平成15年4月10日
四国電力株式会社
伊方発電所における通報連絡事象(平成15年3月分)および
通報連絡事象に係る報告書の提出(平成15年2月分)について
○ 平成15年3月に、当社から愛媛県および伊方町に通報連絡した事象は以下の5件です。
これらの事象は、法律・通達に基づく報告事象に該当するものではなく、また、環境への放射能の影響もありませんでした。
事 象 発生月日 発表月日
1.伊方2号機 加圧器補助スプレイライン逆止弁の不具合について 3月 5日 3月 6日
2.伊方2号機 原子炉補機冷却水系統逃がし弁動作に伴う純水の漏えいについて 3月18日 3月19日
3.伊方1号機 作業員の目への異物混入について 3月26日 ─
4.伊方3号機 復水脱塩装置再生用水ポンプ出口配管からの漏えいについて 3月27日 ─ 5.伊方発電所における作業員の負傷について 3月27日 3月27日
○ 平成15年2月に、伊方発電所において発生した以下の通報連絡事象について、その後の調査結果を踏まえた原因と対策をとりまとめ、愛媛県および伊方町に報告書を提出いたしました。
事 象 発生月日 発表月日
1.伊方1号機 屋外埋設消火配管からの漏えいについて 2月 2日 3月10日
2.伊方1号機 グランド蒸気排風機の自動停止について 2月19日 3月10日
(別紙1)伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成15年3月分)
- 伊方2号機 加圧器補助スプレイライン逆止弁の不具合について
- 伊方2号機 原子炉補機冷却水系統逃がし弁動作に伴う純水の漏えいについて
- 伊方1号機 作業員の目への異物混入について
- 伊方3号機 復水脱塩装置再生用水ポンプ出口配管からの漏えいについて
- 伊方発電所における作業員の負傷について
(別紙2)伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成15年2月分)
- 伊方1号機 屋外埋設消火配管からの漏えいについて
- 伊方1号機 グランド蒸気排風機の自動停止について
以 上
伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成15年3月分)
1.伊方2号機 加圧器補助スプレイライン逆止弁の不具合について3月5日14時頃、第16回定期検査中の伊方2号機において、本定期検査中に取り替えた加圧器補助スプレイラインの逆止弁の液体浸透探傷検査を実施したところ、弁座に指示模様が見られた。
調査の結果、当該弁の内部に線状の傷(半径方向:約5mm、垂直方向:約8mm)が1箇所確認されたため、当該弁を新品の逆止弁に取り替えた。
[加圧器補助スプレイライン] 加圧器スプレイラインは、1次冷却系統内の圧力が上昇した際、加圧器の気相部に1次冷却水をスプレイすることにより圧力上昇を抑制し、圧力を一定に制御するための設備であり、通常運転中に使用するラインとバックアップ用の補助ラインがある。補助ラインには不使用時に1次冷却水が逆流することを防止するための弁(逆止弁)を設置している。
2.伊方2号機 原子炉補機冷却水系統逃がし弁動作に伴う純水の漏えいについて3月18日11時頃、第16回定期検査中の伊方2号機の原子炉格納容器内において、床面に溜まり水(約2リットル)があることを作業員が発見した。
調査の結果、補機冷却水系統のうち一次冷却材ポンプを冷却するための純水を供給する配管の弁を機能検査のため開操作した際、配管内部の一時的な圧力変動により、当該配管の逃がし弁(3台)が動作し、冷却水が漏えいしたものと推定した。
このため、逃がし弁が動作した場合でも冷却水が飛散することがないよう、逃がし弁の出口側に飛散防止措置を行った。
[補機冷却水系統] 1次系のポンプ、空調機器等を冷却するために冷却水(純水)を供給する系統。
逃がし弁は、系統内の圧力を規定値以下に保つために設置している弁で、圧力が上昇した場合に開く設定となっている。
3.伊方1号機 作業員の目への異物混入について3月26日11時50分頃、通常運転中の伊方1号機のタービン建屋において、日常保修作業を行っていた作業員の右目に異物が混入した。
このため、所内の健康管理室にて治療した後、当該作業員を病院に搬送した。
診察の結果、右目の異物は既に取れており点眼治療を要するものの就労には問題ないとの診断であった。
4.伊方3号機 復水脱塩装置再生用水ポンプ出口配管からの漏えいについて3月27日13時57分頃、通常運転中の伊方3号機において、復水脱塩装置再生用水ポンプ出口配管のフランジ部から純水の漏えいがあることを作業員が発見した。このため、当該系統を隔離して漏えいを停止した。
当該フランジ部を点検した結果、パッキンにこすれ跡が見られたものの、割れ等の損傷はなかった。
その後、当該フランジ部のパッキンを取り替え、復旧した。
[復水脱塩装置] 2次冷却水に含まれる不純物等をイオン交換樹脂にて取り除き、浄化する装置。再生用水ポンプは、復水脱塩装置のイオン交換樹脂の再生に使用する純水を供給するポンプ。
5.伊方発電所における作業員の負傷について3月27日14時頃、伊方発電所の屋外開閉所付近において、協力会社の作業員が、 フォークリフトの点検のため、構内の道路を走行中、横転し、左足が下敷きとなり負傷した。このため、当該作業員を八幡浜市内の病院に搬送した。
診察の結果、左足骨折のため休業加療が必要との診断があった。
伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成15年2月分)
1.伊方1号機 屋外埋設消火配管からの漏えいについて
○事 象2月2日10時50分頃、通常運転中の伊方1号機において、脱気器建家横の屋外消火栓地中部から水が湧き出ているのを作業員が発見した。このため、当該系統を隔離して漏えいを停止した。
○原 因
点検の結果、地中部にある当該消火栓と消火配管の接続フランジ部のボルトが緩んでいたため、当該フランジ部から消火用水が漏えいしていたと判明した。
屋外消火栓の移設(脱気器建家の新設に伴う移設)に伴う埋め戻しの際、当該消火栓の支持が不十分であったことから、消火ホースの着脱及び放水による反力により、消火栓の最下端にある当該フランジ部を中心として消火栓が振動し、当該フランジのボルトが除々に緩み、漏えいしたものと推定される。
○対 策
当該フランジパッキンを新品に取り替え、当該消火栓にサポートを設置した後、当該消火栓を入念に埋め戻しを行った。
2.伊方1号機 グランド蒸気排風機の自動停止について
○事 象2月19日10時9分、通常運転中の伊方1号機において、グランド蒸気排風機の定期切り替えに伴い、グランド蒸気排風機Bを起動したところ、当該排風機の異常を示す信号が発信し、自動停止した。このため、運転中であったグランド蒸気排風機Aの運転を継続した。
○原 因
点検の結果、当該排風機の出口にある排気管のドレン管が鉄さび屑等により閉塞し、排気管に水が溜まっていた。このことから当該排風機を起動した際、排気管の溜まり水が逆流し、当該排風機の負荷が上昇して保護装置が作動したものと推定した。
このため、排気管の溜まり水を抜き取るとともに排気管のドレン管を清掃し、復旧した。屋外にある排気管の排気口から雨水とともに流入した大気中の塵埃や排気管内表面等の腐食により生じた鉄さび屑がドレン管に流入し、徐々に堆積したため閉塞したものと推定される。
○対 策1〜3号機グランド蒸気排風機の排気管について、水が滞留することがないよう定期的に排気管ドレン配管の点検、清掃を実施することとし、作業要領書に反映した。
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