平成15年9月10日
四国電力株式会社



伊方発電所における通報連絡事象(平成15年8月分)および
通報連絡事象に係る報告書の提出(平成15年7月分他)について



平成15年8月に、当社から愛媛県および伊方町に通報連絡した事象は以下の6件です。
これらの事象は、法律・通達に基づく報告事象に該当するものではなく、また、環境への放射能の影響もありませんでした。

事  象 発生月日 発表月日
1.伊方3号機 炉内出力分布測定における制限値超過について
8月 6日 8月 7日
2.伊方3号機 新燃料開梱作業中における作業員の負傷について
8月11日 8月11日
3.伊方3号機 タービン動主給水ポンプ油清浄器ガス抽出機の不具合について
8月15日
4.伊方3号機 主変圧器保護リレー装置の不具合について
8月20日
5.伊方発電所 モニタリングポスト用埋設ケーブルの損傷について
8月21日
6.伊方2号機 補助蒸気配管からの漏えいについて
8月22日



平成15年7月に発生した通報連絡事象および9月3日に発生した伊方1・2号機硫酸第一鉄含有洗浄水の海域への流出について、その後の調査結果を踏まえた原因と対策をとりまとめ、愛媛県および伊方町に報告書を提出いたしました。

事  象 発生月日 発表月日
1.伊方1号機 定期検査における一次冷却水の系統内漏出について
7月 3日 7月 3日
2.伊方1号機 一次冷却材ポンプ封水注入ライン流量計計器元弁からの漏えいについて
7月 9日 7月10日
3.伊方3号機 取水ピット水位計の不具合について
7月10日 8月11日
4.伊方1・2号機 硫酸第一鉄含有洗浄水の海域への流出について
9月 3日 9月 4日



(別紙1)伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成15年8月分)

  1. 伊方3号機 炉内出力分布測定における制限値超過について
  2. 伊方3号機 新燃料開梱作業中における作業員の負傷について
  3. 伊方3号機 タービン動主給水ポンプ油清浄器ガス抽出機の不具合について
  4. 伊方3号機 主変圧器保護リレー装置の不具合について
  5. 伊方発電所 モニタリングポスト用埋設ケーブルの損傷について
  6. 伊方2号機 補助蒸気配管からの漏えいについて

(別紙2)伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成15年7月分他)

  1. 伊方1号機 定期検査における一次冷却水の系統内漏出について
  2. 伊方1号機 一次冷却材ポンプ封水注入ライン流量計計器元弁からの漏えいについて
  3. 伊方3号機 取水ピット水位計の不具合について
  4. 伊方発電所 硫酸第一鉄含有洗浄水の海域への流出について



以 上

別紙1

伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成15年8月分)

1.伊方3号機 炉内出力分布測定における制限値超過について

 8月6日18時25分、通常運転中の伊方3号機において、定期的に実施している炉内出力分布測定を実施したところ、燃料1体の最上部で出力評価値(測定された中性子の数から一定の計算諸元を用いて出力を評価)が制限値を約1%超えていることが確認された。このため、伊方発電所原子炉施設保安規定に基づき、原子炉出力を2%降下した。
 これは、運転中の炉心最上部周辺には炉心から放出された中性子が炉心の周りにある水により反射されて集まり、その中性子群が影響したものと考えられる。このような炉心最上部周辺に中性子が集まる傾向は一般的に燃焼が進むにつれて顕著に見られ、燃料の健全性に問題はない。
 また、炉心上部の出力評価の方法について再検討し、定期検査直後の諸元に基づき評価していたこれまでの方法から、ウラン燃料の燃焼の進み具合に応じた諸元に置き換えて、出力降下前の出力評価値について再評価を行った結果、制限値を下回っていたことが確認された。
 その後、炉内出力分布測定を再度実施し、ウラン燃料の燃焼の進み具合に応じた諸元に基づき評価を行い、制限値を下回っていたことを確認し、8月8日1時5分、原子炉出力を復帰させた。
 なお、今後の炉心上部の出力評価にあたっては、ウラン燃料の燃焼の進み具合に応じた諸元に基づき評価することとする。

[炉内出力分布測定]
炉内のウラン燃料の燃焼(核分裂)状況を詳細に把握するために実施しているもので、毎月1回、可動型の検出器を炉心内(50箇所)に挿入し、炉心内の中性子の数を測定することにより、燃料の出力分布を評価している。







