令和6年11月28日、宮本社長が「11月9日発生の大規模停電」、「東南海・南海地震対策検討委員会」および「伊方発電所の安全・安定運転への思い」について説明いたしました。
【11月9日発生の大規模停電】
ご承知のとおり、今月9日の夜、四国4県において、最大36万5千300戸、最長で約1時間半の停電が発生いたしました。
原因については、四国と関西を結ぶ「阿南紀北直流幹線」の系統操作において、四国電力送配電と、共同運用者である関西電力送配電との間で、操作内容の認識に齟齬があり、関西向けの電気の潮流が急増した結果、四国エリアの需給バランスを保つための安全装置である「周波数低下リレー」が動作し、停電に至ったものです。
今回の事象を受け、電力の安定供給を守るべき一般送配電事業者たる四国電力送配電に対して、猛省を促すとともに、親会社である当社としても、極めて重く受け止めております。今回の停電により、ご迷惑をおかけした多くの方々に、心よりお詫び申し上げます。
現在、四国電力送配電は、二度とこのような事態を起こさないよう、横井社長をトップとする社内検討会を立ち上げるとともに、関西電力送配電と協力しながら、原因およびその背景についての詳細分析や再発防止対策の検討を行っております。
これらについては、内容がまとまり次第、改めて、四国電力送配電から皆さまにご説明をさせていただきます。
当社グループといたしましては、四国エリアのエネルギー供給を担う事業者としての責任の重さを、改めて肝に銘じ、電力の安定供給に全力を尽くしてまいる決意であります。
【東南海・南海地震対策検討委員会】
当社および四国電力送配電では、従来から東南海・南海地震等に備えた対策を講じてきておりますが、今年1月に発生した能登半島地震を踏まえて、被害状況やそれらから得られる知見等の情報収集や分析を行い、自らの地震対策に反映するべく、検討を行ってまいりました。
先月には、両社による「東南海・南海地震対策検討委員会」を開催し、委員長である総合企画室長のほか、部長クラスが参加して、現時点で入手可能な情報を元に、これまでに各部門において検討・立案した対策について報告を行いました。
具体的には、復旧資機材の追加配備や、関係機関との協定締結等によるさらなる連携の強化、また、災害対応における社内運営の見直しや社員教育などについて、議論を交わし、今後、さらに内容を精査した上で、追加対策として、順次実施していくことといたしました。
当社といたしましては、地震など大規模自然災害への備えに終わりはないと考えており、今後とも絶えず情報収集を進め、関係する各機関とも連携しながら、新たな知見や方策を、適時適切に、自らの対策にしっかり反映させてまいりたいと考えております。
【伊方発電所の安全・安定運転への思い】
私が社長に就任して、はや5か月が経ちました。この間、夏場の記録的な猛暑や、日向灘を震源とする地震に伴い初めて発表された「南海トラフ地震臨時情報」などを経験し、また我が国を取り巻く国際情勢が不透明さを増す中で、電力の安定供給と脱炭素をいかに持続的に両立していくか、という課題は、片時も私の頭を離れることはありません。
また、その実現のためには再生可能エネルギーの導入拡大や火力の低炭素化を進めるとともに、とりわけ四国唯一の原子力発電所である伊方発電所の安全・安定運転が、いかに重要であるかを切実に感じながら、経営の舵取りを行ってまいりました。
ご承知のとおり、伊方発電所3号機については、今月12日に定期検査を終え、通常運転を再開したところです。現在、当社では、発電所周辺20キロ圏内にお住いの約2万6千世帯全てのご家庭を社員が訪問し、ご意見やご質問をお伺いする「訪問対話活動」を、今月末までの予定で実施しております。
1988年(昭和63)年に開始し、今年で37年目を迎えるこの活動は、地域の方々と直接お会いし、対話することができる、私自身、大変思い入れのある活動であります。私も先月、現地に足を運び、活動を支援してまいりました。
今年の住民の皆さまとの対話の中では、「近年、各地で大規模な地震が発生しているので安全対策をしっかりとしてほしい」、「安全には十分注意して運転してもらいたい」などといった様々なご意見を頂戴しております。
当社といたしましては、頂戴した貴重なご意見の一つ一つをしっかり受け止め、今後の発電所の運営に活かしていくのはもちろんのこと、日頃から発電所に関する情報を迅速かつ丁寧に発信していくことで、地域の皆様からご信頼いただける伊方発電所を目指してまいります。
伊方発電所3号機は、おかげさまで、来月15日に、運転開始から30年の節目を迎えます。これも愛媛県、伊方町を始めとする地域の皆様のご理解とご支援の賜物であり、この場をお借りして、心より御礼申し上げます。
改めて申すまでもなく、伊方発電所は四国の生活や産業を支える、電力の安定供給の要であります。
当社といたしましては、これからも伊方発電所の安全・安定運転の実績を着実に積み重ねるとともに、さらなる安全性・信頼性の向上に、不断の努力を重ねてまいる所存であります。