平成15年12月10日
四国電力株式会社
伊方発電所における通報連絡事象(平成15年11月分)および
通報連絡事象に係る報告書の提出(平成15年10月分)について
○ 平成15年11月に、当社から愛媛県および伊方町に通報連絡した事象は以下の1件です。この事象は、法律に基づく報告事象に該当するものではなく、また、環境への放射能の影響もありませんでした。
事 象 発生月日 発表月日
1.伊方3号機 原子炉容器内部構造物吊上金具(工具)の変形について 11月 15日 11月 17日
○ 平成15年10月に、伊方発電所において発生した以下の通報連絡事象について、その後の調査結果を踏まえた原因と対策をとりまとめ、愛媛県および伊方町に報告書を提出いたしました。
事 象 発生月日 発表月日
1.伊方3号機 放水ピット試料採取ポンプの不具合について 10月 8日 11月10日
2.伊方1・2号機 脱塩水タンク水位計の不具合について 10月25日 11月10日
3.伊方3号機 一次冷却材ポンプモータ用冷却水の漏えいについて 10月31日 10月31日
(別紙1)伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成15年11月分)
- 伊方3号機 原子炉容器内部構造物吊上金具(工具)の変形について
(別紙2)伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成15年10月分)
- 伊方3号機 放水ピット試料採取ポンプの不具合について
- 伊方1・2号機 脱塩水タンク水位計の不具合について
- 伊方3号機 一次冷却材ポンプモータ用冷却水の漏えいについて
以 上
伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成15年11月分)
1.伊方3号機 原子炉容器内部構造物吊上金具(工具)の変形について
11月15日、第7回定期検査中の伊方3号機の原子炉格納容器内において、原子炉容器内部構造物の吊上作業の準備として、専用の吊上金具を使用してリハーサルを行っていたところ、金具の動きが円滑でなかったことから点検を実施した。その結果、同日13時45分頃、当該金具の補助部品である補助リングおよびそれを支持する補助リング操作棒に変形があることを確認した。
調査の結果、当該金具を監視カメラで案内棒上に位置決めした際に僅かなずれが生じていたため、金具を吊下ろした際に案内棒と補助案内孔が干渉し、当該金具の補助リングおよび補助リング操作棒に変形を生じさせたものと推定した。
このため、変形した補助リング等を取り外し、監視カメラ画像の視認性を高める等位置決めの精度の向上を図るとともに、水中カメラを増設して作業監視体制を強化したうえでリハーサルを再度実施し、その後、11月17日、原子炉容器内部構造物の吊上作業を行った。
[原子炉容器内部構造物吊上作業] 原子炉容器の溶接部の健全性を確認する検査の準備作業として、原子炉容器の内部構造物を専用の金具で吊り上げて取り外す作業。
補助リングは、原子炉容器内部構造物吊上金具の位置決めを主案内孔で行うに当たって、その作業を補助する目的で設置されている部品。
伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成15年10月分)
1.伊方3号機 放水ピット試料採取ポンプの不具合について
○事 象10月8日23時45分、第7回定期検査中の伊方3号機において、放水ピット水モニタの故障を示す信号が発信した。このため、現地を確認したところ、放水ピットの試料採取ポンプBが自動停止し、放水ピット水モニタ等への海水の供給が停止していることを確認した。
○原 因
調査の結果、試料採取ポンプBの電源設備である漏電ブレーカーが故障していることが判明したため、漏電ブレーカーを取り替え、復旧した。漏電ブレーカー内の漏電を検出する回路が故障し、誤動作したため試料採取ポンプBが自動停止したものと推定される。
○対 策当該ポンプの漏電ブレーカーを新品に取り替えた。
また、同様な運用を行ってきた試料採取ポンプAについても、念のため漏電ブレーカーを新品に取り替えた。
2.伊方1・2号機 脱塩水タンク水位計の不具合について
○事 象通常運転中の伊方1・2号機において、脱塩水タンク水位の異常を示す信号が発信したことから、脱塩水タンクの水位計を点検したところ、10月25日16時10分頃、水位を測定するためのステンレス製の測定テープが切断していることが判明した。
○原 因調査の結果、案内滑車を保持している軸受けネジが損耗し、案内滑車が傾きケースと接触して固着したため、測定テープがフロートのタンク水位の変化による上下動に伴い、案内滑車との摺動により摩耗し、切断したものと推定される。
○対 策
また、同型式の水位計全数(41台)について点検した結果、1号機の所内用水タンクの水位計に指示不良があることを確認した。他の水位計には異常はなかった。
所内用水タンクの水位計を調査した結果、フロートが測定ワイヤ(測定テープと同じ機能)から外れたため、指示不良となっていた。
- 脱塩水タンクは、当該水位計で行っていた警報・制御機能を別型式の水位計から発信している信号で行えるよう信号回路の変更を行い、復旧した。
- 所内用水タンクの水位計は、現在および今後とも水位監視に使用しないため1号機の次回定期点検時に撤去することとする。なお、他のタンクの水位計についても必要性を検討し不要なものは撤去することとする。
- 同型式の水位計点検について、案内滑車の回転具合確認等の実施および測定ワイヤの取り替え時のフロートとの接続手順を具体的に作業要領書に記載した。
3.伊方3号機 一次冷却材ポンプモータ用冷却水の漏えいについて
○事 象10月31日10時40分頃、第7回定期検査中の伊方3号機において、一次冷却材ポンプA、Bのモータ冷却水系統の水張り作業を行っていたところ、原子炉格納容器3階で水が漏れていることを作業員が発見した。
○原 因
現地を確認した結果、一次冷却材ポンプCの点検のために取り外していた同モータへの冷却水供給配管の開口部から、水張り中の純水が漏えいしていることを確認した。このため、水張り作業を中断し、漏えいを停止した。
調査を行ったところ、漏えい箇所につながる閉止中の弁の不具合によるものと推定されたため、当該弁の点検・手入れを行い、復旧した。当該弁を分解点検した結果、弁体および弁座に損傷等の異常がなかったことから、当該弁を閉じた際、シート部に微小な異物が挟まり、漏えいが生じたものと推定される。
○対 策
- 当該弁の弁体および弁座等の点検・手入れを行った後、一次冷却材ポンプA,Bのモータ冷却水の水張りを行い、当該弁に漏えいがないことを確認した。
- 機器の点検のため配管等を取り外している系統に水張りを行う場合は、当該箇所の養生を確実に実施するとともに漏えいが無いことを確認することとし、その旨を作業要領書に記載した。
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