2019年05月22日
四国電力株式会社

2019年05月 社長定例記者会見の概要

 

 令和元年5月22日、佐伯社長が「太陽光発電電力の有効活用に向けた電気給湯器の遠隔制御実証試験の実施」ならびに「西条発電所1号機リプレース工事の着工」について説明しました。

【電気給湯器の遠隔制御実証試験】
(詳しくは「太陽光発電電力の有効活用に向けた電気給湯器の遠隔制御実証試験の実施について」をご覧ください。)

 このたび、当社ならびに当社グループの株式会社四国総合研究所は、ご家庭に設置された電気給湯器の湯沸かし運転に、エリア内の太陽光で発電された電力を用いる遠隔制御実証試験を実施することといたしました。

 具体的には、気象予報に基づき翌日の四国域内の太陽光発電量を予測し、四国総合研究所が開発したデマンドレスポンス技術を採用して、通常、夜間に行う電気温水器やエコキュートの沸き上げ運転の一部を、翌日の昼間にシフトすることにより、太陽光発電電力の有効活用を図るとともに、電力の需給運用安定化につなげる試験を実施するものです。

 今回の実証試験は、香川県の高松市内および中西讃地区において試験対象機種の電気温水器やエコキュートを設置されている個人のお客さま40軒を対象に、本年秋より約1年をかけて実施いたします。
 期間を通じて60回程度の遠隔制御によるデータの収集を行い、技術面での検証とともに、お客さまの快適性を損ねていないかといった視点からも多面的に分析を行うこととしております。

 この遠隔制御技術は、四国総合研究所から発信した制御信号を、簡便かつ低コストで給湯器に設置した受信装置へ届けて湯沸かし時間をシフトするものであり、四国総合研究所が独自に開発し、現在、当社と共同で特許出願を行っております。
 本制御技術の開発は、当社グループで電気温水器の製造を手掛ける四変テックの協力も得ながら推進してきたものであり、まさにグループを挙げた取り組みの成果であります。

 太陽光をはじめ再エネ電源の導入量が増加を続ける中、四国エリアにおいては、この大型連休期間中は実施に至らなかったものの、今後、電力需要が低下する秋や春を中心に出力制御の可能性が高まるものと考えられます。
 今回の試みは、太陽光発電量が増加する昼間の電力需要を創出し、再エネ出力制御の回避にも寄与し得るものであり、貴重な再エネ電源を有効活用する観点から、大変意義深いものと期待を寄せているところです。

 当社ならびに四国総合研究所は、今回の実証試験を通じて得られる知見や、ご協力いただくお客さまからのご意見を活かしながら実用化の可能性検討を行うなど、引き続き、効果的かつ有効なエネルギー活用に向けた取り組みを進めてまいります。


【西条発電所1号機リプレース工事の着工】
(詳しくは「西条発電所1号機リプレース工事の着工について」をご覧ください。)

 現在、当社供給力のベース電源として活用しております出力15万6千kWの石炭火力、西条発電所1号機は、昭和40年11月の運転開始から50年以上が経過し、経年化が進んでおります。

 このため、将来にわたり電力を安定的に供給するための基盤を整備する観点から、現在、当社は、同機を出力50万kWの高効率な発電設備にリプレースする計画を進めているところです。

 本年4月には、環境影響評価法に基づき、平成28年3月より進めてきた環境アセスメント手続きが完了するなど諸準備が整ったことから、このたび、6月1日にリプレース工事に着工することといたしました。

 当社は、4年後の令和5年6月を予定している新1号機の営業運転開始に向け、引き続き、住民の皆さまをはじめ関係各位のご理解とご協力を賜りつつ、安全や周辺環境に配慮しながら、着実に工事を進めてまいります。

 石炭火力につきましては、現在、国内外で厳しい指摘もなされているところですが、資源に乏しい我が国においては、安全確保を大前提に、エネルギーの安定供給、経済性、環境保全の同時達成を目指す「S+3E」の観点から、中長期的観点に立って、多様な電源をバランスよく確保していくことが肝要であり、このことはこれまでの我が国のエネルギー源を巡る変遷を直視し、我々の教訓としてしっかりと肝に銘じるべきと確信するところであります。

 昨年7月に改定された国の「第5次エネルギー基本計画」におきましても、石炭火力は、「現状において安定供給性や経済性に優れた重要なベースロード電源」であり、「高効率化を進めつつ環境負荷の低減と両立しながら活用していく」とされております。
 こうした観点から、当社としても、原子力やLNG、再生可能エネルギーなど他の電源とのバランスを踏まえつつ、引き続き石炭火力を重要な電源として活用していく考えであり、低廉な電力を安定的にお届けする責任ある事業者としての役割を今後もしっかりと果たしてまいる所存です。 
                                                                                  


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