すのは、高松市中央卸売市場運営協議会事務局の角野真弓さん。ところが、時の流れとともに、後継者を確保できなかった店は閉店を余儀なくされ、空き店舗が増えた。2019年(令和元)には営業している店は約10軒、関連商品売場棟はシャッター街となってしまった。店舗の減少だけではなく、建物の老朽化も客を遠ざける要因となっていた。「何とかしなければいけない」と危機感を募らせた市場関係者たち。まずは市場職員が空き店舗の清掃や改修に自分たちで取り組んだ。予算が限られているというのも理由だが、「このエリアに元気を呼び込みたい」という気持かった。清掃・改修と並行して行ったのは、新規店舗の誘致活動。店舗を呼び込むために大切なのは、お客さまに愛される場とすること。そこで地元の高校生の協力を得て「うみまち商店街(以下:うみまち)」という愛称を付けることに。市場は海の目の前にあり、関連商品売場棟の周辺には心地よい潮風が吹き抜けている。そのイメージをこのネーミングに込めた。未み希き子こさん。両親が開いた店を引 「職員さんが汗を流す姿を目にし、素敵な愛称が付いたことで、私たちも期待をふくらませました」と話すのは、関連商品売場棟き継いだ原本さんは、どんどん活気を失っていく一帯に胸を痛めていたが、新しい風が吹き始めたことを肌で感じた。老朽化した建物は、アートのまち・高松らしく、オブジェや絵画などで飾り付けた。ひときわ目をひく壁面アートを手がけたのは、高松工芸高等学校の生徒たち。客にカラフルな壁面をバックに写真撮影をしてもらうのが目的だ。2021年(令和3)、地元の情報番組で「うみまち」が取り上げられ、高松市民の目が向けられた。コロナ禍で遠くに行けない状況が続くなか、海沿いにあるこのエリアで旅行気分を味わいたいという客も増えてきた。建築から45年を経た建物は古びているが、その雰囲気すらも「昭和レトロ」として人気となっている。08_拡張工事を終えた1981年(昭和56)の高松市中央卸売市場09_「うみまち商店街」を縁の下で支えている高松市中央卸売市場運営協議会事務局の角野さん10_1970年(昭和45)頃の関連商品売場棟にはアーケードがなかった(写真提供/矢野耕資(こうじ)さん)100809 ら3分ちたがちあがっ汗たをか流らすここそ、と職を員厭いとはわな自堂の「開お設け当い初ちかゃらん営業」をのし店て主・い原はる本も食と
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