
- 山下 力也
- 四国電力
- 原子力部門
- 2016年入社
- 電気技術科 卒
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- 発電コース
- #若手(4年目以上)
- #愛媛出身
- #高校卒
- #技術系
学生時代の経験がいまに活きていること
学生時代に危険物取扱者の資格取得に力を入れた経験は、現在の業務に活きていると感じています。
原子力発電所では、燃料や薬品類、油類など、危険物に該当する物質を扱う場面があります。
学生時代に法令や性状を学んだことで、現場で設備や物質を前にしたときに「どこにリスクがあるか」「何に注意すべきか」を具体的にイメージできるようになりました。
また、電気系統の設備概要や、力率の公式などを学んだ経験も、原子力部門での基礎知識として役立っています。
中央制御室では、電圧・電流・無効電力などの値を見ながら系統の状態を判断する場面も多く、学生時代に学んだ電気の基礎理論が、数値の意味を理解するうえでの土台になっています。
学生時代の学びが、今の仕事の「言語」と「感覚」を支えていると実感しています。
よんでんに入社を決めた理由は?
私がよんでんへの入社を決めた理由は、地域の生活を支えるインフラ企業としての安定性と、地元への貢献ができることに魅力を感じたからです。
高校時代、授業で「原子力はベース電源として、24時間安定して電力を供給する役割を担っている」と習い、その重要性を実際に働くことで大いに実感しました。
一方で、福島第一原子力発電所の事故が起きた当時、私は中学生で、原子力に対して恐れも抱いていました。
しかし、その出来事をきっかけに「二度と同じことを起こさないために、自分に何ができるか」を考えるようになり、安全最優先の姿勢で原子力と向き合う道を選びました。
よんでんは、安全対策や地域との対話に力を入れていると感じたことも決め手となり、自分もその一員として、安心・安全な電力供給に貢献したいと思い入社を決めました。
入社して感じた『意外な一面』や『ギャップ』は?
入社してみてまず意外だったのは、職場の雰囲気の柔らかさです。
原子力発電所というと、お堅い人が多く、ピリピリした環境をイメージしていましたが、実際は部署や職種を問わずフレンドリーな方が多く、質問や相談もしやすい雰囲気で、とても働きやすいと感じています。
一方で、安全に対する意識の高さと、そのレベルには驚かされました。
もともと安全の重要性は理解していましたが、現場では「ここまでやるのか」と思うほど手順や確認が徹底されており、その一つ一つが事故を防いでいることを実感しています。
生活面では、当直勤務というと生活リズムが乱れる印象を持っていましたが、実際は休みも多く、シフトがきちんと決まっているため、趣味や家族との時間も取りやすく、安定した生活が送れているのも良いギャップでした。
現在の仕事内容は?
現在、私は伊方発電所3号機で、2交代制による当直業務に従事しています。
主な仕事は中央制御室での運転監視業務で、原子炉やタービン、発電機といった主要設備の状態を、計器やモニタを通じて常時確認しています。
温度や圧力、流量、電気出力など、多くのデータを総合的に判断し、少しでも異常の兆候があれば、所内の関連部署と連携しながら、手順に沿って対応します。
また、万が一のトラブルや自然災害に備え、事故を想定した対応訓練も定期的に実施しています。
シミュレータを使った訓練では、さまざまな異常事象への操作手順や、所内外との連絡体制を繰り返し確認し、緊張感のある環境で判断力と対応力を磨いています。
こうした日々の運転監視と訓練を通じて、安全で安定した発電所運転に貢献しています。

仕事をする中で『一番高い壁』は何でしたか?
それをどう乗り越えましたか?
私にとって一番高い壁だったのは、初級運転員から中級運転員になる際の試験です。
原子力発電所では運転員の能力に応じた技能認定制度を設けており、初級、中級、上級の3段階で管理しています。
私は新入社員として入社後、まず初級運転員として経験を積み、その後、中級運転員へのステップアップに挑戦しましたが、この試験が想像以上に厳しいものでした。
試験は口答と実技があり、口答試験では原子力に関する高度で専門的な知識が問われ、法令や設備構成、事故時の挙動など、幅広い内容を深く理解している必要がありました。
さらに、実技試験では、事故やトラブルを想定したシミュレータ上での対応操作が行われ、一つ一つの判断や操作に対して厳しく評価されます。
この壁を乗り越えるために、勤務後や休日も資料や過去事例を繰り返し復習し、先輩からアドバイスを受けながら訓練を重ねました。
安心・安全な電力供給の一端を担う責任を自覚し、その思いを原動力に粘り強く取り組んだことで、何とか合格し、今の自分につながっています。
よんでんで働いていて一番やりがいを感じる瞬間は?
