鉄道ファンが集った路面電車の応援団その後、オーストリアのグラーツ、ノルウェーのオスロを走っていた車両も仲間入り。運行開始時に走行していた7型車両を復元した「維新号」を含めた計4台のレトロな電車は、貸切やイベント運行で人気を博している。 また「おきゃく電車」は、酒宴が文化として根付いている高知らしい企画電車だ。車内が宴会場となり、特製のお弁当に舌鼓を打ちつつ車窓の景色を楽しむという趣向が人気だ。基本的には貸切で運行しているが、毎年3月に開催されるイベント「土佐のおきゃく」の際には、乗り合い電車も登場。このほか、車両をLEDで飾り付けたイルミネーション電車、子どもたちが願い事を書いた短冊を吊るした七夕電車、走るアートを思わせるラッピング電車など、折に触れて工夫を凝らした電車が町を走り、乗る者も見る者も楽しませてくれている。 120周年を迎えた今夏、新たな試みとして、外国電車や維新号に乗り、工場や車庫の内部を見学する「貸切電車で行くとさでん交通工場・車庫見学ツアー」を開催した。「今後、年2回程度の開催を予定しています。とさでんの新たな名物となればうれしい」と期待する高橋さんだ。1992年(平成4)に発足し 4さんは、「鉄道好き、電車好きにた「高知の電車とまちを愛する会(以下:愛する会)」は、全国的にも知られたとさでんの応援団で、小学生から90代まで約60人が所属している。発足のきっかけとなったのは、とさでんの外国電車保存活動が、鉄道愛好者の任意団体「鉄道友の会」から賞を授与されたこと。5代目会長を務める浜田光男とっては名誉のある大きな賞。これを機に、高知県にも路面電車の愛好会を作ってはどうかという話が出たのです」と話す。そこで鉄道友の会の会員を中心に有志が集まり、県内外の方に高知県の路面電車をPRし、利用促進につながるような活動をしようと、愛する会を立ち上げたのだ。 講演会や研究会、写真展の開催、路面電車のある他地域との交流、路面電車に関する情報収集や広報など、愛する会の活動は多岐にわたっている。2012年(平成24)か08092024.10-110710111207_伊野線県庁前駅付近では、車窓から高知城が見られる。下08_かつて和紙を運んでいたという歴史にちなんで、今年5月に愛する会が走らせた電車。仁淀川で泳がせた和紙の鯉のぼりをつけている(撮影:浜田光男さん)09_通票式のタブレット交換(※)の様子(撮影:浜田光男さん) ※単線区間への複数車両の侵入を防ぐため、タブレットと呼 ばれる楕円状の道具を運転士同士が交換する。全国でも 珍しいシステムだったが、昨年4月に廃止10_電車企画課の高橋美穂さん(左)11_車両基地である桟橋車庫。メンテ12_左より「高知の電車とまちを愛する会」の浜田会長、とさでんOBで電車の“生き字引”山本淳一さん、事務局長の田村倫子さん、路線や電車の型式に詳しい野口政利さん。多様な会員の電車愛が会を支えている13_とさでん本社敷地内の厚生棟で 13車すれば電車と城の撮影も可能だと電車輸送課の立田勝利さんナンスもここで行われるはオリジナルグッズを販売(写真はコースター)
元のページ ../index.html#5