ライト&ライフ7月号
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新しい店舗を迎え入れ相互作用でファンを増やすイベント再開でさらなる賑わいを店主同士の絆が生み出すあたたかな雰囲気も魅力  5 「うみまちの魅力はね、何と言っても店主たちの結束力」と原本さん(おけいちゃん)。新鮮な瀬戸内海の魚介類を看板メニューとするこの店の味噌汁には、練り物屋「矢野商店」の魚のすり身が付き物。また矢野商店の店主・矢野耕資さんは、長年「理容イケウチ」で散髪をしている。この3店舗は共に長年踏んばってきた老舗。苦戦した時期を知っているだけに、連帯感は強い。 しかも苦労を乗り越えたからこそ、「新しく仲間入りした店にも頑張ってもらいたいと思っています」と話す原本さんは、営業を終えたら、「KキIWワAJジI市場本店」でかき氷やクレープを味わうのが何よりの楽しみ。原本さんに教えられて食後に練り物を買ったり、スイーツを食べに行ったり、他店に足を延ばす観光客も多いそうだ。 「店が続けられているのは、原本さんのおかげです」と心から感謝を口にするのは大石さん(健ちゃん食堂)。実は開業当初、なかなか固定客をつかむことができなかった大石さんに、「マグロのメニューはどう?」とアドバイスしてくれたのが原本さん。仕入先も紹介してもらい、まぐろ丼(日曜日・祝日のみ提供)が誕生した。それが話題となり、来店客の要望に合わせてメニューを次々と開発。「えびとろとろ玉子飯」などボリューム満点かつおいしいオリジナルメニューで、ファンを増やしている。 「うみまち」はイベントによる集客にも力を入れ始めた。昨年11月から今年1月にかけて3回にわたり開催された「うみまち水産朝市」は、水産物棟で競りを見学した後、「うみまち」に立ち寄った人を限定メニューでもてなした。「こうしたイベントもこれから本格化していくはずです。多くの人の知恵を結集して、うみまちの魅力を発信し続けたい」と角野さん。建物の整備もイベントも、関わる人の熱意があれば、お金をかけずとも成功に導くことができる。それを確かに証明しているのが、潮風が心地よく吹き抜ける「うみまち商店街」なのだ。16_「お客さまのほとんどが長年ご贔屓にしてくれている方」と話すのは「理容イケウチ」の池内髙広さん17_老舗の味を守りながらも、新しい名物づくりに挑戦している「矢野商店」の矢野さん18_心のこもったサービスでお客さまのハートを掴む「健ちゃん食堂」の大石さん19_仕事を終えた市場関係者や商店街の店主らの憩いの場にもなっている「おけいちゃん」20_「健ちゃん食堂」のまぐろ丼。「ごはんの量はお客さまのご要望で調整できます」と大石さん1916171820

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