6月1日は真珠の日。「月のしずく」「人魚の涙」などの美しい呼び名を持つ真珠は、西洋では「神の創造物」と言い伝えられてきた。その真珠の一大生産地として知られているのが、愛媛県宇和島市などの宇和海沿岸。この地の真珠養殖は1907年(明治40)頃から始まり、第2次世界大戦後に急成長を遂げた。特徴は全国でも珍しく同じ海域で母ぼい貝と真珠を育てる体制を整えたこと。一方、真珠と同様に海からの贈り物である珊瑚は、深海で長い時間をかけて育つ貴重な品。高知県は日本の珊瑚漁の発祥の地であり、加工技術も世界最高レベルを誇っている。加えて、県内の関係者は、珊瑚の保護・育成にも取り組んでおり、まさに珊瑚文化の発信地だ。ともに四国と縁の深い真珠と珊瑚の魅力を探り、付加価値の高い製品作りに取り組む人たちを追いかけた。珊瑚海底の岩から樹木が枝葉を伸ばすように成長する様子から、その形状を残したものを枝珊瑚と呼ぶ。独特の赤みを帯びた血赤珊瑚(ちあかさんご)は、高知県沖など限られた場所でしか見られない2024.06-07coral が 2
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