平成14年10月10日
四国電力株式会社伊方発電所における通報連絡事象(平成14年9月分)および
通報連絡事象に係る報告書の提出(平成14年8月分)について
○ 平成14年9月に、当社から愛媛県・伊方町に通報連絡した事象は以下の5件です。
これらの事象は、法律・通達に基づく報告事象に該当するものではなく、また、環境への放射能の影響もありませんでした。
事 象 発生月日 発表月日
1.伊方1号機 充てんポンプ軸封部漏えい水戻り配管からの漏えいについて 9月 2日 9月 3日2.伊方2号機 電動機内部温度記録計の不具合について 9月 6日 −3.伊方2号機 制御用空気圧縮機制御回路の不具合について 9月18日 −4.伊方1号機 屋外埋設消火配管の損傷について 9月26日 −5.伊方1号機 制御用空気圧縮装置の不具合について 9月28日 −
○ 平成14年8月に、伊方発電所において発生した以下の通報連絡事象について、その後の調査結果を踏まえた原因と対策をとりまとめ、愛媛県および伊方町に報告書を提出いたしました。
事 象 発生月日 発表月日1.伊方3号機 開閉所直流電源装置の不具合について 8月 9日 9月10日2.伊方3号機 取水ピットクレーンからの発煙について 8月29日 9月10日
(別紙1)伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成14年9月分)
- 伊方1号機 充てんポンプ軸封部漏えい水戻り配管からの漏えいについて
- 伊方2号機 電動機内部温度記録計の不具合について
- 伊方2号機 制御用空気圧縮機制御回路の不具合について
- 伊方1号機 屋外埋設消火配管の損傷について
- 伊方1号機 制御用空気圧縮装置の不具合について
(別紙2)伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成14年8月分)
- 伊方3号機 開閉所直流電源装置の不具合について
- 伊方3号機 取水ピットクレーンからの発煙について
以 上
別紙1
伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成14年9月分)
1.伊方1号機 充てんポンプ軸封部漏えい水戻り配管からの漏えいについて9月2日15時15分頃、通常運転中の伊方1号機において、充てんポンプCの軸封部漏えい水戻り配管の溶接部からわずかな漏えい(5秒に1滴程度)があることを運転員が発見した。
このため、充てんポンプCを予備のポンプに切り替えるとともに、当該配管の隔離作業を実施し、同日20時08分、漏えいが停止したことを確認した。
その後、漏えい個所の配管を取り替え、9月7日13時30分、当該ポンプを運転して漏えいのないことを確認し、通常状態に復旧した。
[充てんポンプ] 一次冷却系統から抽出した一次冷却水を浄化した後、再び一次冷却系統に戻すためのポンプ。
(3台設置しており、通常1台を運転し、2台は予備。)
軸封部漏えい水戻り配管とは、軸封部を通過した水を充てんポンプ入口側に戻すための配管。
(ステンレス製、外径約22mm)
2.伊方2号機 電動機内部温度記録計の不具合について9月6日8時2分、通常運転中の伊方2号機において、原子炉補機冷却水ポンプCの電動機内部の温度異常を示す信号が発信した。このため、原子炉補機冷却水ポンプCを予備のポンプに切り替えた。
調査の結果、当該電動機に異常はなく、電動機内部の温度を監視する記録計の入力回路(入力カード)の不具合と判明した。このため、当該記録計の入力回路を予備の回路に切り替え、同日11時35分、当該ポンプを運転して当該記録計に異常のないことを確認し、通常状態に復旧した。
[原子炉補機冷却水ポンプ] 一次系のポンプ、空調機器等の冷却のために冷水を供給しているポンプ。
(4台設置しており、通常2台を運転し、2台は予備。)
3.伊方2号機 制御用空気圧縮機制御回路の不具合について
9月18日9時56分、通常運転中の伊方2号機において、制御用空気の圧力低下を示す信号が発信し、予備機である制御用空気圧縮機Aが自動起動した。現地を確認したところ、常用機として運転中であった制御用空気圧縮機Bが無負荷運転状態(圧縮空気を発生しない状態)であった。
調査の結果、当該圧縮機本体に異常はなく、当該圧縮機の制御回路の不具合により負荷運転状態(圧縮空気を発生する状態)にならなかったと推定された。このため、当該制御回路を構成する部品(リレー、電磁弁、圧力検出器)を新品に取り替え、同日19時20分、当該圧縮機を運転して異常のないことを確認し、通常状態に復旧した。
