さまざまな分野で多様性が求められている現代社会、食べ物においてもその傾向は顕著で、ベジタリアンやヴィーガン対応の飲食店も増えてきた。これらは宗教上の理由などから動物性食品が食べられない人のための料理を提供する店で、海外からの留学生やビジネスパーソンに重宝されている。またアレルギーや減カロリーのために、できるだけ動物性食品を口にしないようにしている人にも利用されているようだ。 こうした動物性食品不使用の料理においては、大豆など豆類を原料とした代だい替肉を取り入れることが多い。肉のような食感やボリューム感を楽しめる食材として、世界各国で開発が進んでいる。そんな中、代替肉の素材として、徳島県の山奥で栽培される「たかきび」に目を付けた食品会社がある。たかきびはどのような穀物なのか。そしてどのように加工したのか。可能性に満ちた食材・たかきびを巡る人々の姿を追いかけた。いた0301_あんに代替肉として「たかきび」を使った焼餃子。徳島市に本社を置く株式会社ふじやが開発した02_磯貝さんらつるぎ町の生産者による「つるぎ雑穀生産販売組合」は、統一のラベルで商品を販売。「道の駅 貞光ゆうゆう館」などで販売している03_刈り取ったたかきびは、穂を下にして吊り下げ、時間をかけて乾燥させる。傾斜地で農耕に従事している磯貝家では雨が当たらないよう、 深く出した軒の下がその場所になっている04_脱穀したたかきびは、丁寧にゴミなどを選り分けてから出荷している05_除草に勤しむ磯貝ハマ子さん。傾斜地での作業は足腰への負担が大きいが、「もう慣れましたよ」と話す2025.10-1105042
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