ライト&ライフ10・11月号
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独自技術で叶えた超薄皮餃子がヒット健康に寄与できるスーパーフード餃子いはらしひうざ 徳島市に本社を置き、外食チェーンを展開する株式会社ふじやは、セントラルキッチンで食品を加工し、自社店舗やスーパーマーケット。10に卸していたチャレンジとして、他にはない餃子の開発に着手。試行錯誤を重ねていた。そこで参考にしたのが、一般の人の味覚だ。「徳島びっくり日曜市に出店し、来場者の声に耳を傾けたんです。一番多かったのが、『餃子は熱々ならおいしいが、冷めると皮が固くなって食べにくい』という声。特に皮がモサモサとして食べにくくなるという意見が多かったんです。そこで冷えてもおいしい薄皮餃子にしようというコンセプトが生まれました」と話すのは、食品事業部次長の粟あ飯原佳よろ浩さん。通常の薄皮餃子の皮の厚さが0・8㎜程度なのに対して、同社は独自技術で0・52㎜に抑えた。 超薄皮餃子に手応えを感じた同社は無人店舗による冷凍餃子販売を四国で初めて開始。超薄皮餃子は、ヒット商品となった。ライバルも続々とこの業態に参入し、やがて無人餃子販売はダウントレンドとなっていく。そこで2023年(令和5)年前から新たな頃より、他社にはない餃子の「あん」の開発に着手することを決めた。 新商品開発の鍵となったのは、徳島県が糖尿病の都道府県ランキングでワースト2位(※)であるという不名誉な記録。「私たち開発チームは、体に良くておいしいという方向性で食材探しに取り組みました」と香こい西正樹工場長。当時話題となっていた昆虫食、椎茸、コンニャクなど、さまざまな食材で試作を繰り返し、行き着いたのはヴィーガン餃子。当初は大豆ミートを使用したが、どんなに味付けを工夫しても独特の大豆臭やもっさりとした食感が気になる。 そんなとき、原点に返ろうと目を向けたのが徳島県産の食材。そこで出合ったのは、にし阿波地方で栽培されている「たかきび」だ。当時、ポリフェノールによる抗酸化作用や豊富なビタミンB群を含んだスーパーフードとして注目を集めていた「たかきび」を取り寄せ、あんを試作した。開発チームが驚いたのは、加熱した時の食感。もちもちとした歯応えはひき肉そのもので、赤い色もひき肉の1516171414_左より、株式会社ふじや 食品事業部次長の粟飯原佳浩さん、主任の櫻井圭子さん、工場長の香西正樹さん15_餃子に入れるあんづくり。「何もつけなくてもおいしい」という評価もある自慢のあんだ16_一般の餃子と比較し、皮は3割程度薄い17_独自の包あん技術で、手包みのように仕上げているのが特徴5

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