[制御用空気圧縮機] プラント運転を制御する空気作動弁等の駆動用の圧縮空気を発生する装置。
(2台設置されており、通常1台を運転し、1台は予備。)
4.伊方1号機 屋外埋設消火配管の損傷について9月26日11時55分頃、通常運転中の伊方1号機において、脱気器建屋の新設工事に伴う杭打工事のための掘削作業を実施していたところ、誤って屋外の埋設消火配管を損傷し、消火用水が漏えいした。このため、当該配管を隔離し、漏えいが停止した。
その後、当該配管部に閉止蓋を取り付け、同日18時15分、仮復旧した。
また、使用できない消火栓の消火範囲を近接する他の消火栓で補えるよう対策を行った。
5.伊方1号機 制御用空気圧縮装置の不具合について
9月28日19時39分、通常運転中の伊方1号機において、制御用空気の露点温度の異常を示す信号が発信した。現地を確認したところ、制御用空気圧縮装置Aの一部を構成する空気除湿装置の再生用送風機のブロワが回転していなかった。このため、制御用空気圧縮機Aを予備機に切り替えた。
調査の結果、送風機用の電動機の回転力を伝えるプーリー(ベルト車)とブロワを連結するキー(プーリーとブロワの回転軸を固定するための部品)が外れ、プーリーが空回り状態となりブロワが回転しなくなったことから、除湿剤の再生ができなくなり、異常を示す信号を発信した。また、空回り状態によりプーリーの一部が摩耗した。このため、ブロワ本体を予備品に取り替え、翌日3時40分、当該圧縮機を運転して異常のないことを確認し、通常状態に復旧した。
[制御用空気除湿装置] 制御用空気除湿装置は除湿剤により圧縮空気中に含まれる湿分を取り除き、乾燥させるための装置。
再生用送風機は使用した除湿剤の再生のために加熱空気を送風する送風機。
別紙2
伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成14年8月分)
○事 象 8月9日23時39分、通常運転中の伊方3号機において、開閉所の制御用機器A系に電気を供給している開閉所直流電源装置Aの異常を示す信号が発信したため、開閉所直流電源装置Bから電気を供給できるよう切り替え操作を実施した。
点検の結果、開閉所直流電源装置Aの本体には異常は認められず、同装置の故障を検知する回路に不具合が発生したものと推定されたため、回路を構成する部品(ヒューズおよびリレー)を新品に取り替えた。
○原 因 調査の結果、当該故障検知回路の警報ヒューズの接点が、一時的な導通状態となったことから警報が誤発信したものと推定される。
一時的な導通状態になった要因としては、警報ヒューズの接点への微小な導電性異物の付着等が考えられる。
○対 策 ・
当該故障検知回路の警報ヒューズ(4個)とリレー(1個)を新品に取り替え、健全性を確認した。 ・ 当該盤の点検作業時の異物管理対策として、ヒューズカバーの開口部をビニールテープ等により塞いで作業することを追加し、作業要領書を改訂した。
また、同型のヒューズを使用している1、2、3号機直流電源装置制御盤についても同様の対策を行うこととし、作業要領書を改訂した。
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2.伊方3号機 取水ピットクレーンからの発煙について
○事 象 8月29日13時40分頃、伊方3号機の取水ピットクレーンの修繕工事を実施していたところ、当該クレーンの主巻電動機に電気を供給する主巻制御盤から煙が出ているのを作業員が発見し、近くにいた作業員が速やかに消火器を使用して消煙した。
点検の結果、当該クレーンの主巻電動機用に設置している電磁接触器12個のうち、 3個に軽微な焦げ跡および溶損が認められ、1個に著しい溶損が認められた。
○原 因 主巻電動機の起動直後に開(非導通状態)の状態であるべき電磁接触器5Bが復帰不良となっていたため、閉(導通状態)の状態であった。このため、主巻電動機の起動時に大きな電流が流れたことから内部で異常な発熱が生じ、溶損、発煙したものと推定される。
復帰不良となった要因としては、電磁接触器5Bの内部構成部品の摺動部への発錆による鉄屑の付着等が考えられる。
○対 策 ・
主巻制御盤内にある電気品(電磁接触器、タイマー、リレー等)を全て取り替えた。 ・ 取水ピットクレーン及び同様の使用環境にある屋外設置のクレーン制御盤について、電気品等の腐食を抑制するため、制御盤内に防錆剤を設置するとともに、月例点検時のクレーン作動時に、電磁接触器の作動状態の確認を行うこととし、作業要領書を改訂した。
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