ライト&ライフ1月号
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※2/現在はサントリーグローバルイノベーションセンター株式会社主任研究員 柚香を含めた上勝町の香酸柑橘加工品を海外へ輸出しているのは、栽培から加工までを一貫して行っている「株式会社阪東食品」の阪東高英さん。標高300〜400mの南向きの斜面に分布している農地は、2003年(平成認証を取得した。 阪東さんは大学卒業後、OA機器メーカーの営業職や輸入車の販売職に就いていたが、農園を営む両親から「有機JAS認証の取得を手伝ってほしい」と頼まれた。それをきっかけに2007年(平成19)、阪東食品に入社した。 「どうせやるなら面白いことに挑戦したい」と、海外に売り出すことを思い付く。「売り上げを求めるための海外取引ではなく、話題性を生み出すことで、ブランディングにつながるのではないかと思ったんです」と阪東さん。2010年(平成22)、中国で開催された展示商談会への出展を機に、2012年(平成24)より輸出を開始した。その後も継続的に海外の展示商談会に参加し、ハラール認証の取得によって取引先を拡充。●徳島大学大学院医歯薬学研究部代謝栄養学分野研究チーム柚香の秘められた機能性に師(当時・※2)の研究チーム。研究の発端は、堤さんが幼い頃、祖母が手料理で使っていた柚香の食文化を残したいという思いだ。また柚香には「秋に収穫し、春まで腐らない」「木の根元に置くと害虫避けになる」などの民間伝承もあり、何かしらのパワーが秘められているのではないかと考えた。そこで成分を研究したところ、他の香酸柑橘より糖度が高く、たくさんのアミノ酸を含んでいることや、通常果皮に多く含まれているフラボノイド類が、果汁にも多く含まれていることが分かった。さらにマウスを使った動物実験では抗肥満作用を有する成分が出現し、「腸内細菌叢その是正化、口臭成分や歯周病菌の減少などが示されました」と阪上教授。この成果をもって、2018年(平成30)、徳島大学は柚香がもつ抗菌性、整腸または静菌作用について特許を出願した。同時に徳島県は国際特許も出願。機能性食品として、柚香は一躍スポットライトを浴び始めた。研究は現在も継続しており、抗腫瘍効果なども期待されている。1110_左側の果実のように種が全くないか、右側のように種が少ないのが無核の柚香(山部さん提供)11_「ブランディング目的の海外進出でしたが、結果的に売り上げにも結び付きました」と阪東さん121012_阪上教授(中央)と学生たち。「地域色があり、多くの人の健康に寄与する研究を進めたい」と話す海海外外販販路路をを開開拓拓ブブラランンデディィンンググをを視視野野にに柚柚香香がが秘秘めめたたパパワワーーをを明明ららかかににししてて国国際際特特許許出出願願15)に徳島県で初めて有機JAS院着の目阪さしかたえ上うの浩は教、授徳と島堤大理学恵大講学  う5

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