2022年05月31日
四国電力株式会社

2022年5月 社長定例記者会見の概要

 

 令和4年5月31日、長井社長が「燃料価格の動向とその影響」について説明しました。
(詳しくは「燃料価格の動向とその影響について」をご覧ください。)

【1.当社の電源構成】

 当社は、エネルギー供給を支える責任ある事業者として、安全確保を大前提とした原子力の最大限の活用や、再生可能エネルギーの主力電源化に向けた新規電源開発に取り組むとともに、火力の高効率化を進めながら、電力の安定供給を第一に、それぞれの電源の特性を踏まえたバランスの良い電源構成と、経済的かつ安定した需給運用の確保に努めています。

 電源別の発受電電力量の割合を見ると、2021年度は、伊方発電所の稼働期間が4か月程度であったことや、渇水による水力発電の減などから、火力発電が約7割(うち石炭が4割強と最も大きなウェイト)を占めており、2022年度は、伊方発電所の稼働増などにより、火力発電のウェイトは5~6割に減少するものの、燃料を海外からの輸入に頼る当社としては、燃料価格の動向が電気料金および当社の経営収支に大きく影響することがお分かりいただけるかと思います。

【2.火力燃料価格の推移】

(1)原油、石炭、LNGの価格(全日本通関CIF)
 コロナ禍からの経済回復等により需要が堅調に推移する一方、世界の脱炭素化の潮流に伴い新規の資源開発投資の停滞によって供給が制約をうけ、世界的に燃料需給のタイト化が進んでいたところに、今般のウクライナ情勢の緊迫化が重なり、化石燃料価格の高騰が続いています。

 原油、石炭、LNGともに、至近2年間で価格が約3~4倍に急騰しており、中でも石炭は、史上最高値を更新しています。なお、足元で取引されている石炭のスポット価格は、さらに高騰しており、その影響は今後、顕在化するものと想定されます。

(2)為替
 日米の金利差の拡大や、燃料価格高騰による日本の貿易赤字の拡大、さらにはこうした影響が長期化するという観測を背景に、円安が急激に進行しています。その結果、円ベースで見た燃料価格は、全日本通関CIFでお示しした値よりもさらに大きく上昇しています。

【3.電気料金に与える影響】

(1)燃料費調整制度の概要
 燃料費調整制度は、火力発電に使用する燃料の価格変動、すなわち事業者の効率化努力の及ばない燃料価格や為替レートの影響をできる限り速やかに電気料金に反映させるため、一定の基準により電気料金を毎月自動的に調整する仕組みです。
 原油、石炭、LNGそれぞれの3か月間の貿易統計価格を元に算出した平均燃料価格に応じて調整単価を算定し、2か月後の電気料金に反映します。

 当社は、需要家保護の観点から電気料金への反映については、あらかじめ定めた基準燃料価格の1.5倍まで、という調整の上限を設定しておりますが、先述のような燃料価格の異次元の高騰により、今年4月分の電気料金に反映する平均燃料価格が上限を超過し、5月分以降も超過が続いている状況です。

(2)燃料費調整制度における当社の平均燃料価格の推移
 平均燃料価格は、昨年3月分から14か月連続して上昇し、今年4月分で、基準燃料価格26,000円の1.5倍である39,000円を超過しました。その後もさらに上昇が続いており、上限を超過した部分は電気料金に反映されないため、発電に要した費用を回収できていない状態となっております。
 価格高騰が長期化の様相を呈している中、今後さらなる上昇が見込まれ、かつてのオイルショックに匹敵するような危機的な状況となっています。 

 こうした状況を踏まえ、国の審議会においても電気料金の在り方について議論が行われており、その中で有識者の委員から、事業者の持続可能性や安定供給に支障が生じるため何らかの方法で解決すべき、という主旨の発言もなされています。

 当社としては、こうした議論や燃料価格の動向なども踏まえながら、今後の具体的な対応について、検討を進めたいと考えております。


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