よんでんで働いていて一番やりがいを感じるのは、当直チームとして成長していると実感できる瞬間です。
入社して10年目となった今、私は12名体制のチームの一員として勤務しており、「自分がチーム全体の力量UPのために何ができるか」を常に考えながら仕事に向き合っています。
自分の担当業務をこなすだけでなく、訓練の進め方や情報共有の工夫など、チームとしてレベルアップするための取り組みに挑戦できることに、大きなやりがいを感じます。
また、後輩を教える立場になったことで、そのやりがいはさらに強くなりました。
操作手順や設備の考え方を一つずつ伝え、後輩が自信を持って対応できるようになっていく姿を見ると、自分の経験が確かに次の世代につながっていると感じます。
チームで力を高めながら、安全・安定運転を支えていることが、私の誇りです。
今後の目標は?
今後は英語力を高めることに挑戦したいと考えています。
理由としては、原子力発電所は世界的な事業であり、国境を越えて安全性向上や技術交流が行われているからです。
実際に発電所には、WANO(世界原子力発電事業者協会)の方々が来所し、運営状況の監査や意見交換を行っています。
現在は通訳や資料に頼る場面も多いのですが、将来は自分自身が英語でやり取りを行い、当直での経験や日頃の取り組みを直接説明できるようになりたいと考えています。
そのために、英語学習を継続しつつ、世界の動向にも目を向けながら、海外からも学べる運転員へと成長していきたいです。
この仕事が社会や地域にどう役立っていると感じる?
原子力部門で言えば、社会や地域の暮らしを「電気の土台」として支えていると感じます。
原子力発電はベース電源として、昼夜を問わず安定して電気を供給する役割を担っています。
もしこの電源がなければ、その分を火力発電で補う必要があり、燃料費やCO₂排出量の増加につながります。
現在、国ではGX(グリーン・トランスフォーメーション)が法律として位置づけられ、脱炭素と安定供給の両立が重要な課題になっています。
その中で、原子力を含む多様な電源を活用し、エネルギーを安定的かつ環境に配慮して供給することは、国全体の方針にも合致した取り組みです。
地域の皆さまの安心できる暮らしと、日本のエネルギー政策の一端を支えていることに、大きな責任とやりがいを感じています。
職場の雰囲気やチームの良さは?
私が在籍している運転当直では、50代後半から18歳まで幅広い世代のメンバーが一緒に働いており、多様な経験や考え方を活かせる職場です。
ベテランは豊富な知識と経験で若手を支え、若手は新しい視点や行動力でチームに刺激を与えてくれます。
また、ミスや課題があった際にも「個人」ではなく、「なぜ起きたのか」「次にどう防ぐか」を「チーム全体」で考える文化が強く根づいています。
互いに支え合いながら、安全な運転を目指せる雰囲気の良い職場です。
入社当時苦労したことは?
入社当時に一番苦労したのは、高校ではほとんど触れてこなかった「原子力」という専門分野の知識を、一から身につけなければならなかったことです。
原子炉の仕組みや放射線の基礎、各種法令など、聞き慣れない用語も多く、最初はテキストを開くたびに新しい言葉に出会う感覚でした。
さらに、運転当直では原子力だけでなく、機械系・電気系・計装系など、発電所全体を理解するための幅広い知識が求められます。
配管やポンプの構造、電気系統の考え方など、分野をまたいで学ぶ必要があり、最初は追いつくのに必死でした。
しかし、先輩に教わりながらコツコツ復習を重ねることで、少しずつ知識がつながり、現場で活かせるようになってきました。
技術職として“成長できた”と感じた瞬間は?
技術職として成長できたと感じるのは、机上で学んだ知識を、実際の訓練の場で活かせたときです。
例えば、事故やトラブルを想定したシミュレータ訓練では、原子炉やタービンの挙動を理解していないと、計器の変化の意味や次に起こり得る事象をイメージできません。
以前は指示された操作をこなすだけで精一杯でしたが、勉強を重ねるうちに、「この値が動いたら次はここに影響が出る」「この段階で先にこの操作をしておこう」と、自分で先を読んで判断できる場面が増えてきました。
教科書で学んだ内容が、訓練を通じて一つのストーリーとしてつながったとき、自分の技術者としての土台が少しずつ固まってきていると実感します。
学生時代に学んだことや経験が
活かされていると感じた瞬間は?
学生時代に学んだことが活きていると強く感じるのは、電気の基礎知識を現場で使えた瞬間です。
授業で学んだ交流・直流のイメージや回路の考え方は、実際の発電所でも頻繁に登場します。
例えば、系統や機器ごとに交流・直流がどのように使い分けられているかを理解するうえで、学生時代の知識が大きな助けになりました。
また、実習などで触れたテスターの使い方や、絶縁抵抗測定の原理・手順もそのまま現場に応用できます。
なぜこの値になるのか、どこに異常の可能性があるのかを考えながら測定できるのは、基礎を学んでいたおかげです。
学生時代に身につけた電気の土台が、今の仕事の理解とトラブル対応の判断力につながっていると感じています。
私の四国のお気に入り

休日の過ごし方は?