2.伊方3号機 新燃料開梱作業中における作業員の負傷について

 8月11日9時30分頃、通常運転中の伊方3号機において、燃料取扱建屋内で8月7日に搬入した新燃料輸送容器を開梱し、新燃料貯蔵庫に移送する作業をしていたところ、作業員1名が輸送容器の一部で右手人差し指の指先を挟み負傷したため、当該作業員を病院に搬送した。
 医師の診察の結果、右示指指尖部損傷(3週間の通院・加療、休業見込みなし)と診断された。







3.伊方3号機 タービン動主給水ポンプ油清浄器ガス抽出機の不具合について

 8月15日8時41分、通常運転中の伊方3号機において、二次系のタービン動主給水ポンプ油清浄器ガス抽出機の異常を示す信号が発信し、当該ガス抽出機が自動停止した。
 点検の結果、当該ガス抽出機の電動機のベアリングが損傷していたため、ベアリングを取り替え、復旧した。
 なお、当該ガス抽出機の停止によるタービン動主給水ポンプへの影響はなかった。


[タービン動主給水ポンプ油清浄器ガス抽出機]
ガス抽出機は、タービン動主給水ポンプの潤滑油を浄化している油清浄器の中に溜まるガス等の不純物を除去するための装置。 
タービン動主給水ポンプは蒸気発生器へ水を供給するポンプ。






4.伊方3号機 主変圧器保護リレー装置の不具合について

 8月20日10時02分、通常運転中の伊方3号機において、主変圧器保護リレー装置の異常を示す信号が発信した。
 点検の結果、主変圧器保護リレー装置に異常はなく、主変圧器保護リレー装置を自動診断する装置内の回路の接続部で一時的な不良が発生し、当該診断装置が正常に動作しなかったものと考えられた。このため、当該診断装置の清掃を行い、再度、当該診断装置の動作確認を行い問題ないことを確認した。
 なお、主変圧器は多重に保護されているため、本事象によるプラントの運転に影響はなかった。

[主変圧器保護リレー装置]
主変圧器保護リレー装置は、主変圧器内部の故障(短絡や地絡)が発生した場合に、それを検知し、主変圧器を停止させる装置。







5.伊方発電所 モニタリングポスト用埋設ケーブルの損傷について

 8月21日13時17分、伊方1・2号機および3号機の中央制御室にある野外モニタ盤等に、電源異常を示す信号が発信し、野外モニタ盤等のNo.4モニタリングポストの指示値が表示不能となった。
 調査の結果、No.4モニタリングポスト本体に異常はなく、当該モニタリングポストの現地での指示値も正常であった。このため、当該モニタリングポストから中央制御室等に信号を送る回路を調査した結果、発電所構内で行われていた掘削工事において、信号を送る回路のケーブルを切断および電源ケーブルを損傷させていたことが判明した。
 その後、信号ケーブルおよび電源ケーブルの応急復旧作業を行い、中央制御室等で正常な指示が表示されることを確認した。
 なお、中央制御室等の指示値が表示不能の間は、当該モニタリングポスト内に指示値を確認するカメラを設置し、中央制御室で連続的に監視を行った。
 今後、応急復旧したケーブルの本復旧作業を行う予定である。

[モニタリングポスト]
伊方発電所敷地内に4箇所設置しており、設置場所周辺の大気中の放射線量を測定している。また、これとは別に伊方発電所敷地外において、設置場所周辺の大気中の放射線量や、ほこり・ちりなどに含まれている放射能量を測定するモニタリングステーションを1箇所設置している。






6.伊方2号機 補助蒸気配管からの漏えいについて

 8月22日14時10分頃、通常運転中の伊方2号機において、補助蒸気を供給するための配管より漏えいがあることを運転員が確認した。このため、当該配管を隔離し、点検を実施した。
 その結果、当該配管の曲管部近傍からの漏えいと判明したため、漏えい箇所の配管を取り替え、漏えいがないことを確認した。
 なお、当該配管の隔離による発電設備への影響はなかった。

[補助蒸気]
補助蒸気とは、純水装置、空調設備など付帯設備で使用する蒸気。




別紙2

伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成15年7月分他)

1.伊方1号機 定期検査における一次冷却水の系統内漏出について

 ○事 象  ○原 因  ○対 策







2.伊方1号機 一次冷却材ポンプ封水注入ライン流量計計器元弁からの漏えいについて

 ○事 象  ○原 因  ○対 策






3.伊方3号機 取水ピット水位計の不具合について

 ○事 象  ○原 因  ○対 策





4.伊方発電所 硫酸第一鉄含有洗浄水の海域への流出について

 ○事 象  ○原 因  ○対 策
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