平成15年6月18日
四国電力株式会社



伊方1号機の小口径配管における微小な傷について(続報)




 伊方発電所1号機(加圧水型、定格電気出力56万6千キロワット)は、4月27日より第21回定期検査を実施中のところ、原子炉格納容器内の小口径配管(安全注入系統テストライン)にテープとみられる付着物(4箇所)を発見したため、当該箇所の液体浸透探傷検査を実施したところ、6月13日18時20分頃このうち2箇所で、また、21時40分頃1箇所で欠陥指示(傷)を確認しました。

(6月13日発表済み)


 その後の調査の結果、
建設時の試験において、当該配管に高温水が流れたこと
付着物は塩化ビニールテープと推測されたこと
欠陥指示箇所を切り出しての配管表面の拡大観察で粒内割れが認められたこと
から、傷は塩化物応力腐食割れによるひびと判断いたしました。

 また、安全注入系統テストラインの配管について付着物の調査を行い、これまでのところ更に77箇所に付着物を確認しました。このうち50箇所について液体浸透探傷検査が終了しており、新たに6箇所に欠陥指示が確認されましたが、表面をうすく研削することで、指示は消滅しました。

 平成12年の伊方1号機充てん配管耐圧検査時の漏えい事象の水平展開として、運転中に高温水が流れ、塩化物応力腐食割れが発生する可能性のある配管の点検は既に終了しておりますが、今後引き続き、定期検査中の試験等で高温水が流れる可能性のある類似配管の点検を実施するとともに、切り出した箇所については、新品の配管に取り替えることといたします。

 本事象による、環境への放射能の影響はありません。
 なお、本件は法律・通達に基づく報告事象ではありません。

(参考)
安全注入系統テストライン
 通常運転中に使用することがない高圧注入ポンプの健全性を確認するために設置しているラインで、定期的に高圧注入ポンプを起動し、本ラインを用いて高圧注入系統内のほう酸水を循環させることにより、その健全性を確認している。
液体浸透探傷検査
 材料表面に液体を塗布し、その後現像液により傷に浸透した液体を表面ににじみ出させて、目視では確認できないような微細な傷を検出する検査。



添付資料−1 伊方発電所第1号機位置図 (非公開)
添付資料−2 伊方発電所第1号機概略系統図
添付資料−3 安全注入系統テストライン配管調査結果


以 上


添付資料−2







添付資料−3

安全注入系統テストライン配管調査結果

<配管仕様>  
   材質:ステンレス
   外径:27.2mm
   内径:19.4mm
   肉厚: 3.9mm
  強度上必要な最小配管肉厚:1.3mm

欠陥指示箇所 初期の厚さ(mm) ひび部の残留厚さ(mm)
@ 3.87〜3.99 1.61
A 3.78〜3.85 1.33
B 3.93〜4.01 0.65



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