伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成15年2月分)
1.伊方1号機 屋外埋設消火配管からの漏えいについて
2月2日10時50分頃、通常運転中の伊方1号機において、脱気器建家横の屋外消火栓地中部から水が湧き出ているのを作業員が発見した。このため、当該系統を隔離して漏えいを停止した。
調査の結果、地中部にある当該消火栓と消火配管の接続フランジから消火用水が漏えいしていたことが判明したため、当該フランジのパッキンを取り替え、17時40分、復旧した。

2.伊方1号機 体積制御タンク出口配管のほう酸析出について
2月18日14時5分頃、通常運転中の伊方1号機において、体積制御タンク出口配管に設置している予備の接続部に、1次冷却材がにじみ出したためにできたと思われるほう酸の付着を保修員が発見した。
調査の結果、当該接続部からの漏えいは既に停止しており、肉眼で確認できる欠陥はなかったことから、当該接続部に微小な貫通が発生したものと推定した。このため、当該接続部をエポキシ樹脂により補修し、2月19日9時、漏えいのないことを確認した。
なお、次回定検時に、詳細な調査を実施することとする。
[体積制御タンク] |
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1次冷却系統より抽出した冷却材を浄化し、再び1次冷却系統に戻す系統に設置しているタンクで、1次冷却系統のほう素濃度調整等による体積変動を吸収している。 |
3.伊方1号機 グランド蒸気排風機の不具合について
2月19日10時9分、通常運転中の伊方1号機において、グランド蒸気排風機の定期切り替えに伴い、グランド蒸気排風機Bを起動したところ、当該排風機の異常を示す信号が発信し、自動停止した。このため、運転中であったグランド蒸気排風機Aの運転を継続した。
調査の結果、当該排風機の出口にある排気管のドレン管が錆等により詰まって水が溜まっていたことから、当該排風機を起動した際に出口逆止弁が開き、排気管に溜まっていた水が逆流し、当該排風機の負荷が上昇して保護装置が作動したものと推定した。
このため、排気管の溜まり水を抜き取るとともに排気管のドレン管の詰まりを清掃し、2月20日11時30分、復旧した。
[グランド蒸気排風機] |
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グランド蒸気を凝縮させるグランド蒸気復水器内に蓄積された非凝縮性ガス(空気)を排出するための排風機。(2台設置しており、通常1台を運転し、1台は予備。)
グランド蒸気は、タービンの軸受け部から空気がタービン機内側に流入するのを防止するため、タービンの軸受け部をシールしている蒸気。 |

伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成15年1月分他)
1.伊方3号機 使用済燃料ピットエリアモニタの不具合について
○事 象
1月6日4時32分、通常運転中の伊方3号機において、使用済燃料ピットエリアモニタの指示値上昇を示す信号が発信した。
点検の結果、使用済燃料ピットエリアの放射線レベルに異常はなく、当該エリアモニタの検出器に不具合のあることが確認されたため、当該検出器を取り替え、1月6日9時10分、復旧した。
○原 因
メーカでの検出器開発段階において当該検出器の構成部品であるコンデンサを選定した際、使用条件(使用電圧・周囲温度等)による当該コンデンサの容量特性に対する確認が適切に行われていなかった。
このため、室温の低下に伴い、当該コンデンサの容量が低下し、検出器回路が正常に動作しなくなり、使用済燃料ピットエリアモニタの指示が上昇したものと推定される。
○対 策
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伊方発電所で使用している同型の検出器全数(当該検出器を含みエリアモニタ27台、プロセスモニタ3台)の当該コンデンサについて、使用条件(使用電圧・周囲温度等)に対する特性の優れたものに順次取り替える。 |
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メーカに対し、品質管理の強化を図るよう要求した。 |

2.伊方1・2号機 純水装置真空脱気器ポンプ出口流量計からの漏えいについて
○事 象
1月24日14時頃、通常運転中の伊方1・2号機純水装置エリアにおいて、真空脱気器ポンプの出口配管に設置している流量計付近から、純水が漏えいしたと思われる水ぬれ跡を保修員が発見した。
点検の結果、当該流量計のサイトグラス(アクリル製)にき裂が生じ、純水が漏えいしていたことが判明した。このため、当該流量計が入荷するまでの間、仮設の流量計を設置した。
○原 因
当該流量計のサイトグラスが、日光(紫外線)、周囲温度の変化および風雨等の影響により経年劣化したことから、真空脱気装置の起動・停止に伴う当該流量計内の圧力変動等によりサイトグラスにき裂が生じたものと推定される。
○対 策
2月13日、当該流量計を新品に取り替え、異常のないことを確認した。
なお、取り替えにあたっては、環境条件の影響をうけにくくする観点から、当該流量計の型式変更を行った。

3.伊方2号機 脱気器水面計用配管からの漏えいについて
○事 象
平成14年2月14日14時15分頃、通常運転中の伊方2号機において、脱気器エリアの床面に水ぬれ跡があることを保修員が発見した。
調査の結果、脱気器水面計の下部取出し配管から漏えいのあることが判明した。このため、充てん材による補修を行い、平成14年2月15日10時50分、漏えいを停止した。
○原 因
脱気器水面計の保温開口部より、保温の内側に雨水が浸入し、当該配管外表面が湿り雰囲気となったことから、配管外表面の錆止め塗装が劣化した箇所において腐食が発生し、進展したことにより貫通、漏えいしたものと推定される。
○対 策
・ |
漏えい箇所を含む脱気器水面計配管をステンレス製配管に取り替えた。
なお、2号機脱気器まわりについては、平成15年度中に囲いを設ける計画であり、これにより保温の内側への雨水の浸入は防止される。 |
・ |
同様の構造である3号機脱気器水面計配管について、次回定期検査時に点検を実施する。
なお、1号機については、1号機18回定期検査(平成11年5月から8月)時に、ステンレス製配管への取替を実施済みである。 |

4.伊方2号機 タービン油冷却器冷却水系統手動弁の不具合について
○事 象
平成14年10月1日10時30分頃、通常運転中の伊方2号機において、タービン油冷却器の冷却水系統の手動弁から異音があることを運転員が発見した。
点検の結果、当該手動弁の弁ハンドル軸と弁棒を連結するウォーム歯車の歯が欠損したため、ウォーム歯車が流体振動により振動して異音を発生させていた。このため、流体振動により弁体が動かないよう、当該弁の駆動部に固定治具を取り付け固定し、平成14年10月3日18時40分、仮復旧した。
○原 因
当該弁は、温度制御弁の絞りによる乱流の影響を受ける範囲に設置されていたことから、弁体が開閉方向に振動して弁ハンドル軸と弁棒を連結するウォーム歯車に繰り返し荷重が作用し、ウォーム歯車の歯が欠損したものと推定される。
○対 策
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平成15年1月27日から開始した第16回定期検査において、当該弁一式を新品に取り替えた。 |
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温度制御弁の絞りによる当該弁への乱流の影響をなくすため、温度制御弁と当該弁の間に整流板を設置した。 |

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